仏像喫茶。
マクレーン(右)「了、前にも言ったが仏教を学ぶにはまだお前は我が強すぎる。大人になってきちんとしたところで仏法を学べ」
了くん(左)「いまでなきゃダメなんだよ」
マクレーン「なんで焦る」
了くん「……」
マクレーン「ヒトとはな、了……
『秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)』 序
沙門遍照金剛撰(しゃもんへんじょうこんごうせん)
三界の狂人は狂せることを知らず
さんがいのきょうじんはきょうせることをしらず
四生の盲者は盲なることを識らず
(ししょうのもうじゃはもうなることをさとらず)
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
(うまれうまれうまれうまれてしょうのはじめにくらく)
死に死に死に死んで死の終りに冥し
(しにしにしにしんでしのおわりにくらし)
迷いの世界を理解せず、生死輪廻を繰り返している オレ達のすがたに、大師は(仏は)いかに向かい合うんだろうな。
お前に分かるか?俺もこれを完全に理解してるわけじゃない。
だがな、了」
マクレーン(左)「ひとつ忠告しておく。お前は今後、一切の思想・信条・宗教をバカにしたり、否定したりするな。祈り、信念の力というものはそれがなんであれ、人を浄化する。この世の中に間違っているものなどひとつもない。完璧に正しいものも然り。ただしきちんと基礎を習ってその領域に達するものだ。おれもそうだが、お前は我が強いが素直すぎるところがある。もっと世間を知るんだ。俺はお前に、お前がまだやわらかいうちに俺の我を押しつけたくないんだよ。そしてな、いろんなことを見聞して、認め合うんだ。そうすれば世の中平和になるぞ」
マクレーン「いいな、了、一見、世に間違っているものが実は何百年経ったら正しいものになっていたってことはある。逆も然り。キチンと習った上で、あらゆるものを認めろ。できるか?」
了「マクレーンの言ってること、よく分かんないよ」
シェフ「オーナーは習いたてのころからあっちこっちでかけていっては俺が正しい正しいと騒いでいたじゃないですか」
マクレーン「うるせえ」
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秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)序は僧侶のユウト01さんに以前教わったものです。ユウト01さんはお人形ライダーでもあります。「レイちゃんと共に」というブログで活躍されています。ありがとうございました。
注意:これは特定の宗教を勧めるものではありません。喫茶のオーナーがたまたまお坊さんという設定です。
ご理解ください。消さないでください。