Creator's Blog,record of the Designer's thinking

クリエイターのブログ。デッサンによる官能小説、フィールドワークの映像、エッセイで構成。描き、撮り、書いてます。

番外編605. "generalization"

2023年05月28日 | field work

  
 このテーマは以前にも書いた。
 世界的にこれだけ数多くの画像がWEB上に投稿されているにもかかわらず日本は既に写真大国ではない。製造企業はカメラの性能だのレンズの解像力だの、プロユーザーやハイアマチュア志向の発想をしているうちに肝心なことを忘れていたからだ。
 このブログでも過去に書いたが、撮影機材の仕様はいつも持ち歩ける程度の大きさであり、サッと取り出し簡単に撮影出来て、共有やストックが簡単というのが大切である事を。
 だから「シャッターチャンスに遭遇した!。リュックから自慢の機材を取りだしレンズ交換してセッティングし構えた!、すでに被写体は眼前にはいない」。それでは機材仕様の蘊蓄以前に写真自体が撮れないことになる。
 撮影機材が、静止画のプロ・ハイアマチュアといった特殊解を目材して多大の技術と資金を投資し製品開発してきた路線を走った結果だろう。従ってプロやハイアマチュアの意見を忠実に聞いていた、わが国有数のカメラメーカーを陥没させ、口うるさいプロカメラマンは消えてくれた。何故かというと、撮影技術にこだわりすぎたあまり、一般化という概念が欠落してしまったからだ。
 一般化とは、特別技術がある人に限らず、誰でも手に入れ利用できるようにゆきわたらせる事であり、科学技術を成立させている重要な概念である。iPhoneやGoproのカメラは一般化の象徴だろう。一般化のためにあらゆる技術が駆使され、世界の誰もが綺麗な画像を撮ることができる。それが一般化の象徴たる所以だ。日本のカメラの製品開発は、こうした一般化とは真逆の方向を走り製品開発をしてしまったわけだ。
 そもそもパーソナルコンピュータ自体が、専門技術を必要としない一般化の中で製品開発され普及されてきた経緯がある。あるいは一般化されているからこそ、特殊解をあつかうこともできる。変動し続ける環境で優越を保ってきた哺乳類・霊長類も一般化した形態や習性によって人類の進化を生み出してきた経緯まで話を拡大すれば、これは重要な概念である。
 だからの私達の目指す方向を一言で示せば、"generalization"ということになる。

iPhoneの動画より切り出した。フィリピンのブラカンでお祭りがあるというので急ぎトライシクルで駆けつけたら教会の催事だった。手元にはiPhoneしか持っていなかった。それでもブログ画像で使うためには必要十分な機材だった。

画像はすべてiPhon13pro
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