終活開始①「エンディングノート」を作る | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(いつも迎えてくれる井の頭池のアオサギ 何故か今朝は一羽だけ)

 

 心臓発作からはや一か月。これを機に終活を始めることにした。

 といっても年賀状は8年前に「さて、私こと再来年には還暦(数え歳で)を迎え・・・」とわけのわからない屁理屈をつけて足を洗ったし、身の回りのガラクタ類は引っ越しの際にぜ~んぶ処分したので断捨離に関してはそれほどなすべきことはない。

 

 終活の最大の眼目は遺族のために事務連絡事項をまとめたメモを残すこと、つまり「エンディングノート」を作成することである。

 臨終の瞬間が旦夕に迫る死の床で、

「あ、『囲碁研究』の購読中止手続き忘れてた」、なんてクヨクヨするのはまっぴらだ。

 

 「エンディングノート」というと「自分史」を想像される方も多いだろうが、アレは残された家族(さらにその子孫たち)にとってはありがた迷惑なシロモノだろう。地上から消えうせた故人の思い出なんぞ遺影の2、3枚もあれば十分のはず。

 

 いつだったか、亡母が生い立ちから戦後までの半生を絵本にしたことがあった。

 すると某出版社から「この手の『自分史絵本』のようなものは市中に殆どないので是非わが社から出版させて欲しい」とオファーがあったというので亡母は大喜び。

 ところがしばらくすると、「出版不況の折からまずは自費出版という形で世に送り出したい」という話になり、自宅に100冊ほどの製本が送られてきた。

 亡母はあちこちに絵本を贈っていたが、それでも数十冊は残ったまま。母が死んだ時に2冊残して在庫は捨てたのだが、引っ越しの際に残した2冊も私は捨ててしまった。

 場所塞ぎというよりも母の死からこっち、一度たりとも目を通したいと思わなかったからである。実の息子がこれだから、孫やその子供に至っては推して知るべしだ。

 

 今にして思えば亡母は自費出版ビジネスに引っかかったのだろう。

 

(「夢を売る男」(2013太田出版 幻冬舎文庫版もあり) 

 主人公は自費出版ビジネスのやり手。「詐欺だ」といきまく客も多いのだがそうとばかりは言い切れないこともあって・・・ 百田尚樹作品の中で最も好きなもののひとつ)

 

 そんなわけで私のエンディングノートは「遺族に対する注意事項」と「ファクトデータ」から構成される(予定)。

 

 「遺族への注意」は、

・ 葬式は10万円程度ですませること(多分受けてくれるはず)、戒名なんぞなくてもよい

 

(亡父の葬儀の際には亡母がずいぶん張り込んだし)

 

・ 相続税関連は「小野寺誠税理士事務所」の小野寺センセイに頼むこと

 

・ 不動産関連の書類は子々孫々大切に保管すること

 

といったところ。

 これから随時項目は増えていくかもしれないが、もしこれだけならこのブログを見せれば済んじゃいそうだ。

 

 「ファクトデータ」は、

・ 死を伝える知人連絡先一覧(せいぜい10人程度だろう)

・ 銀行口座、証券類など一覧

・ 年金事務所、健康保険など死の事実を通知する先一覧

・ 各種ID、PW類一覧

というところだろう。

 

 構成が決まればあとはエクセルで表にしたりといった作業を残すのみだが、「また暇な時にやろうっと」、と先延ばしにするのはいけない。

 死はこの先に待ち構えているのではなく、後ろからこっそりと近づいてくるのである。

 

(仲間の帰りを心配そうに待っている様子)