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はいっ、そうします先生っ! [今を生きる]

ずっと前から考えていたこと。
ここ数年、少しずつ準備してきて。
いよいよ実行に移す時がやってまいりました。


実はワタシ、春から大学生になりますっ!

還暦を迎えたオッサンが何を今さら…と思う向きもあるでしょうが。
45年間の長きに渡り、ずっとモヤモヤしていたんです。

「大学…行きたかったな」

でも子供の頃は家が貧しくて、大学に行きたいなんて言い出せませんでした。
食うものに困る…ほどではないにしろ、食べたいものを好きに食べられるほどではありませんでした。5枚入りの味付け海苔を姉弟二人で分けて、そのうえ、一口で食べるな、少しずつ分けて食べろ、と言われるくらいには困窮してましたね(笑)。
だから子供の頃から自分が大学に行くことなんて想像もしていませんでした。



思い起こせば、ワタシが中学二年生の時です。
理科の授業中にあんまり突っ込んだ質問をするもんだから、A先生に諭されました。

「それは大学に行って勉強しなさい」

中学生でもうすでに大学進学をあきらめていたワタシは、とてもショックを受けた…と言うか、悲しかったと言うか、ガッカリしました。

(あー、一生この疑問が晴れることはないんだなー)

…と、自分の将来に見切りをつけたのでした。
悪気のないA先生の一言でしたが、その当時はワタシも幼くて感受性が強かったんでね。今も鮮明に憶えています。
その後、進路相談の時に担任のT先生から「M高校(進学校)に入って大学に進み、卒業したら国鉄(現JR)に就職しなさい」と言われたこともありました。なぜ国鉄w?どんだけレールを引いてるの?(JRだけに)と、笑ってしまいますね。

担任は両親にも、ワタシが進学校へ高校進学することを勧めたみたいでしたが、そもそも大学進学がないのに進学校もないだろ、と思っていたワタシ。高校を卒業したらすぐに就職することしか考えていなかったワタシは、担任の話には耳も貸さず、高卒後の就職に有利という理由でS高校の機械科に進学したのでした。
元々機械好きだったというのもあり、そっち方向の就職に有利、と踏んだわけです。

こんな言い方は口幅ったいのですが、レベルを落として入った高校でしたから、努力も苦労もせずに学年トップが取れ、就職しか頭にないワタシはここでも担任や進路指導担当に渋られました。また卒業時には、ワタシが大学進学しないことを知ったクラスメイトに、ずいぶんと驚かれたものでした。
今さらながらに気付きましたが、もしかすると進学志望の生徒の中には「なら成績下げれば俺らの内申上がったのによ」と影で言うヤツらがいたかもしれません。当時そこまで考えがいたりませんでした。スマナカッタおまいらw。

それはそうと、自分の意思で決めた就職でしたし、今考えても自分にとって最良の就職先でした。今でもまったく悔いはありません。
でも、大学卒で入社した同期がキラキラして見えたりして。悔し紛れに「大学はとりあえずで行くところじゃない。本当に勉強したい人が行くところなんだ」なんて心の中で毒づいたり。
何かいつもどこかがモヤモヤしていました。

「大学…行きたかったな」

早くから大学進学をあきらめていたワタシ。
だからと言って別に親を恨んだり憎んだりしたことはありません。
まあ生まれが悪かったと言うか、しょうがなかったんだ、と思っていました。
逆に、あの貧しい時期に高校まで出してもらったことに、両親には感謝しています。

そして…。就職して、結婚して、子供が生まれて…。
それでもその後もずっと、モヤモヤが消えることはありませんでした。

ところが思いもしない時に、思いもしないところで、最初にモヤモヤの霧を晴らせたのは、なんと中学生時代の担任のあのT先生でした。

関連記事:
 2015/07/08 『40年ぶりの家庭訪問

「恩師」とは、こういうかたを言うのでしょうかね。
ただ勉強を教えるだけじゃない。人生を導く、とでも言うのでしょうか。
80歳を過ぎてなお大学で授業を受けるという先生の姿を見て、もしかしたらワタシも大学に行けるかも?行ってもいいのかも?と思うようになりました。

それからというもの、時間を見つけては少しずつ情報を集め、検討を重ね、いくつかの大学説明会に参加し、学校を選定し…。
恩師の家庭訪問から、早くも6年半が経った昨年のお正月。家族全員がそろったところで、恐る恐る話を切り出したところ、思いのほかみんなからも暖かく背中を押してもらえました。
当時まだ現役大学生だった娘に、履修計画の立て方や、お薦めの時間割アプリなんかを教えてもらったり。懐かしの高校に出向き、卒業証明書を申請したりもしました。

現役世代と違うので入学試験はありません。願書を出して審査に通りさえすればいいだけ。
とは言え、思いのほか長かった2週間。少しそわそわしてました。
そしてついに…サクラサク。無事合格通知をいただきました。
後は入学金と授業料さえ納めれば、いよいよ晴れて念願の大学生です。

IMG_8777a.jpg

45年がかりの大学進学。
なんとまあ長い道のりだったのやら(汗)。
しかし大学入学がゴールではありません。
大切なのはこれからです。

いまさらこの鈍った頭で、授業についていけるのか?
週に何日か出社するだけで、会社の皆さんに迷惑をかけないか?
収入が減って生活できるのか?
息子もまだ学生で、これから就活やら引越しやらが控えてるし。
心配なことは多々ありますが、今はどちらかと言うと、ワクワク感のほうが強いです。


生意気な中学生だったあの頃。
まだ木造だったあの旧校舎の、すきま風の入るあの教室の、あの理科の授業。
あの時、ふと脳裏をよぎったあの疑問は、今も頭の中にそのまま残っています。
まるであの時に戻った気分です。
担任のT先生も理科のA先生も喜んでくれるでしょうか?

「それは大学に行って勉強しなさい」

あの時に言えなかった返事を、今こそ。

「はいっ、そうします先生っ!」


タグ:大学 入学
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