小沢一郎が明かす都知事選前夜の裏側

さて話は遡りますが…都知事選、やはり太郎の出馬というのは、「勝つため」のものではなかった、ということで。
小沢一郎が語ったということです。

――まず都知事選をどう見る?

「半分関心がなくなった」

  ――というのは?

「(山本)太郎君を4月から口説いていた。太郎君も都知事選に出たい、と言う。出たいならいい、君にとっての最高のチャンスだと。僕が絶対に野党をまとめ統一候補とする、と言い、よろしくと言われて別れた。がその後になって『れいわの公認で出る』と言う」

  ――山本氏が統一候補となり野党共闘できていた可能性があると?

「本人に最終確認してないがいいか、と聞いたら、(立憲、国民、社民、共産)皆OKだった」

――惜しかった?

「もったいなかったね。野党にとってもよかったし、本人にとっては華の舞台、野党の救世主になり、小池(百合子)氏とも対等に戦えた」

  ――国政にも影響が?

「あったね。仮に負けてもいい勝負で200万票くらいで小池氏と競り合えば、皆で太郎君を(首相に)担ぐか、という声も出かねない。それくらいのことにはなった。それが実現するかどうかは別にして、野党共闘にも求心力が生まれる格好の機会だった。国民にとっても選択肢が増えた。その意味では大魚を逸した」

勝つことではなく、200万票取って弾みをつけることが狙いだった

太郎を野党統一候補にすることについて、
立憲、国民、社民、共産 皆OKだった
というのだから、驚く。
もちろん、宇都宮さんに決まる前の話だろうけれど。
となると、宇都宮さんには気の毒だけれど、ほぼ全野党が、野党統一候補を出すなら、太郎のほうがいいと思っていた、ということになる。
宇都宮さんが出るということは、もう確実だったわけだから。
将来的に、太郎を首班に担ぐつもりであれば、都知事選でなるべくたくさんの票を稼いでくれたほうがいいわけだから、立憲が「須藤元気の貸し出し」に、それほど目くじらを立てなかったことも、なんとなく理解できる。
そして…この小沢発言で、世に倦むさんの指摘が当たっていたということが、証明され、つまり太郎は、れいわ議員で衆院過半数を取るということは、もともと考えておらず、連立の首班として指名されることを、目指している、と。
ゆえに…れいわの党勢拡大というのは、「ほどほどでいい」となる。
次期衆院選に、100人を立てるとか言っているけれども、それは到底現実的な話ではない。
供託金にしたって、手弁当でなければ無理な話だし…10%の票が取れなければ、300万円を使ったお大尽なレクリエーションで終わってしまう。
そもそも、「捨てるつもりの300万円」を、ポンと用意できる人なんて、そんなにいないだろう…供託金というのは、せめて100万円くらいでいいような気がするな…100万円でも、候補者がやたらに乱立するという状況になるとは、あんまり思えないんだけど。だって、「捨てるつもりの100万円」ですよ。

小沢一郎は太郎をコントロールしているわけではない

もうひとつわかったことは、小沢一郎は、太郎を完全にコントロールしているわけではない、ということ。
「何がなんでも早期の政権交代」を目指す小沢と、「プロセス」にもこだわる太郎の間では、完全一致をしているわけではないし、小沢が太郎を支配しているというわけでもない、ということがわかったのは、ひとつ収穫だったかも。