来月始めから免疫抗体医薬のオプチーボが胃がんにも保険適用される。

 

このニュースを主治医のS先生から耳にして、「今のところ一番期待できるのはこれしかない!」、と感じるようになった。

全体的な成績でいうと奏効率は5~10%前後とそれほど高くもないらしい。余命1ヶ月の限られた時間での選択、此れまで懸案であった免疫療法も受けたい。免疫療法を受けるには24時間の点滴、人工肛門そして腎瘻を装着した状態での移動、採血、その後の3週間の培養期間。

誠実で信頼できる主治医のS先生のコメントは、免疫療法を受ける際の移動リスク、3週間の培養期間等を勘案すれば、ほぼ同時期に胃がん保険適用になるオプチーボにかけてみたら、ということだった。

心配なことは副作用だ。しかし、どんな副作用がでても、冷静に対処していきたい。

 

こんな折、長年公私ともにアドバイスを頂いてきたTさんから激励のメールが入った。

スキルス胃がんの診断を受けてから、万般相談にのって頂いた方である。

 

そのメールの最後の一文が心に焼き付いたので、紹介したい。

”これは個人的な生き方としてですが、伝説の鳥、不死鳥の最後の姿がとても感動的で好きです。自ら火炎の中に身を投じて、一旦は死の姿になりますが、即座に生き返る、あの潔さと瞬時に蘇生するドラマチックな光景がとても好きです。困難に遭遇しても、一旦は負けたように見える瞬時に蘇生して活路を開く人生に通じるように思えてきます。決して苦難に負ける事なく、希望を持ち続けて今の病と莞爾として戦い抜いて下さい。そして、回復した時はユックリとお茶でも飲みながら未来を語りましょうね。”

 

このメールの一文の内容を知った看護師のKさんは早速、目に見えるところに不死鳥の加増をラミネート加工して貼ってくださった。

 

勇気が出てくる、未来が見えてくる、ガンと闘う力が出てくる、そんな不死鳥です!!

私も不死鳥の如く、、、我が使命を果たし抜いてゆく。

 

7月3日に緊急的に入院してから、丸2ヶ月経過した。

 

当初の目的である、腸閉塞による人工肛門(ストマ)の増設自体は7月中に完了した。

 

その後、体力の回復を待って、いったん退院したあと、

 

外来で抗がん剤の治療を再開する予定だったが、

 

実際は、一度も退院せずに8月中旬からセカンドラインの治療に突入している。

 

この辺りから、理想の治療日程からズレてきてはいた。

 

 

実は、今の病院では「抗がん剤治療のための入院」は、あまり一般的ではないらしく

 

半ば追い出される形で紹介された都内の別の病院に転院することが決まってしまった。

 

 

転院予定日は9月4日(月)。

 

転院先で引き続き、抗がん剤治療を継続することになる。

 

ちなみに写真は、今の病院の食堂。

 

 

 

それにしても、なかなか体力回復しないなぁ、、

 

せめて一人で外来受診が可能な程度にはならないといけないのに。

 

入院時から手術まで点滴のみで栄養を賄ってきた。

 

その間、およそ3週間。

 

その間の筋力の低下が尾を引いているのは確かだ。

 

 

今受けているアブラキサン(パクリタキセル)とサイラムザの抗がん剤

 

どう影響しているのか。

 

自覚的には、胃がんに対してマイナスには影響していない気もするが、

 

この点は、転院後主治医に改めて相談してみよう。

 

 

副作用としては、目立った症状はまだ出ていない気がする。

 

髪は順調に抜けているが、それだけの話し。

 

足首あたりに浮腫みが多少あるが、殆ど気にならない。

 

赤血球(ヘモグロビン)の数が減ってきたので、

 

輸血で対応。

 

フラつきはそれほど気にならない。

 

入院中だから、歩く機会もそれほどないのだけれど。

 

 

ただしかし、困ったのが味覚障害

 

 

味覚障害だけは確実にあるようで、

 

これまた病院食との相性が悪い。

 

支給された薄味の流動食を何度も何度も口に運んでも、

 

一向に口に合わず、なかなか食が進まない。

 

甘みとか旨さの前にぐしゃぐしゃした食感や苦い感覚の方を先に感じてしまって、

 

食欲も上がらず。。

 

 

 

これさえ超えれば、生活の楽しみが増え、

 

体力回復の道筋が見えてくるのに。

 

 

 

 

術後の体力回復をみながら、

 

化学療法による治療の再開を見計らっていたが、

 

8/10に抗癌剤の治療再開に漕ぎ告げた。

 

内容は、アブラキサンという注射薬を1週間に1回点滴し、

 

これを3週繰り返し、その後1週お休み

 

というもの。

 

 

既に2回投与を受けているが、

 

