先日放送された『NHK MUSIC SPECIAL 藤井 風 ~5年間の軌跡~』。佳い番組でしたね。
SNSから注目されてデビューした藤井風さんは、昨年からアメリカで挑戦をされています。
その5年間の軌跡をまとめていました。
藤井風さんは、全てに終わりがあるという現実、死生観、人生を歌い上げます。
藤井風さんの登場は、恋愛という人生の美しい一部を歌う人は多いけれど、いよいよ人生をしっかりと歌う人が現れたんだな、と思わされました。
この番組で紹介された曲ではなかったのですが、視聴中、何故か僕の中では「青春病」がリフレインしていました。
「青春病」は、疾走感あるメロディ、サウンドが若さを体現しています。
一方で青春は儚く「粉になって散るだけ」という歌詞から始まります。
青春は刹那のきらめき。
「青春のきらめきに永遠の光を見ないで」。
青春という一瞬のきらめきをあたかも永遠不変と信じる。
それが青春病ということかな。
青春は確かに心離さぬ不思議な力がある。
でも、それを美化し過ぎて囚われることが病なんかな、と。
だからそういう「青春にサヨナラを」。
それにしても「(そんな)青春はどどめ色」、と表現しているのがすごいですね。
それでもネガティブじゃなく、ポジティブなメッセージソングに仕上げる手腕が藤井風さん。
番組を観て、改めて藤井風さんがコロナ禍にデビューしていたんだな、と再認識しましたね。
パンデミックの中、街の景色が一変。
死を皆が常に意識し、人と人の繋がりを失った時期。
特にパンデミックの時に青春を過ごした若者達は、人の繋がりを喪失し、孤独感や孤立感に苦悩したんじゃないでしょうか。
そして青春を謳歌出来ない感覚があったのでは?、と。
そんなとき、YouTubeで観た「青春病」は、きっと若者達にとって特にものすごい刺さり方だったんじゃないかな、と思います。