皆さんこんばんは。

アクションとホラー映画好きを拗らせすぎてマニアのみちをひた走るいわしでございます。

先日アクション映画日記の方が1000記事を越えましてふと見たところ独論シリーズだいぶ滞っていたことに気づきまして(^^;
これはいかんということで数ヶ月ぶりの更新となります。
前回初のホラージャンルでの検証でしたがいかがでしたでしょうか?
たまにこれからはホラーに関しても論じたいと思っていますのでよろしくお付き合いくださいませ。

さて、今回の独論のお題ですが、以前次世代ヴァンダムに関する考察をのべさせていただきましたが、ネクストヴァンダムを見つけるためにその原石として注目されたのが『キックボクシング』業界であると論じてきました。
しかし、ネクストヴァンダムの担い手は何もキックボクシング界だけには留まらず、数多くある格闘技全体から集められ、デビューしては次のヴァンダムという触れ込みだったのです。

極端にいえばヴァンダムブレイク以降にデビューした格闘技出身のアクション俳優は9割ぐらいはネクストヴァンダムと呼ばれていたのです。

こうして雨後の筍のごとくネクストヴァンダムは大発生してきたのですが、キックボクシングとは違う方々のなかには直接ヴァン・ダム作品からの繋がりからチャンスを得たアクション俳優たちもいました。
彼らは数多くいた逸材のなかでも特に業界からの期待の熱かったスター達でした。作品を継承する(レガシー)、その意味では最もヴァン・ダムの座に近かった男たちといえるでしょう。

今回はその『ヴァンダムレガシー』な男たちを紹介していきたいとおもいます。

まず最初に紹介するのはこの方、
『ダニエル・バーンハード』


でございます。

スイス出身の彼は兄と共に空手やテコンドーを習得し、建築デザインで学士をとるなど文武両道なだけでなく、フランスにわたって国際的モデルとしても活躍。189センチの恵まれた肉体美からあの『ヴォーグ』に掲載されたほど。
そんな彼は更にアメリカに渡ってアクション俳優として活動を始めるとヴァン・ダムの主演デビュー作品『ブラッド・スポーツ』の続編の主役に抜擢されます。
シリーズは第4作まで製作され、マーシャルアーツスターとしての評価を高めるとあの『マトリックス』でエージェント役としてキアヌ・リーヴスらと激突。後に『ジョンウィック』でも再び拳を合わせます。
ダニエルのファイトスタイルはヴァンダムとよく似ており、鮮やかな飛び回し蹴りも筋肉をアピールする見栄の切り方なども似ていることから当時はヴァンダム二世ともよばれていました。現在もアクション俳優として活躍し、近年もその切れのある技を見せてくれています。


ヴァン・ダムの出世作である『キックボクサー』シリーズからはまずはこの方、
『サシャ・ミッシェル』


です。

テレビ俳優として活躍する傍ら、そのルックスからモデルとしても活動していた彼はなんとアルバート・ピュンの抜擢で『キックボクサー2』の主役、ヴァンダムの弟で最強のボクサー、デビット・スローンを演じます。長身をいかしたダイナミックな蹴りや打点の高い膝蹴りが持ち味でシリーズをおうごとに細身だった肉体も技と共に鍛え上げられました。
彼は『キックボクサー4』まで主役を演じ、最終シリーズとなった『4』では宿敵トン・ポーすら赤子扱いの最強クラスに成長。
その後もトレーニングにはまった彼は鍛えぬいてなんとプロレスラーとしてデビューする明後日の方向へと旅立ちました(笑)

その後『キックボクサー』シリーズは第5作まで製作され、シリーズ最終作の主役として抜擢されたのが現在も活躍を見せる
『マーク・ダカスコス』


でございます。

当時の若手アクションスターとして注目されていた彼は、ベースは器械体操と中国拳法でヨーロッパのカンフー選手権で優勝したほどの腕前。カポエラも習得するなどポテンシャルとしてはすでにヴァンダム以上といわれておりました。ハワイ出身で日本などアジアの血も受け継いでいることから日本の漫画やゲームなどに関する出典にも縁が多く、『ダブルドラゴン』『クライングフリーマン』など日本原作の作品の実写化にもよく主演しておりました。
ダカスコスの魅力的はとにかくヴァンダム以上の身体能力の高さ。香港テイストのアクションにも順応する他、トリッキーで躍動的なカポエラなど超人的なバネを武器とする格闘アクションの鮮やかさが特徴的です。
『キックボクサー』シリーズ最終作となった『5』ではキックボクシングぶりはほぼなくなり、 ダカスコスのキレキレのカンフーがやたら炸裂するものとなってしまいました。一応スローンも出てきますが、冒頭の場面でころされてしまっています。
近年もその鮮やかなマーシャルアーツの腕前は変わらず、『ジョンウィック・パラベラム』ではキアヌも霞む存在感と格闘アクションをみせてくれていました。


