「神田ごくら町職人ばなし」(坂上暁仁著 2023年9月 リイド社)が
手塚治虫文化賞・新生賞に!
(ずっと読んでみたいと思っていたら
マンガ大賞の候補になったので
もう、これは読むしかないと)
短編集です。
桶職人
刀鍛冶
紺屋
畳刺し
左官
女性職人が主人公です。(違うものもある)
舞台は江戸
まだ底の入っていない桶越しに描かれている職人の顔のアップ
熱した刀を水に入れた瞬間、だけで4コマ
どれもいいけど
左官の章がいい。
手拭いを巻いた頭が振り返ると顔は女。
長兵衛店(だな)左官のお七で長七は
蔵を任されている職人頭だ。
腕を持っているけれど
人をまとめていくのは難しい。
何かと妨害するのは六次
左官の腕もいいが、腕っぷしも強い
で、すぐに腕をふるってしまう。
長七は思う
「あたしはただ土をいじるのが好きなだけなのに」
女が頭になったことで周囲の気が緩むことを懸念して強く言うと
反感を買う。
何も言えなくなった長七は
夜に一人で職人が塗った壁の直しをするようになる……
「統べる」難しさに直面しながらも
いい蔵を塗り上げたい
と思う長七の迷い、悩む姿が描かれます。
「一」だから続編も出ます。