北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

国民総背番号制パーソナルナンバー

2020-10-22 07:23:46 | スウェーデン

今週、発行したメールマガジン です。

10桁の番号ですが、100歳を超えると

途中のーが+と記載されるようになるんですって。

ちょっと、粋ですね

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スウェーデンに住むことになったら、まず、何をおいても1番にしなくてはいけないこと。

 

それは、パーソナルナンバー(Personnummer)の取得である。

 

わたしが頼りにしているスウェーデンの生活便利帳には、こういう記述がある。

 

 

・・・・・・・最優先!!・・・・・・・

 

どうしてこういうヘッドラインをつけたかというと、

パーソナルナンバーがないと官僚的な政府の視野の中に

存在しないからだ。

 

こう書くといかにも至福のように思えるだろうが

実は、このナンバーがないとスウェーデンでの人生は、

とてもフラストレーションの高いものになるという意味なのだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

というわけで、我が家も全員、官僚的な政府の視野に入るべく、

パーソナルナンバーを取得した。

 

パーソナルナンバーというのは10桁の数字からなっている。

 

まず、最初の二桁は、西暦の下二桁。

 

今年生まれれば20ということになる。

 

次は誕生日。0101で、1月1日うまれという意味になる。

 

そして、その後に来るフォーナンバーと呼ばれる4桁の番号が重要なのだ。

 

フォオーナンバーの最初の二つはランダムに選ばれる。

次の一つは、偶数なら女、奇数なら男、最後の一つは、管理番号である。

 

2001012312というナンバーなら西暦2020年1月1日生まれの

男の子だということになる。

 

     *******

Rami Alfasfosさんのサイトからお借りしてきました。もちろんサンプル!
真ん中の列には身長まで記入されています。

社会保障番号(personnummer)は、生まれた時からつくけど

カードは大人にならないともらえないから身長の記載があるのかなあ

うれしいことに体重の記載は不要です。

     *****

 

そして、このナンバーでスウェーデンの生活の全てがコントロールされることになる。

 

この番号を取得するためには、パスポートと滞在許可証(ビザ)と

住民票を持って、税務署にいく。

 

多分このナンバーの最大の目的は、税金を取りっぱぐれないためなんだと推察している。

 

 

この国では、税務署がどんな場合にも重要な役割をはたしているのだ。

 

ちなみに、引っ越した時も、手続きは税務署に行く。

 

そうすると、関連役所に全て連絡が行くしくみになっている。

 

そうしたことが、スピーディにできるのもすべてこのパーソナルナンバーのおかげなのだ。

 

 

例えば、医療費も薬代も、全てこのパーソナルナンバーで管理されているので、

上限以上の金額になった時には、自動的に支払いが無料になる。

 

その代わり、番号の記入を間違うと該当者なしということになって、

受けられる恩恵も受けられない。

 

先日、娘が風邪を引いた時、生まれた歳を1年間間違って記入してしまった。

 

(なんかね長男の誕生日は間違えないのだけど、

第二子の娘の誕生日はよく間違えちゃうのよね。愛の差??)

 

すると、あとから莫大な請求が。

 

そしてそれを訂正するのに、膨大なエネルギーを消費したのだった。

 

 

図書館で貸し出しカードを作る時も、パーソナルナンバーが必要である。

 

銀行口座を開くにも、パーソナルナンバーが必要である。

 

学校入学、児童手当の支給・・・およそ、政府が関わることの全てに

パーソナルナンバーがなければ、らちがあかない。

 

 

スウェーデンに住んで、快適に暮らすためには、全員、背番号をつけなければならないのだ。

 

それらは、全て一括コンピューター管理されているので、

確かに、物事がスピーディに進む。

 

そして、その立場にある人や、その能力を持っている人には、

わたしがいくら貯金を持っていて、クレジットカードで何を買ったかまで

きっとわかってしまうのだろう。

 

病歴などガラス張りだ。

 

 

高福祉が行き渡るためにもこうした背番号が必要なのだろう。

 

でも、もしかすると番号だけ見て人を見ないということにもなりかねない。

 

と不安を感じるのは、腐敗した官僚をたくさん抱えている(?)日本人だからだろうか。

 

 

ところで、スウェーデンで大学に行っている知人のSさんは、

成績の張り出しにちゃんとパーソナルナンバーまで明示されていて、

自分が、クラスで2番目に年寄りだったのがバレてしまったと怒っていた。

 

だから(?)、総背番号制反対なのだそうだ。

 

 

話はそれるが、パーソナルナンバー取得の手続きには、

もちろん本人が出頭しなくてはならない。

 

そして、スウェーデン語の書類を記入する。

 

つまり、最初のスウェーデン語の大きな壁といってもいいだろう。

 

知人の助けを借りながら、記入したのだが、印象的だった言葉がある。

 

スウェーデン語で既婚とは、gift(イフトと発音する)と書くのだ。

 

思わず夫に「つまりわたしは、あなたへのギフトというわけね」

 

(ま、逆もいえるのだが)と言ってしまった。

 

 

ところがこのgiftという単語「毒」という意味もあるのだ。

 

 

「毒」だから「既婚」の意味に使われるようになったのか、

それとも、「既婚」だから「毒」に派生していったのか。

 

 

すごく、興味がある。

 

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スウェーデンでは1947年から導入されているのですが、

スウェーデン人が、この番号に反対しないのは(っていうか協力的なのは)

政治の透明性が高く、政府を信頼しているから。

・・・とすると、日本は、まだまだ時間がかかるかもね。



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