演台の上に、たくさんのトロフィーや楯があります。賞状伝達は後ほど行いますが、夏期休暇中のそれぞれの活躍を、うれしく思っています。
 1学期の終業式で、全国大会に出場する中高の空手道部の壮行会を行いました。その結果ですが、高校生は個人組み手で1名、個人形で2名がインターハイに出場し、個人形で6F増田君が5位入賞を果たしています。中学生は、団体形で全国中学生空手道選手権大会に出場しました。初戦で敗れはしましたが、優勝候補のチームを相手に2対3という僅差でした。全国大会という大舞台を経験して、そこで心が感じたことを、これから成長していくための財産とする工夫をしてほしいと思っています。
 さて、「因果応報」という言葉があります。「因」とは原因のこと、それに「縁」と呼ばれる様々な条件が作用して、「果」、すなわち結果が生じます。よくない結果が生じたときに「因果応報だから」と言って、悪い意味で使われることの方が多く見受けられますが、本来は、「善因善果」──善い原因が善い結果を生み、「悪因悪果」──悪い原因が悪い結果を生むという両方の意味が含まれています。
 京セラやKDDIを創業し、JALを再生させたことでも知られる稲盛和夫さんは、「善き思いを抱き、善きことを実行すれば人生はよい方向に変わっていくし、悪い思いを抱き、悪いことを実行すれば人生は悪い方向に変わっていく。もともと持っていた運命がどうであれ、それは変わっていくものであり、運命は決して宿命ではないのだ」と言われています。
 まず、善き思いを抱く。「何が何でもこうありたい」と強く抱く。その思いを持続させる。それが人生をよい方向へと変えていく「因」の大本です。そして、思いに基づいて善きことを実行していくことで、心が磨かれて、一人ひとりがもつかけがえのない価値が光を放ちます。
 ところが、はじめは強く思いを抱いていても、時が経つと薄らいでしまうことは少なくなりません。したがって、折りに触れて思いを抱き直すことが必要になります。
 昨日で夏期休暇が終わって、今日から2学期が始まります。一年の間には、学期が変わったり、年が改まったり、時の流れが用意してくれた、いくつもの「節目」があります。それは、思いを抱き直す絶好のチャンスです。
 竹は節があるから、しなやかで強いと言われます。竹の節は硬くて強く、ノコギリで切るのも容易ではありません。しかも、節それぞれに成長点があって、だから竹の成長は速いのだと言います。人も同じです。節目あっての「やる気」、「再起」であり、節目あっての「成長」です。
 2学期の始まりという節目は、誰にでも同じようにやってきています。その折角の節目を生かせるかどうか、それは自分次第です。「あ~あ」ではなく、「よーし」という気持ちで、善き思いを抱き直して、この2学期の始まりを強い強い節目としてください。
 最後にもう一点、3期制になって、今月は17日、18日に獅子児祭が開催されます。当日は、多くのお客様がわざわざ来場してくださいます。そのお陰様で、君たちも充実感、達成感を味わうことができます。君たちが放つ光を十二分に感じていただけるように、一人ひとりが主人公として、善き思いを抱いて、善き準備を進めてほしいと思っています。(始業式でのお話から)