末っ子ちゃんの発達の検査に行った。
夫も一緒に行った。
遠方の病院なので、遅れないように、この時間には出ようねと夫と話していた。
しかし、自分の身支度を整え、末っ子ちゃんも行く準備をしていると、夫のスマホが鳴り、夫は仕事の長電話を始めてしまったのだ。
嫌な予感がした。
そして、電話を切り終えたのは、家を出るギリギリの時間だ。
「早く行かないと間に合わない!」と焦っていると、「トイレに行きたくなってきた」と夫。
「ごめん、大の方が出る…」と驚きの言葉まで発する。
「ちよっと?間に合わないよ?」と言ったけど、「仕方ないじゃん!大なんだもん!」と夫は叫んでトイレに篭ってしまった。
そして、遅刻ギリギリの時間に大慌てで家を出た。
夫は真剣な顔で車を運転していた。
超方向音痴の夫はいつもナビをセットして運転するのに、なぜかナビを見ていない。
「ねぇ?病院までの道、分かるの?」と恐る恐るたずねると、「何となくは分かるよ」と返事が返ってきた。
何となく…?
何となくでどーやって病院に着くんだ?
「ねぇ、あなたさぁ。何となくしか分かんなくて、もし道を間違えたら、大遅刻になるよね?何で道がわかんないのに、ナビをセットしないわけ?何でこの状況で当てずっぽうで病院行こうとしてんだよ?!」
と怒ってしまった。
怒りと情けなさで、涙が出そうになる。どこまでも頼りにならない。
何とか病院に着き(ナビを頼りに)、いよいよ検査という時にまた夫はふらりといなくなった。
仕事の電話のためにどこかに行ってしまったのだ。
検査室に末っ子ちゃんと二人で入った。
あの人、何のために来たのだろう?
検査をしていると、鞄の中で私のスマホがブルブル震えていた。
夫だった。
小声で電話に出ると、「どこの部屋にいるの?」と夫。
廊下まで出てあげて、夫と合流した。
「携帯電話はマナーモードにして下さいね」と先生の代わりに私が厳しい口調で夫に言っておいた。
検査中、問題に答えられない末っ子ちゃんにヤキモキした夫が勝手にヒントを与えそうになり、先生に注意されていた。
検査が終わり、家まで帰っている間、3人とも疲れてぐったりしていた。
覚悟はしていたけど、末っ子ちゃんはいろいろと出来ない事が多いんだなと思い知らされてしまった。
「僕がいろいろ末っ子ちゃんに教えていく!」と夫は言ってる。
本当に大丈夫なのか?こんなに無責任で頼りない人で、と思いながら、「ありがとう。お願いね」と言ったし、夫がそう言ってくれる事で肩の重荷が軽くなったような気持ちにもなった。
頼りなくて情けない人。
それが夫だ。そして、私のパートナー。
でも、帰りの車で、夫が一緒に来てくれて良かったと思った。
1人じゃなくて良かった。