(立春前なのに早くも梅の花がほころび始めた)
ご近所に住む犬トモにして鰻トモ(近々襲名予定)のAさんと西荻窪の鰻屋「柏屋」に行くことになった。
大寒とはいえ店はさほど離れてもいないので歩いていきましょうか、と水を向けるとマリちゃんの世話でお疲れ気味らしいAさんからは「タクシー呼びましょう」と意外な反応が返ってきた。
それなら、とウチのクルマで行くことにしたのだが少々不安がある。
ご存知の方も多いと思うが西荻窪駅付近はほとんどの道が一方通行で、しかも「この先いきどまり」の路地も多い。そのうえコインパーキングが店の近くにあるかどうかも判然としない。
そんなわけでこの日のウォーキングは店の下見をかねて西荻窪駅周辺をうろつくことにした。
グーグルマップで所在地を確認しつつ、店へ向かう。車での往復を想定しているから一方通行の標識を注意深く観察して進入禁止にぶち当たると進路を変更する。なんだかいつものウォーキングと勝手が違う。
どうにか「柏屋」にたどり着いた。幸い近くにコインパーキングもあった。
肝心の「柏屋」だが、見た目は想像よりはるかにショボい。
店の二階は住居になっている様子で、パッと見は八ヶ岳南麓の見た目はショボい良店「あめみや」を彷彿とさせる。
(こうしてみると「あめみや」の方がマシか)
Aさんによるとここの鰻は大層旨いとのこと。
とはいえAさんがしょっちゅう通われたのは息子さんと柏屋の息子さんが中学の同級生だった時代だというからかれこれ30年以上前の話である。
はたして今も旨いのだろうか。疑念が薄墨のように私の脳裏に広がった。
「柏屋」の隣に「吉祥天」という台湾料理の店があった。
(「街角饅頭店 吉祥天」というのが正式名称らしい)
テイクアウトのメニューを見ると私の大好物「角煮饅頭」があった。
(同店HPより パクチーあり/なしが選べるという安心安全の店)
(麻婆豆腐肉まん これもそそられる)
「柏屋」を訪れる際に「吉祥天」に事前に注文して角煮まんじゅうと麻婆豆腐肉まんをテイクアウトすることにした。
備えあれば憂いなし。
万々が一鰻がハズレだったとしても、これで口直しができるというものだ。
少し離れたところに古びたレストラン「キッチンキャロット」があった。
「ザ・洋食屋」という感じのレトロな佇まいである。
(こういうお店はものすごい勢いで街から消えつつある)
朝メシはすませてきたというのに「吉祥天」のせいですっかり腹が減った私はここでもメニューをガン見した。
いかにも洋食屋らしい食い物が並ぶメニューの中でひときわ目を惹いたのが「ステーキ盛り合わせ」。
チーズハンバーグ、牛とうがらし(肩甲骨付近の赤身肉 希少部位らしい)ステーキ、エビフライ、クリームコロッケにご飯とみそ汁がついて2100円なり。
(店先には今時珍しいサンプルが展示されている 右が「ステーキ盛り合わせ」)
これは是非とも食いたい。
揚げ物が入っているが、ステーキとハンバーグのお供にすぎないから目クジラ立てることもないだろう(←喉元過ぎてだんだん熱さを忘れている)。
さすがに鰻の後で、というわけにはいかないので、日を改めて訪れることに。
和洋中のトライアングルを形成しているこのエリア、さらに奥地まで探索する必要がありそうだ。
(ロウバイが早くも盛りを迎えている)