脳梗塞や脳出血の方が段差で足をスムーズに挙げるには?(その③)~腸腰筋が働きやすい姿勢調整を~ | 川越市の脳梗塞・脳出血・パーキンソン病のリハビリ・運動施設|ブルーフィット

川越市の脳梗塞・脳出血・パーキンソン病のリハビリ・運動施設|ブルーフィット

埼玉県川越市で脳梗塞・脳出血・パーキンソン病・脳性麻痺の方に向けたリハビリを提供している施設です。専門の知識・技術をもった理学療法士が施術・運動指導を行います。

埼玉県川越市にあるコンディショニングジムBlueFit(ブルーフィット)の代表で、

 

理学療法士の粟生田です。

 

 

 

 

 

 

本日は前回に引き続き、脳梗塞などを呈した方が

 

段差でスムーズに足をあげるために

 

効率的に腸腰筋(足をあげる筋肉)を働かせるためのトレーニングをご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自然な歩行や段差昇降で腸腰筋を効率的に働かせるには、

 

まず、しっかりと筋肉が伸びた状態を作れる必要があります。

 

腸腰筋は腰椎(体幹)から大腿骨(太もも)にかけて伸びている筋肉なので、

 

①体幹と股関節がしっかりと伸展できる(伸びた状態を作れる)

 

②立脚後期の股関節伸展が作れる(後ろ足での蹴りだしがしっかり行える)

 

上記の姿勢コントロールが大切になってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回は、①体幹と麻痺側の股関節がしっかりと伸展できる(伸びた状態を作れる)ための

 

姿勢コントロールを立位で促していきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、②「立脚後期の股関節伸展が作れる(後ろ足での蹴りだしがしっかり行える)」ことと、

 

その次のフレーズである「麻痺側下肢を持ち上げる動き」のための

 

姿勢コントロールを促していく方法をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、立位でステップ動作や段差昇降練習を行っていく中で、

 

麻痺側下肢で後方へ蹴りだしていく推進力を促していきます。

 

*今回も写真は左片麻痺を想定したものとなっています。

 

 

 

 

 

 

段差昇降からご紹介すると、

 

麻痺側下肢で重心を上方移動させることで股関節伸展の働きと

 

足底にしっかりと荷重し、後方へ蹴りだしていく感覚を学習していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイントは足底の荷重をしっかりと前足部に移し、

 

麻痺側の太もも、特に膝のお皿のやや上方の筋肉が硬くなるのを意識して、

 

重心が上方に移る際に麻痺側の腰が後方にひけないように動作を行います(骨盤前傾)。

 

 

 

 

 

 

ステップ動作でも同様の股関節伸展の働きは促せますが、

 

段差を用いることでより足底に荷重し、

 

後方に蹴りだしていく感覚がつかみやすくなると考えます。

 

 

 

 

 

 

歩行でいう立脚後期を経て、足の振り出し、次の段に足を持ち上げる動きにつながります。

 

歩行で説明すると、立脚後期で麻痺側股関節伸展がしっかりと作れると、

 

股関節前面にある腸腰筋が自然に伸張され、

 

足が蹴り出されると、伸ばされた腸腰筋は反射の働きで

 

スムーズに筋収縮し、自然と足が前方に振り出されます。

(伸ばされたゴムは自然に縮まるのと似た作用になります。)

 

 

 

 

 

 

 

つまり、麻痺側股関節伸展の動きを意識してステップ練習や歩行練習を行うことで、

 

引き続き生じる麻痺側の足を前に出したり、

 

持ち上げるために作用する腸腰筋の働きを活性化させることにつながります。

 

 

 

 

 

段差昇降で連続的に動作を行うことは、

 

ある程度、随意性や姿勢コントロールが既に獲得されている方でないと難しいため、

 

まずは歩行動作の中で練習していくのがいいと思います。

 

 

 

 

 

 

次に麻痺側の下肢を持ち上げる際の姿勢コントロールを促していきます。

 

まず、前回ご説明した通り、体幹を傾けてしまうことで、

 

体幹や腸腰筋の筋活動がより得られにくくなってしまうので、

 

非麻痺側の体幹と下肢をしっかりと伸展させておけることを目指していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこでまず体幹と下肢の伸展を保ちやすいように

 

非麻痺側の上肢を挙上した姿勢を保てるようにします。

 

そして、その次にその姿勢から

 

麻痺側の足を持ち上げる動きにつなげていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非麻痺側の上肢は最初は手すりや壁などの支持物を把持して行い、

 

可能な方はなるべく手に頼りすぎないように

 

指1~2本くらいで軽く支える程度で行っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

左右の肩甲骨や骨盤はなるべく平衡を保ちながら行い、

 

しっかりと非麻痺側を伸ばした状態で姿勢が保てることで

 

麻痺側の側腹部や腸腰筋が働きやすくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

慣れてきたら麻痺側の足を一歩下げた位置から

 

上記の姿勢にまで持ってくることで

 

より腸腰筋が刺激されます。

 

 

 

 

 

そして、次に麻痺側の足を、非麻痺側より一つ下の段から、

 

非麻痺側の一つ上の段まで持ち挙げる、

 

一足一段の動きにつなげていければより効果的かと思います。

 

 

 

 

 

 

片麻痺を呈した方が段差で足を挙げるには、

 

支えている足(非麻痺側の下肢)が重要になります。

 

非麻痺側下肢を支持脚とした片脚立位バランス、

 

特に段差昇降では、上下の重心移動を伴った姿勢コントロールが求められます。

 

ここが片麻痺の方にとって難しいところになるかと思いますので、

 

ぜひ練習に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

大切なのは、上記の動きをただ遂行するのではなく、

 

姿勢をコントロールしながら行う。

 

バランスをコントロールしながら行う。

 

といった意識をもって動作練習を継続することだと思います。

 

 

 

 

 

なお、代償動作を抑えながら動作をすることで

 

バランスを崩して転倒したり、

 

足を段差にぶつけてケガなどしないように注意して行って頂けたらと思います。

 

 

 

 

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