***前回の記事、その39より続きです***
いよいよ現代の道標が外宮まで1.4キロとの情報をもたらしてます。
宮川を越えると伊勢市街地エリアに入ってきました。
筋向橋(すじかいばし)の欄干が現れました。
暗渠になっている?川の痕跡ですが全く川感がない・・・。
この交差点は伊勢参宮街道と熊野街道の合流地点。
昭和三年の架換という銅製の渋いプレート。
擬宝珠をよく見ると、江戸時代のものでした。
幕末嘉永二年の式年遷宮のときに作り替えたということのようです。
昭和三年の架け替え時にこれをよく残してくれました、感謝。
當國 御鋳物師 阿保丹後守 藤原顯孝 鋳造
調べると免許を与える書面がこの名前で残っているようなので鋳物師の名家と思われます。
他にも寄進者の名前が並んでいました。
ちょうどこの交差点で地図を見ながらもたもたしていると目の前にお昼ご飯によさげなお店があるではありませんか。
めん処正成さん、お昼直前で今なら座れるか、Googlemapの口コミも上々なので暖簾をくぐりました。
普通の伊勢うどんも好きなのですが奮発してちょっと変わってる方を・・・。
愛知県人としては・・・やはり伊勢味噌煮込みうどんをチョイス。
目の前でお店の方に鍋のふたを開けてもらうのですが、まだ激しくグツグツいってましたよ!
うまー!
やはり体を使った時には味噌は染みるね~、美味しく汁まで残さずいただきました。
満足満足で街道復帰。
外宮はもうすぐそこですが道標保存情報があるので少しコースアウトします。
街道を右に折れて上座蛭子社、小さな神社ですが普通に木製の鳥居があるところに伊勢を感じます。
その隣、というか裏から繋がっている坂社、道標はここですね。
尾張地方では普通にある蕃塀(ばんぺい)ですが他の地区では珍しい。
神様の元に不浄なものが入らないように本殿前や拝殿前に立ててある壁です。
蕃塀も木製、そういえば伊勢両宮にもありますね。
銀杏や手水などいくつもの解説板があり現地では読みましたが割愛いたしまして道標は遙拝所の横に・・・。
おーい、道標には解説が無いってなんてこったい泣。
解説はありませんがこれは想像以上に立派な大きな道標でした。
南 ☜ 京江戸大坂 なら はせ 大和めぐり 紀州くまの
いろんな地名がてんこ盛りで指差しもある大好物なパターンの道標です!
見ほれるわ~。
西 すぐ 右さんくう 左ふた見 道
でもこれ左側の面が削られてるよね・・・。
文字がセンター出てないし、「西」とか「左ふた見」の文字が見切れてるもの。
左横面は削られてのっぺらぼう。
後を見ると、裏面も明らかに変な形でこれは二面削られてるよ!
裏面はうっすらと大きく深かった文字の残痕があるようにも見えます。
なんでやねん!と伊勢参宮街道3回目の上方言葉が出てしまいます。
しかし落ち着いてよく見ると裏面のこの形は「南ならはせ」の面の削られが出ないように配慮して削ったように見えるので、もしかしたら新道が出来て主要交通ルートが替えられたときに旅人が旧道に行かないように削ったのかなとも思えます。
今の道路看板だと文字のバックの同色で塗りつぶしたりテープで貼って隠すみたいな感じでしょうか?
この道標、元位置は伊勢参宮街道にあったもののようなのでそうなのかも。
それでも良い道標ですしその辺の経緯もわかれば歴史的にも貴重なので解説板お願いしますね。
他にも・・・戦後すぐに無くなった内務省の石標を見つけました。
もう一ヵ所の道標保存ポイントは坂社の道路を挟んだ向かい側の伊勢市立伊勢図書館前、二本あった。
シンプルな参宮道標ですね。
☞右さんくう道
なんだか二文字目がわかりにくいけど、左内宮道か。
ここから図書館前の道をまっすぐ行けば外宮なのですがわざわざ街道まで戻ります。
それはこの小西萬金丹本舗さんの建物を見るため。
左のお隣は歯科医さんの看板がかかっていましたが、むくり屋根と反り屋根が美しく並んでいます。
よく見るとむくってるのは通りに面した部分仕上げなんですね、美しく見せる工夫ですね。
店内のレトロ看板を見えるようにしてくれています、ありがとう。
小西萬金丹本舗さんは今も営業中なので、お求め等の方は柱にあるピンポンを押してください。
ところで街道に突き当たる小さい道に「烏帽子世古」「大世古」などの石標が立っています。
伊勢での「世古(せこ)」は「路地」のことです、「世古道」などというそうです、どれくらいの数の路地名がついてるんでしょう?
