秋になると、色とりどりの花を咲かせる「菊」。
大輪の花、小菊、丸い毬のような形をした菊など、形もさまざまです。
観賞する花としてもふさわしく、毎秋各地で「菊まつり」や「菊人形の展示」などが開かれます。
「え? 菊人形が怖い?」
筆者も子どもの頃は、菊人形は怖いイメージがありました!
では、なぜ菊人形は怖く感じるのか?
そこで今回は、菊人形を怖く感じる理由と、怖がらずに観賞する方法を考えてみました。
菊と人形にまつわる雑学も、合わせてお楽しみくださいね。
なぜ菊人形は怖いと感じるのか?
リカちゃん人形やバービー人形は、昭和の時代から親しまれている人気のお人形です。
いまでは高価なブライス人形など、大人がカスタムして楽しむ人形も人気があります。
フランス人形や日本人形も、お部屋に飾っている人がいますね。
では、なぜ「菊人形」は怖く感じるのか??
筆者が独断と偏見で考えてみました。
・顔が笑っていない
・黒髪が重い印象
・衣装が菊だらけ
・目が怖い
・サイズが大きい
・侍やお姫様が多い(古く感じる)
など、考えてみましたが、どれもピンときません。
顔が笑っていない人形は他にもありますし、黒髪はおひな様も同じですよね。
というわけで、理由をさらに探ってみました。
日本人形が怖い
まず、日本人形が怖いという声は割と聞きます。
白いお顔に、黒い髪。散切りの髪型。
比較的小さなお目目に、赤い唇と、着物姿。
よーーーーく見ると・・・。
あれ?「まつげ」が無い!!!
リカちゃんも、バービーも、ブライスもまつげがあるんです。
日本人形が怖い理由のひとつが「まつげがない」からではないでしょうか。
お菊人形の伝説
次にオカルトで有名な「髪が伸びるお菊人形」。
日本人形の中で、もっとも有名な人形です。
髪が少しずつ伸びるといわれるのは、人の毛を使っているからとも言われます(諸説あり)。
ほかにも、表情が変わる、泣く、首がまわるなど、怖い要素が満載です。
怪談やホラー映画にも使われる、ある意味人気のお菊人形ちゃん。
お菊人形ちゃんが、日本人形全体を怖くしているというイメージもありますね☆
更屋敷のお菊さん
怪談といえば「日本三大怪談」のひとつ、お菊ちゃんが主役の「皿屋敷」。
愛媛が舞台のお話は「播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)」と言います。
江戸が舞台のお話は「番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)」です。
お菊ちゃんは主の家宝の皿を割ってしまい、井戸に身を投げてしまいます。
そして夜な夜な井戸から出てきて「一枚…、二枚…」と皿を数えるのです。
この怪談話と、お菊人形が結びついたと考えるのはいかがでしょうか?
菊は仏花にも使われる花だから
菊は、仏壇やお墓参りに使われる花でもあります。
日持ちがする、格式が高い、種類が豊富などの理由から使われるようになったと言われます。
最近では「スプレー菊」と呼ばれる洋菊(西洋菊)もあり、こちらは観賞として用いられます。
とはいえ、お葬式やお仏壇の花として知られている菊のイメージはありますよね☆
実物大だから怖い?
菊人形は大きいですよね。ほぼ人のサイズ、実物大です。
衣料品店などで、顔のあるマネキンにビクッとした経験はありませんか?
近年のマネキンは顔がないタイプばかりの気がします。
理科室の人体模型も実物大。
人とほぼ同じ大きさだから、より怖く感じるのかもしれません。
菊人形を怖がらずに観賞する方法
さて、ではどうしたら菊人形を怖がらずに観賞できるかを考えてみましょう。
①顔を見ない
まずは「顔を見ない」方法です。
顔は菊で装飾されていません。
菊を観賞するのであれば、衣装に注目しましょう。
菊だけを見れば多少なりとも、恐怖感は和らぐと思いますよ♪
②怖くない菊人形を見に行く
日本の伝統的な菊人形展は、歴史上の人物に菊の衣装をまとっていることが多いです。
ところが、例外もあるんです!
例えば福井県の「たけふ菊人形」は、近年、西洋風のテーマで菊人形が作られています。
着物ではなくドレス姿の菊人形。
これなら怖くないかもしれません♪
→ たけふ菊人形
③歴史を学んでから見る
日本の偉人や歴史上の人物を知らずに菊人形を見るより、歴史を知ってから見ると印象が変わります。
例えば、社会科で誰もが習う三英傑!
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康とその家臣や妻など。
人物相関やどんな人物だったかを知るだけでも、ただの菊人形から歴史の人物へと変わります。
源氏物語の雅(みやび)な雰囲気も、菊の持つ豊かな色で描かれました。
作った人や計画を立てた人たちは、こんな思いで菊人形を作ったんだなと思いながら見てみましょう♪
今までと違う菊人形
菊人形は怖いというイメージが広がりすぎたのか、近年の人形は少し様変わりしています。
簡単にいえば「顔が怖くなくなった」んです。
男性はりりしく、女性は優しく、どことなく親しみを感じる表情になっています。
また、大河ドラマの主人公をテーマにすることで、恐怖感より興味へと転向させていたり。
これなら、菊人形も怖くないかもしれませんよ♪
怖くない菊人形を探してみよう
怖いというイメージから、楽しいという明るいイメージへと進化している菊人形展。
今まで怖いから行かなかったという人も、怖くない菊人形を探してみましょう。
まずは画像を検索して、慣れるのもおすすめです。
日本が誇る菊の祭典、ぜひ楽しんでくださいね☆