じいちゃんは、すごいなぁ~
思わず裕太が、感心してじいちゃんを見上げる。
「あの~あんたたちは、竜の島から来たのかぁ」
じいちゃんに向かって、そう言う。
「そうだ」
じいちゃんはまったく目をそらさず、じぃっとその男の方を
向いている。
「あなたはもしかして…この島の守り神か?」
ためらうことなく、まっすぐに男に向かって尋ねる。
「そうだ」
男はじいちゃんに近付くと、
「やっと、お目にかかれた」
スッと手を差し出す。
「あぁ、光栄だ」
じいちゃんもその手を、ギュッと握り締める。
(一体、どうなっているんだ?)
やっぱりじいちゃんは、すごいなぁ…と、裕太たちは羨ましそうに
見つめる。
その人は、じいちゃんよりもだいぶ若くて、裕太の父さんと
同じくらいの年齢のように見える。
(もっとも父さんよりも、ずぅっとエネルギッシュで、動作も
キビキビとしているのだが)
思ったよりも、フレンドリーに見える。
「何でもっと早く、会いに来てくれなかったんですか?」
こんな風に、隠れたりしなくても…
つい文句の一つも、言いたくなってしまう。
「それは…ここ最近、胡散臭い連中が…この辺りを探り回って
いるからなぁ」
男は思いがけないことを、口にする。
「うさんくさい?」
裕太は、眉をしかめると…
「それって、リゾート開発の連中のことか?」
じいちゃんが、口をはさんだ。