米国物価(CPI)とモノの値段(CRB指数)の関係を観察する記事。
CRB指数とCPIの前年同月比(%)
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
※期間:1995.2~2024.12
上記グラフは1995年以降の
☆CRB指数:以下CRB。いわゆるモノの値段をドル建てで指数化したもの
と
☆米CPI:米国の消費者物価指数。モノとサービス物価を指数化したもの
の前年同月比グラフ。
右軸がCPI(%)で左軸がCRB(%)。
モノの価格が上がればモノとサービス物価を指数化したCPIも上がりやすいわけで、両者にはそれなりの相関あり。
この期間(1995.2~2024.12)のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.68」で強めの正の相関。
前年比でCRBが上昇していればCPIも上がりやすく、その逆もしかり、という関係性。
最近の動向
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
2022年1月~2024年12月までのCRBとCPI動向。
この期間のそれぞれのピーク。
☆CRB:2022.3:+59.6%
☆CPI:2022.6:+9.0%
2022年をピークに低下傾向が続いたのは2023年中頃まで。
その後は横ばい傾向。
直近2024年12月のデータ。
☆CRB:+12.5%
☆CPI:+2.9%
前年比でCPIはざっと「+3%」前後、CRBはざっと「-10~+10%」で停滞していましたが、直近ではCPIもCRBも少し上がってきそうな雰囲気も。
ちなみにこの期間(2022.1~2024.12)のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.79」で強いの正の相関あり。
おわりに
今年に入ってCRBは約5%上昇(296.7⇒311.4)。
仮に今のCRB「311」水準が保たれるとすると、昨年のどの月末値よりも高いことになり、CPIとの相関からCPIの大幅な低下は起きにくい、との推測は一応可能か。
※出所:TR/CC CRB Excess Return 過去のレート - Investing.comより作成
ただ、今年に入っての原油高CRB高はバイデン政権の置き土産、新大統領は
原油増産⇒原油価格低下⇒インフレ抑制
を望んでいる、との報道もあったり。
先のことは不明ですがとりあえず現状CPIが下がりにくそうなCRB水準。
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