この薬の一番の懸念点は、

 

副作用としてほぼ100%起こるとされている脱毛

 

パクリタキセルという抗癌成分の影響で、

 

大体投与後2週間位したら、男女問わずバッサバッサ抜けていくんだって。

 

 

薬が効いている証拠とはいえ、怖いなぁ。

 

 

現実的に考えると、社会復帰はまだ先になりそうなので

 

しばらくは美容院で短髪にカットしてもらって

 

やり過ごそうと思う。

 

アピアランスセンターの話では、

 

脱毛に対する対応の方法は割りと色々あって、少し安心した。

 

 

このままずっと抗癌剤治療を受けながら、

 

入院を続けることは、医療の常識上、考えにくいことらしいので、

 

早めに次の「生活の場」の目処をつけて、

 

元の元気な日常生活に復帰したい。

 

 

がっつり肉料理を食べられる日が本当に待ち遠しい。

 

重いタイトルになってしまったが、

 

先月20日に取り付けた人工肛門(ストマ)について、

 

簡単に書き留めておきたい。

 

 

食欲回復が進むにつれて、

 

ストマのメンテナンスの大切さがわかってきた。

 

今の入院中は、原則、2日に1回の隔日ベース

 

ストマから出てくる排液袋の交換をしている。

 

既に何回か実践しているので、取替の要領を会得しつつはある。

 

交換にかかる所要時間は、体温で蓋部分をくっつける時間(これが最低10分かかる)を除いて、

 

およそ15分程度。

 

慣れてくれば、5分で終わらせることも可能だという。

 

 

だが、これは病院という環境の中で

 

看護師の面前で適宜指導を受けながらの実演なので、

 

大きなアクシデントもなくスムーズに事が進んでいるように感じているだけで、

 

実生活はどうなのかといったところを改めて考えてみると、

 

そうも簡単に問屋が卸さないだろうね。

 

 

とりわけサラリーマンである僕の場合、

 

実生活にどんな影響を与えるのか。

 

ざっと思考を巡らしてみると、

 

まず、同じフロア、同じ島で働く職員の方々との関係にどう影響するのか、少し気になる。

 

そして、体調の回復で食習慣も変化していくだろうけど、

 

それに応じてストマから排出される便の態様や量も変わっていくはずだ。

 

そうなると、排液袋の交換のタイミングや頻度も適宜変える必要が出てくる。

 

緊急時にそのタイミングがきたら、パニックになりそうだ。

 

 

あと、費用面。

 

これは、ある程度予測がつくので、対策も立てられる。

 

それと忘れがちなのが、娯楽面

 

銭湯や温泉などの場面では、

 

関連する注意書きにも気を配る必要が出てくることだろう。

 

 

あと、人工肛門であっても、排気ガス(いわゆる、おなら)は出てしまう。

 

これは、質の悪いことに、本当のおならと違って、制御が効かない。

 

効くかもしれないが、今のところ、その方法は分からない。

 

 

こういうことに対して、実社会で生きていく上で、うまく扱っていけるのか。

 

折り合っていけるのか。

 

心配ではあるが、今からそんなに深刻に考えるのはよした方がよさそうだ。

 

昨日丸一日かけて、

 

CART療法と呼ばれる方式で溜まってくる腹水の処置をしてもらった。

 

一連の処置自体は、滞りなく終わった。

 

なんと抜いた腹水の量がおよそ6リットル!

 

ストマ手術の時に抜いた量とほぼ同じだ。

 

抜き終わった時点で図った体重が見事に約6キロ減っているから、

 

驚き!!

 

もはや自分の体の一部とは思えなくなってくる... 汗

 

 

このCART療法は、要町病院で開発されたもの(KM-CART療法)と基本的に同じ原理で

 

抜いた腹水から、がん細胞や電解質などの不要成分を2段階で濾過したものを

 

再び体内に点滴で戻すというもの。

 

僕の場合、腹水を抜くのに2~3時間、

 

濾過するのに5~6時間、点滴には4時間程度かかったかな。

 

腹水を抜いている時は、

 

溜まったきた腹水が一気にスーーーゥと抜かれている感覚が何となく気持よく

 

思わず、写真を撮ってしまった 笑

 

 

 

点滴で体内に戻すには、4時間もかかったが、

 

自然と無理なく体調が整っていく感じがして、

 

なんだかドラクエなどのロールプレイングゲームで「薬草」を飲んで、

 

一気に回復した時のような錯覚になってしまったアップアップ

 

発熱などの副作用があると聞いていたが、

 

今のところ目立った副作用は出ていない。

 

 

まだ、CART療法後、食事をとっていない。

 

でも体重は、CART療法前後で、ネット6キロも減っているので、

 

これを足がかりになんとしても体力回復の弾みをつけなければいけないグッド!