ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「家を失う人々」 デスモンド

2024-02-28 | 読書日記

「家を失う人々」(デスモンド著 2023年12月 海と月社 515p)を読みました。

アメリカの低所得者の住宅事情について書いている。

ノンフィクションなのだけれど
フィクション作品のような書き振りで
自分が家を追い出されそうになっているような気持ちになって
なかなかつらい読書だった。

舞台の一つは貧困地区に暮らす人々
2人の息子と暮らすアーリーン
2人の息子と暮らすシングルファーザーのラマー
4人の子と孫と暮らすドリーン
強制退去させられて必死に次の家を探している。

もう一つはトレーラーハウス・パーク
生活保護を受けている54才のロレイン
元看護師で薬物依存のスコット
3人の娘の母パム
強制退去させられて必死に次の家を探している。

彼らは収入の8割近くを家賃に当てている。
収入が10万円だとしたら8万円
窓が壊れていたり
台所の排水が詰まっていたり
天井がたわんでいたり
そういう部屋なのにこの金額だ。
修理を依頼しても
家主は「壊したのはそっちだから」と取り合ってくれない。
心身の安定と健康にために家は必要なのに
それを得られていない人がたくさんいる……

著者は実際に4ヶ月間トレーラーハウス・パークに住み
上記の人々について
見聞きしたことを書いた。
(取材しているうちに
あまりのつらさにうつ状態になった)
著者は実際に両親が強制退去させられた経験も持っている。

著者は
現状は
「もっとよい人生を送るべくこの世に生まれてきた人々を
貧困へと追い込んでいる」
と言っている。

解決策も提案されています。







 

 

 

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