会いたくて震えることがあるなんて | えらーぶるのブログ

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ごきげんよう、えらーぶるです赤薔薇


(以下、気持ち悪いので閲覧注意)


この前読んだ小説に囚われています。


とても面白い小説だった。出来事は淡々と書かれている一方で、心情が細やかに表現されてい

る。それはある人の一代記で、大部分は戦っていた。しかし、頻繁に現れる恋愛要素には、何とも言えず精神に来るものがありました。


先が気になるから読む。その度に私は小説の世界観に引き込まれ、現実世界へ出てくることができませんでした。主人公は暗い過去を持っていて、なんとかしてあげたい、私ならそれを打ち消せるほど、愛していると思いました。


彼が病気になった時には付きっきりで看病したいと思い、失敗した時には抱きしめて慰めたいとさえ思ってしまった。


感動と切なさと愛しさと、色々な感情が溢れ出て、あまりに泣けるので、いい加減勉強が手に付かなくなってきた。日常生活にも支障が出て、これは流石に問題があると思い、1巻を読了した時点で続きを読むのを止めました。幸い図書館に2巻以降は無かった。


読み終わってから今日で1週間が経つ。


主人公が私の傍に居ない事、私が彼の傍に居られないこと、それらが寂しくて泣いてしまう。


もしかすると、私は架空の人物にガチ恋してしまったのかも知れない。


忘れようとしているのに忘れることができない。違うことを考えているのについ彼のことを考えてしまう。


胸が締め付けられるような、この感情は今までに感じたことがないほど激しく、暖かい。


持って行き場のない愛を、私はどうすればいいのだろう。


最初は性格がタイプなだけだったのに、挿絵も容姿の描写もないものだから、私の頭の中では、いつの間にか完璧なルックスを兼ね備えた、男性のイデアみたいな存在になってしまった。それに比べて現実の自分は醜くてちっぽけだった。


青臭くて片腹痛いと自覚しているのに、今日もまた会いたくて泣いてしまった。それが親にバレて、しかも親は何故か私が忘れ物をした所為だと誤解していた。意味が分からないけど、本当の経緯を打ち明けられる訳もなく、また泣いた。


涙を拭いて、自転車に乗った。漕いで、漕いで、大きな川を見に行った。


悩みがあると、こうして当てどなく遠乗りに出掛ける辺り、彼と私は似ていると思いました。


腰を浮かせてどんなに自転車を飛ばしても、後ろから声が掛かることは無い。


河川敷は広くて、空も広かった。愛したって私はひとりきり。大した事ない私が、ひとりきり。でも私には生活がありました。涙はもう出なくて、代わりに汗が出ました。喉に流し込んだキリンレモンの甘酸っぱい味を噛み締めながら、缶を握り潰しました。