旨いリンゴを求めて | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(いかにも寒々しい北岳)

 

 この日八ヶ岳南麓大泉の気温は朝からずっと10℃前後と、この秋一番の冷え込みとなった。いよいよ

本格的なリンゴの季節である。

 

(朝方10℃以上あった気温が次第に下がっていった)

 

 犬トモのAさんが旨いリンゴを置いているという直売所を教えてくれた。「コスモス」という名前の店で、場所は野辺山、ヤツレンのちょっと手前とのこと。

 野辺山というとはるか彼方のように思うのだが、実際の距離は我が家から14km、時間にして15分というところだから、寒風の中さっそく買いに行った。

 

 国道141号をひたすら北上するとほどなくヤツレンに着いてしまった。

 途中看板もないショボい直売所があったのでもしやと思って引っ返し、店番のおばさんに「ここコスモスですか」と尋ねてみると、おばさんはこっくりとうなづいた。

 

 

 (愛想もなんもない店構え)

 

 「旨いリンゴを置いていると聞いてはるばる買いに来ました」

 「・・・・」

 おばさんは店以上に愛想がない。

 「あの、〇〇〇に似てるっておばさんが言ったAさんの紹介ですけど(全然似てないけどな)」

 するとおばさんの顔がパッと輝いた。

 「似てないけどね。リンゴ、試食してごらん」

 おばさんが出してくれたリンゴはシナノゴールド、シナノスイート、秋映(あきばえ)の三種類。この三つをして「長野りんご三兄弟」というらしい。

 

 おばさんは私にリンゴを差し出すとじっとこちらを見ている。

 どうやらこのままかぶりつけ、ということらしいが、そんなに食ったら晩メシが食えなくなるので包丁を貸してもらった。

 

 

 (左:秋映 中:シナノゴールド 右:シナノスイート)

 

 「ウチのはね、ムタイだからおいしいよ」

 「あ~、タイの国技の」

 「それはムエタイ。ムタイだよ、無袋」

 袋をかけないで栽培したリンゴは虫の被害を受けるリスクがあるが太陽光をたっぷり浴びるので甘さが

強まるのだという。

 

(手前の黄色いやつがシナノゴールド)

 

 う~む。

 どれも旨いが、中でも甘さが際立っているシナノゴールドをひと袋(10個入り1100円)買うことに。白菜、カブのデカいやつ(カブステーキにぴったんこ)、ナスのからし漬けなんかもついで買いした。

 

(近所のおばさんがこさえたというナスのからし漬け250円なり)

 

 やがて別のお客さんがやってきたのでお礼を言って引き上げようとすると、おばさんが呼び止めた。

 「試食のリンゴ、持っていきな」

 「ほかのお客さんにも試食させてあげるでしょ」

 「・・・」

 いいから持ってけ、とばかりリンゴ3個をビニール袋に入れて渡してくれた。

 

 標高1300mを超える野辺山の気温は5℃。

 北風が身を切るように冷たいが、なんだかほんわかした気分で家路に着いた。

 

(こんな電飾看板じゃ分からないって しばらく観察していると「りんご」「柿」「松茸」「直売」「とうもろこし」「たまご」など10種類くらいの宣伝に混じってたった一度だけ「コスモス」の表示がでる)