サライ特集「蔦屋重三郎」!ニッポンの出版文化は蔦重によってつくられた

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今日の夢中は、サライ特集「蔦屋重三郎」!ニッポンの出版文化は蔦重によってつくられた…です。
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■サライ

旅、食、人物、歴史、文化、趣味など、大人のライフスタイル情報誌「サライ」
2025年2月号は、東洲斎写楽の迫力ある役者絵を表紙にした「創刊35周年記念特大号」。

「大特集」としてとり上げるのは、その写楽を世に出した江戸のメディア王、蔦屋重三郎です。
特集名は、蔦屋重三郎が生んだ「出版文化」。タウン情報誌も大人の艶本も、みんなここから始まったというサブタイトルが付されています。

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2025年注目のひと、蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)。通称「蔦重」(つたじゅう)。
2025年の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主人公。蔦重を俳優の横浜流星さんが演じています。

突如として名前を聞くようになった「蔦重」ですが、ほとんどの人はよく知らない人物ではないでしょうか。
でも実は、華やかな江戸文化や今ある出版文化のもとを築いた、とんでもない偉人なんですよね…。

ということで、まだ遅くない。今から蔦屋重三郎の功績を辿ってみましょう。
「サライ」2025年2月号から、蔦重の生きた江戸中期へ、蔦屋重三郎が生んだ「出版文化」を知る誌面旅に出かけましょう。

■蔦屋重三郎がつくった「出版文化」

ニッポンの「出版文化」は蔦重によってつくられた…。
そんな特集第一部で解説を務めるのは、大河ドラマ「べらぼう」の時代考証を担当する棚橋正博さん

蔦重を「希代の出版プロデューサー」と評する棚橋さんは、蔦重が世に出た時代の背景を丁寧に解説しています。
端緒となったのは、第8代将軍・徳川吉宗の享保の改革。このとき町に寺子屋が設けられたことによって、一般庶民も読み書きができるようになり、出版物の市場が用意されました。

吉宗の死後、幕政の表舞台に登場したのが田沼意次。田沼時代は賄賂政治だと批判がありますが…。
棚橋さんは、実は田沼意次は商業中心に舵を切り経済が大きく発展、庶民が好景気の恩恵を受けたと指摘します。

田沼意次:御不審を蒙ること、身に覚えなし

バブル景気ならぬ田沼景気でしょうか…。そんな賑やかな時代に登場したのが、江戸の出版王・蔦重でした。
蔦重は、これまでの「論語」や古典などを扱う出版業界に、赤本や黄表紙などの草双紙(絵入り本)を導入。狂歌ブームや浮世絵ブームを仕掛けるなど、まさにニッポンの出版文化をつくりました。

蔦重が、現在の出版文化にもたらした影響はどのようなものでしょうか。
本誌では、蔦重が手掛けた出版物と現在のメディア文化とのつながりを、分かりやすく解説しています。

まずは、蔦重が最初期に出版した「吉原細見」。これは、今でいう「タウン情報誌」でした。
吉原のマップや遊女屋ガイド、遊女のランキングなどを掲載。定期的に情報を刷新して刊行しベストセラーとなりました。

さらに、今にも残る「美人画」。蔦重が見出した喜多川歌麿によって大きな人気を集めます。
江戸時代は映像メディアがなかったため、美人画が雑誌のグラビアページの役割を果たしたと、棚橋さんは指摘します。元祖プレイボーイでしょうか…。

もっと知りたい喜多川歌麿

同じように、歌舞伎俳優の姿を描く「役者絵」は、今でいうブロマイドのようなものだといいます。
この役者絵で才能を発揮した東洲斎写楽を見出したのも蔦重でした。「勘」というか目利きも抜群だったんでしょうね。さすがは、希代の出版プロデューサーです。

そして、蔦重が手掛けて江戸の人々を夢中にさせた「黄表紙」。セリフ付きの絵物語で、人情や笑い、色恋などを描きました。
これはまさに現代でいうところのコミック誌。マンガやラブコメの元祖でしょうか。蔦重は、子供向けから大人向けのジャンルを開拓し、一大ブームを作りました。

すごいな、蔦重…。蔦重がいなかったら、江戸文化の隆盛もいまの出版文化もなかったことでしょう。
誌面では他にも、特集第2部として「蔦重と時代を創った大江戸巨星(スター)列伝」なども掲載、見応えも読み応えも十分。「べらぼう」で蔦重に関心を持った方におすすめの一冊となっています。

今日の夢中は、サライ特集「蔦屋重三郎」!ニッポンの出版文化は蔦重によってつくられた…でした。
ありがとう、サライ! ありがとう、特集・蔦屋重三郎が生んだ「出版文化」!

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