先日不思議な事があった。

私の育った家庭は人から助けてもらえないと機能できないような家庭だった。

祖父母や親戚がいつも助けてくれた。

今思うのは、あれだけ人から助けてもらえたって事は私の両親はそんな家庭しか作れなかったけど、人間が良かったのだろう。

いつもお金がなくて貧乏だったけど、周りの人が支えてくれたから、今の私があるのだと思う。

金銭的に支えてくれた事も大きいけど、安心感というか、なかなか言葉で言い表せられないものを受け取って育ってきた。

子供の頃は気付かなかったけど、親戚とはいえ、あれほど人の家庭を支えられる大人ってなかなかいないのではないか。

でも、そのおじさんが先日亡くなったのだ。

これまでしてもらった事のお礼を私は言えなかった。

その事をとても悔やんだ。

亡くなる前に、本当に感謝してると伝えたかった。生きてるうちにどうして言わなかったんだろう。

こういう後悔を背負って生きていくのかと考えながら、おじさんが亡くなったという実感もなく忙しく過ごしていた。

そうしたら、先日、おじさんが夢に出てきたのだ。

おじさんは大きな門の前にいた。

おじさんに会えた事が嬉しかったけど、もう会うのはこれが最後で、おじさんはこれから天国に行くんだなって夢の中で気付いた。

これまでしてきてくれた事にたくさんお礼を伝えた。「本当にありがとうございます。ずっと感謝の気持ちを伝えたかったから、私に会いに来てくれて嬉しい」って、言った。

「そうか、そうか。体に気をつけてこれからも頑張れよ」とおじさんは言った。

門の向こうにおじさんは消えていって、私はずっと「おじさん、ありがとう、ありがとう!」って叫んだ。

そこで目が覚めたのだ。


すぐにおじさんの奥さんのおばさんに電話した。

「おじさんが夢に出てきたんだ」と伝えて、「ずっとお礼を言いたかったのに言えなくて悔やんでた」と言うと、涙が止まらなくなった。

おじさんが亡くなってから初めて涙が出た。

「おじさんにありがとうって伝えれて良かった」とおばさんに言うとおばさんも泣いていた。

「桃ちゃん、ありがとうね、ありがとうね」っておばさんが言ってくれた。

「こちらこそ、ありがとう、ありがとう」っておばさんにもお礼を伝えた。

私が夢を見た日はちょうどおじさんの49日だった。

おばさんから聞いて知った。

おじさんは私が後悔しないように会いに来てくれたのかもしれない。

頑張れよって言ってくれた。

頑張るよ、おじさん。