『キックボクサー』シリーズは後にリブートされており、そのリブート作品ではヴァンダム自ら出演し、強すぎる師匠として存在感を出していますが、ここでかつてヴァンダムが演じた主役を演じているのがカナダ出身の
『アラン・ムゥシー』


でございます。

スタントマンで格闘家でもあった彼は、スタントチームに所属して下積みを積みながら、『キックボクサー』のリブートで主役という大役をゲット。その続編も製作されてヴァンダムの後継者かと注目を集めている存在です。
その身体能力のポテンシャルはヴァンダム以上であり、新世代のエクストリームマーシャルアーツにも対応。大作の主演も重ねていますが、ブレイクまでにはあともう少しというところでしょうか。


ヴァンダムの本格的主演デビュー作といえば自らロシアの最強ボクサーとして悪役を演じ、注目された『ノーサレンダー』。香港の呉思遠によって作られた青春アクションでヒットとなり、その原題名『No Retreat NoSurrender』はシリーズ化されていきました。作品同士の直接的な繋がりはないもののシリーズの主役を務めたのはテコンドー出身の
『ローレン・アヴェドン』


でございます。

香港テイストのハイスピードなアクションに対応し、このシリーズは第3弾まで製作され、切れ味鋭いキックコンビネーションをみせてくれたほか、もうひとつの『キックボクサー』シリーズとされる『キング・オブ・キックボクサー』でも主役を務め、黒いヤンスエ、ビリー・ブランクスとのド迫力な蹴りあいはアクションファンの間でもベストバウトとして語り継がれるほどの名シーンとなっています。
残念ながら現在は第一線を退いていますが、香港映画サイドから次のヴァンダムの座を担うものとして推されていた稀有の存在といえるでしょう。


ヴァンダムの作品を継承したという点で最もヴァンダムの座に近いというならばやはり彼ということになるでしょうか
それが
『スコット・アドキンス』


でございます。

本コラムでも次世代ヴァン・ダム代表格として何度も紹介されていますが、彼の場合はヴァンダム自身が推していることもあり、彼との競演作も非常に多い点で違います。
継承した作品はジョン・ウーのハリウッドデビュー作であった『ハード・ターゲット』、そしてヴァンダムの最高の代表作ユニバーサル・ソルジャー』
後者ではシリーズの主役だったヴァンダムと直接対決という構図までみせています。
アドキンスのファイトスタイルはもはや異次元ともいえる身体能力から繰り出される技の数々。飛び回し蹴りはもちろんのこと三段蹴りや旋風脚などヴァンダムすらできない鮮やかで華麗な技をみせています。
『ザ・プロテクター』『アサシン・ゲーム』など時には敵に時には味方にと共演作品も多いのでいかに彼がヴァンダムに気に入られているのか確認してみるのもいいでしょう。

いかがでしたでしょうか?
他にも初期のSFバイオレンスアクション『サイボーグ』の続編ではあのアンジェリーナジョリーが主役を務めるなどもありましたが、こちらは本人が黒歴史にしているため割愛させてもらいました。

ヴァン・ダムブレイク後、キックボクサーに限らず格闘アクション作品に出演したものはもれなく『次世代ヴァン・ダム』の文字がついたものでした。
それは空手やテコンドーだけでなく、様々な格闘技出身にまでスポットが当たったり、人種も関係なく注目されていきました。
結果としてまだヴァン・ダムの正式な後継者というのは確定しているわけではありません。
近い存在はいたとしても。

ハリウッドを代表するマーシャルアーツスターとしての頂点の座はヴァン・ダムからジャッキーやジェット・リーへと移り変わり、そして今新しいトップの座を巡ってチャンスが巡ってきています。
幼い頃にヴァンダムをみていたとされる世代がそろそろ活躍の場に現れ始める頃、ひょっとしたらそこにヴァン・ダムの本当のレガシーを受け継ぐものが出てくるのかもしれませんね。

そういったところで今回の独論はここまで。
次回もまた新しいネタをもってお会いしましょう

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