道路の向こうに道標が見えます。
これは少し離れたところにある外宮の別宮、月夜見宮への道標です。
ツキヨミさんは一度参拝したことがあるのですが静かでとても良い雰囲気でした。
再訪したい所ですが今回は時間がないので泣く泣くスルーします。
その日のために道標観察の楽しみは残しておきましょう。
外宮の外縁部の道に入りました。
ここに電柱と解説板が並んでいます。
保存されているレトロコンクリート電柱、これはなんと昭和3年設置なんだそうです、御年97歳なのです。
神宮だから、昭和天皇が参拝するからと木ではない最先端の電柱にしたのか?
着いた~!
駐車場に並ぶ車の列の横目に歩き、そしてついにお伊勢さん、伊勢神宮外宮に着きました!
番外編的香良洲道編の1日を含めて日帰りで延べ12日を費やしました、ちょっと多すぎるか笑。
尾張国の我が家の玄関から歩き継いでとうとう到着です!
しかしお正月年明け2週間経ってるのに人多いな笑。
入ってすぐ右手にあるのは清盛楠という古木。
斬鉄剣で切られたように真っ二つに割れて見えますが1本のクスノキだそうです。
平清盛が参向した折に烏帽子に触れるので枝を切らせたとの伝説があります。
あまりみんな知らないようなので見てあげて下さい。
白鷹、というお酒が神宮御用達のお酒らしいのでこれは帰りに買って行かなきゃね。
それでは鳥居をくぐりいざ?参拝に行きましょうか。
人多い。
神宮の森といえば巨木。
ついつい見上げてしまいます。
というか、触れてしまいますね。
三ッ石、パワースポットとして有名です。
しかし神宮HPには、「近年手をかざす方がいますが、祭典に用いる場所なのでご遠慮ください」とのことです。
古殿地、というか次の式年遷宮御敷地、次の遷宮はもう8年後なのですね。
現在の御本殿では感謝の意を表してしっかり参拝しました。
しっかりしすぎて近くでの写真忘れました・・・。
もちろん別宮は参拝しますよ。
三社の別宮の方に向かうときに渡る大きな一枚の岩の橋、亀石。
「この大きさなら竜宮城にも行けそうだな」と不謹慎なことを考えたのは神々には秘密です。
土宮。
多賀宮。
風宮。
別宮三社にもしっかりお参り。
多賀宮に向かう参道脇の通称「寝地蔵石」も見つけました。
お地蔵様はちょっとコインが置いてなかったら気が付かないかもしれません。
帰ってから調べると他にもややマイナーな猿石とかハートの石もあるそうなので行かれる方は探してみるのも良いかと。
無事外宮参拝を終えてお守りをいただき、もう一度巨木を見上げて。
外宮を後にします。
せんぐう館行きたかったのですが時間がない!
今日はまだ内宮まで行かねばなりません、内宮でも見たい場所多いのだけれどもこの調子では割愛が多くなりそう。
ちょっとだけ門前町に立ち寄らねばなりません。
我が家のGMより「二軒茶屋餅をGETせよ」との指令を受けてきていたので直売店に。
クラフトビールで有名な伊勢角屋麦酒は二軒茶屋餅の角屋さんがルーツなのでこのお店で売ってます。
あ、お隣にある若松屋さんはかまぼこなど練物のお店で伊勢周辺にお店がありこちらも美味でございます。
若松屋さんは国道23号線沿いにはへんば屋さんと並んでお店があって車での帰り道によく両方とも買って帰ります。
二軒茶屋餅3個入りはパック売りでちょっと色気がないですが無事GETしました。
売り切れていた10個入りなら雰囲気の良い包みになりますよ。
二軒茶屋餅の角屋さんは本店は二見道の街道沿いにあってこれはいつか行かねばなりませんね。
もちろん帰ってから美味しくいただきました。
お伊勢参りはお餅だねぇ~。
外宮を後に、さて内宮を目指しましょう。
内宮へ急げ!
やや時間が押してきたいつものパターンで続きます。