臼杵では、「唄う仏壇屋」として有名なシンチャンこと平林真一さんを訪ねた。

 

 山本鳳凰堂の創業は古く、明治5年。真一さんは5代目の店主である。

 

 店内は壁で2室に仕切られており、従来のお仏壇(きらびやかな金の装飾があるタイプ)コーナーと現代の住宅にマッチしたモダンなお仏壇や仏具を展示したコーナーに分かれている。

 いつでもライブが行えるようにとBOSEのスピーカーも常設されていて、まったく規格外の仏壇屋である。

 

過去にCDデビューの経験もある山本さん

 

 平林さんには、さらにもうひとつの顔があって、インターネット番組「うすきチャンネル」のメインMCを三中西さんと共に勤めている。発信している内容は、地元の人しか知らないであろう、めちゃめちゃコアな情報ばかりで、地域振興やまちづくりを本業としている私にとっては臼杵を学ぶうえで大変ありがたい番組なのだった。

 

 うすきチャンネル【YouTube】

 

 

臼杵の気になる情報を素敵なゲストと共に紹介する番組

 

 本業に対する経営理念についてお聞きしたところ、

 「私達の商いは、人が亡くなった家へ挨拶(営業)に赴くような時代が永く続いていたんですが、私はそれに違和感を感じていました。死んでからではなく、生きている時からのお付き合いを大事にしたい。相互の信頼関係や絆が前提としてあって、葬儀や弔いの機会が訪れた時に頼られたいというか、『お前がいてくれてよかった』と後々言っていただける、そんな存在でありたいと思うんです。」と。

 素晴らしい。これには、大いに共感。

 

 

 山本鳳凰堂では、オリジナルのお線香づくりも体験できる。いろんな素材を調合して、香りを楽しめる。こうした企画から生まれたのがUSUKI SENKO。ふぐ料理店で廃棄されるカボスを再利用して商品化。SDGsそのものだよね。

 

最近の超ヒット作「USUKI SENKO」はカボスを練りこんだ逸品

 

 他にも、お客さんから使わない線香を引き取り、臼杵石仏に寄贈する活動も行っている。こうした地道なコミュニケーションが地域社会との信頼関係を構築しているんだなと実感。

 

臼杵石仏の参拝者に感謝の気持ちをこめて

 

 高校生の時から店を継ぐことを念頭にしていたらしく、両親に大学には進学せず、その分の6年間(大学4年+大学院2年分)を自由に使わせてほしいと請い、ギターを抱えて全国放浪の旅を送り、そこで経験した貴重な体験談などもお聞きした。

 平林さんは、真の意味で探究学習にふさわしい語り部だと感じる。

 

 

 山本鳳凰堂

 〒875-0041 大分県臼杵市大字臼杵畳屋町3

 ☎0972-63-4187

 

 

 

 

 

 でわ!