稲刈りを終え、秋晴れの清々しい10月末。

 

 田舎の里山を歩いてきた。兼ねてより気になっていた「フットパス」というやつだ。

 

 最初に耳にしたのは、かれこれ10年近く前で、九州ツーリズム大学の講師をしていた頃だった。私は教育旅行や農泊分野の講座を依頼されていたのだが、とある日にフットパスの講座が重なった。

 

 「フットパス…なんそれ?」

 

 イギリスが発祥で、古い町並み・田園地帯・森林など、地域に昔からある風景を楽しみながら歩くことらしい。

 九州では、その普及に早くから尽力されてこられた熊本県美里町の井澤るり子さんがその日の講師を務めた。

 

 話を聞く限りでは、九州オルレとどう違うのか分からなかったが、地元の方がおやつを振る舞うなど地域住民を巻き込むことで参加者との一体感や満足度を向上することが大事だという。当時の私は福岡市の今宿に住んでいた。時折り、JR九州ウォーキングが開催され、アパートの前をぞろぞろと歩く参加者の人数に驚かされたものだった。この企画でも農協がイチゴを振る舞っていた。人混みや苦手な私は、ひとりで勝手きままに歩きたいので参加することはないだろうなと思いながら聞いていたのだが、20年近く親しくさせて頂いている吉四六さん村グリーンツーリズム研究会がこのフットパスを活動に取り入れているというので、歩いてみることにしたのだ。

 

コースには分かりやすい案内板が整備されていた

 

 約4㎞ほどのコースをゆっくり歩く。ひたすらゆっくり、ゆっくりと。立ち止まる回数も多く、歩きに来たのかおしゃべりに来たのか分からないほどである。

 

案山子が飾られる田園風景に癒される

 

バラ園の方に葡萄をいただいた

 

 コースの中間となる溜池に軽トラがつけられていて、ここでも温かいお茶と漬物やじり焼きなどをほおばった。

 

 9時30分に出発して、ゴールしたのは12時すぎ。どれだけゆっくりだったか分かる。

 

 お昼は研究会の方々が準備してくださった。

 

フットパス弁当。これに団子汁がつく

 

 オルレだと短いコースでも15㎞位はあって、おまけにアップダウンも激しいから、かなり気合いを入れて望んでいたことを思い出した。それに比べ、フットパスのユルさはかえって新鮮な気がする。膝と腰に爆弾を抱えるオッサン(私)にはこちらの方が向いているのかもしれない。

 

 

 

 

 でわ!