中小企業白書にみる、知的資産経営の適用可能性(前半)

【今日のポイント】

GW前に公表された、2023年度の中小企業白書・小規模企業白書では、新型コロナや人口減少、カーボンニュートラルなど地球温暖化対策へのニーズなど、事業環境の変化がもたらす課題とその解決・支援の取り組みが解説されています。

その中で、知的資産経営の視点から関心を惹かれたポイントを前後2回に分けてお送りいたしますので、ご参考になれば幸いに存じます。

【目次】
1.2023年版中小企業白書・小規模企業白書公表
2.私が関心を惹かれたポイント(前半)
2-1.新型コロナや為替の影響の、業種、業態による違いの拡大 

 

1.2023年版中小企業白書・小規模企業白書公表

2023/4/28に、経済産業省、中小企業庁は、2023年版中小企業白書・小規模企業白書を公表しました。

https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428003/20230428003.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

上記のプレスリリースでは、2023年版の中小企業白書・小規模企業白書について、特色として以下のように記載しています。

『1.2023年版中小企業白書・小規模企業白書の特色
中小企業・小規模事業者の動向に加えて、中小企業が変革の好機を捉えて成長を遂げるために必要な取組や、小規模事業者が地域課題を解決し、持続的な発展を遂げるために必要な取組等について、企業事例を交えて分析を行いました。』

⇒この『変革の好機』は、事業承継や、新型コロナや人口減少などの環境変化の双方を指しており、この機会を捉えてデジタル化などの手法も活用しつつ、自社の変革を通じて地域課題の解決する取り組みを解説していることが本白書の特色と言えるかと思います。

また、プレスリリースでは、本白書のポイントとして、以下の4項目を挙げています。

『(総論)
(成長に向けた価値創出の実現/新たな担い手の創出)
(小規模事業者における地域課題の解決)
(中小企業・小規模事業者の共通基盤)』

⇒上記の各項目の内容をみると、新型コロナや人手不足、デジタル化やGXへの取り組み要請などの事業環境の変化に対して、自社・事業の継続に加えて、地域や環境などの社会課題への貢献デジタル化やGXなどを進めるための共通基盤の構築支援などが本白書が重視している課題と考える次第です。

2023年版中小企業白書・小規模企業白書の概要はこちら
https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428003/20230428003-1.pdf

2023年版中小企業白書の全文はこちら
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html

2023年版小規模企業白書の全文はこちら
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/shokibo.html

まずは、概要に目を通して、全体像を掴んでから、関心のある事項を読んでみるのではいかがかと思います。

 

2.私が関心を惹かれたポイント(前半)

以下に、2023年度版中小企業白書の中で、私が関心を惹かれた内容についていくつか記載致します。
(以下では、主に2023年度版中小企業白書を、必要に応じて「本白書」と略称します。)

2-1.新型コロナや為替の影響の、業種、業態による違いの拡大
本白書「第1部 令和4年度(2022 年度)の中小企業の動向 第1章 中小企業・小規模事業者の動向 第1節 我が国経済の現状」など)

宿泊業の中でも、ビジネスホテルなどのビジネス系は回復傾向、旅館などの観光業は以前として厳しい状況
インバウンドの回復などの最近の状況の変化とそれに対する対応の重要性が高まっていることが窺えます。

また、為替の変動についても、輸入価格の上昇を通じて広く影響を及ぼしていますが、これも、業種・業態により原料などに輸入製品が占める割合、商品販売に輸出が占める割合などが異なるため、業種・業態によりその影響の大きさは異なってきます

上記のように、宿泊業に限らず、法規制や為替などの要因により状況の変化が続く中で、柔軟・敏速な対応が必要と感じます。

 

2-2.人手不足への人材確保と生産性向上による対応の取り組み
本白書「第1章 第3節 雇用の動向 2.中小企業の雇用状況」など)

中小企業の人手不足は全ての業種で以前として続いておりかつ悪化傾向にあることがを中小企業景況調査などのデータから示されています。

その中でも、建設業や自動車運転業などの人手不足は特に深刻な状況であり、かつ、従業員の時間外労働に関する上限規制適用への対応も課題として挙げられています。

この状況への対応として、デジタル化、業務プロセスの見直し、社員の能力開発なども含めた生産性向上への取り組みと、
賃金の引上げや職場環境の改善、柔軟な働き方への取り組みなど人材の待遇や業務環境の整備が事例でも挙げられています。

ここで、足元の人手不足だけでなく、今後も人口減少が続く中で、全体としての人手不足と、事業環境変化による必要とされるスキルとのミスマッチの解消は、業種・業態を問わず、大きな課題であり続けるかと思います。

この、働き方の多様化と人材の多様化(海外人材、シニア人材など)や、業務プロセスの見直しなどは、知的資産経営の人的資産と構造資産の双方にまたがるものであり、
また、デジタル化を進めるためのデジタル人材の確保などの課題は、外部支援などの関係資産にも関係してくるため、知的資産経営の視点から、現在の課題と今後の環境変化と自社の将来像から必要な人材を確保する戦略を立てる重要性や有効性も高まってくると考える次第です。

 

ここまでで、だいぶ文量が多くなりましたので、残りの私が関心を惹かれたポイントと、
それらのポイントから考える、今後の知的資産経営との関連については次回5/18にお伝えさせていただければ、大変幸いに存じます。

 

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