久しぶりの六行会ホール
駅からは近いがその駅にたどり着くまでが乗り換え多くて遠い……帰りは路線間違えたよ……
そんな私でございます皆さま御機嫌よう
新馬場遠いよね!ということで、そんな新馬場までお出かけした理由はこちら!
魔術士オーフェンはぐれ旅
〜牙の塔編〜
六行会ホール
11月7日(木)〜12日(火)
原作:
秋田 禎信
脚本:
吉田 武寛
演出:
松多 壱岱
出演:
松本 慎也:オーフェン
天音 みほ:クリーオウ
奥井那我人:マジク
西尾 来人:ボルカン
中村 悠希:ドーチン
上堂地かんき:キリランシェロ
小栗 諒:フォルテ
千歳 ゆう:レティシャ
松岡ななせ:パトリシア
田中 宏輝:ティフィス
門野 翔:スエイン
及川 洸:ハイドラント
高岡 裕貴:ヴィンビ・ストットアウル
花奈 澪:アザリー
末野 卓磨:ウォール・カーレン
アンサンブル
松田 浩毅
寺田 遥平
足利 至
飯嶋 耕大
小倉江梨花
梅田 祥平
※敬称略・パンフレット掲載順
前作に引き続き、第2弾!
原作1巻『我が呼び声に応えよ獣』がベースの1作目から今回は『我が過去を消せ暗殺者』と『我が塔に来たれ後継者』がベース、シリーズとしては5・6巻に当たります
次回の舞台でラストかな『我が聖都を濡らせ血涙』と『我が神に弓ひけ背約者』をベースにって感じなのかしら?
と、先のことを考えてしまいますがその前にこちら本編を……
4巻『我が森に集え狼』で登場のディープ・ドラゴンの子供レキも登場。
この話(出会い)が無いので不意に現れていますが、何かしらの強力な力を持った生物だというコトは登場人物たちの会話でわかるので無問題かなと……
ここに来て色々と台詞の中に単語が飛び出して来ますが原作未読でも十分わかる範囲、舞台の物語としてはあまり気にならない範囲かなと思いました
レキだけちょっと何ものかが台詞だけでは解りにくいかな?
物語の中の世界は平面世界であるとされていて、オーフェン達のいるキエサルヒマ大陸とヨーツンヘイム(巨人の大陸)、あと原作の3部、4部で出てくる原大陸(新大陸)が存在する世界
ヨーツンヘイムが元々のドラゴン種族の故郷ですが神々の力の謎を解明、魔術として自分達も力を手にれたコトで怒りに触れて呪われてしまい、キエサルヒマ大陸に逃げて来たという前提
で、このドラゴン種族というのはコウモリの羽があって鱗で覆われて、王子様あたりに討伐されてしまうあのドラゴンではなくて魔術をもつ種族の総称
舞台中でよく言われる天人というのはウィールド・ドラゴン、ノルニルと言われる人間に近い姿形の種族であり、オーフェン達魔術士はこのノルニルとの混血である先祖を持つ人間
少しであろうともノルニルの血を受け継いでいないと魔術は扱えないのです
神々の呪いで種族を残せなくなったノルニルの血を残そう大作戦、遺伝子を組み替えてでも人間と交わって血を残そうという目論見の結果生まれたのは天人ではなく魔術の素養を持った人間なのはちょっと皮肉ですね
レキはディープ・ドラゴン、フェンリルの一族で、族長であるアスラリエルの子供
普段はキエサルヒマ大陸の秘境、フェンリルの森にいるので人間と出会うコトはほぼ無いのですが人間が出会ったら最悪を通り越してどうしようもない種族がフェンリル
最悪なドラゴンもいるのですが、その場合は最悪でも生き残れる確率があり、最悪を通り越す彼らは出会ったら死あるのみ……と言われる種族です
ディープドラゴンは、オーフェンも死を覚悟する程の存在なのですが、なんやかんやありましてクリーオウに懐いた子フェンリルがレキです
ドラゴン種族というのは人間を凌駕する存在、それを神格化したドラゴン信仰というのもキエサルヒマには存在するのですよ
ただ、こんなコトを知らなくても特に支障はなくすんなり観られる脚本だったし演出だったのでは無いかなぁと思います
さてさてそんなこんなで演出といえば、OPでクリーオウの頭にレキが乗っているの、めちゃめちゃ可愛い、イラストでもあったんだけど本当に可愛いのです
さて前回の舞台トトカンタ市から弟子のマジク、相棒のクリーオウと共に訪れたのが、今回の舞台になるタフレム市
黒魔術士の総本山、オーフェンが修行した黒魔術士育成機関「牙の塔」があり、市の象徴的な建造物、天人種族が残した遺跡「世界図塔」がそびえ建つキエサルヒマ大陸で5番目の都市(ちなみにトトカンタは王都につぐ大都市)です
今回はマジクを牙の塔に登録するコトを目的にしているのですが、その頃街では暗殺者が暗躍しており牙の塔の「長老」(エルダー)が殺される事件が勃発
このエルダーって言うのは牙の塔の要職に就く人の呼称でハイドラントみたいに若くても役職に付いていれば長老です
その犯人として浮上したのはキリランシェロ
これ「我が過去を消せ暗殺者」で殺人人形(キリング・ドール)が出てくるのですが、これがキリランシェロの正体
アザリーが前作でキーとなったアイテムでもあるバルトアンデルスの剣で刺すコトでイメージしたキリランシェロの姿に変えて起動させたモノ
魔術文字が仕込まれていて、暗殺特化型の上にキリランシェロとしての力も持つ、割とチートなお人形さんかもしれないです
でもまぁ、アザリー的にはかませ犬(言い方!)
永らく修行もせずに高利貸し(回収は出来ていない)など、その日暮らしを続けていたわけでそんな中でサクセサー・オブ・レザーエッジ(鋼の後継)とか言われてもな……状態の弟に喝を入れたい姉心(かなり迷惑Ver)であり、アザリーを狙った長老、牙の塔に対する報復措置
アザリーは牙の塔の支給品である戦闘服姿なのですが、花奈さんの姿がまんま原作の挿絵
イラストが立体化してるよ!?
前作の時からアザリーがまんまアザリーで素敵だったのですが、今作でもまじアザリー
自信があって絶対的な自分の力の可能性を過信するコトなく見極めている感じが凄い
オーフェン、キリランシェロという自分の弟を愛し、可愛がりつつも、自分を殺すために教育されたかも知れないチャイルドマンの切り札という側面を意識し、でも強い男に育てる為なら、手間を惜しまない感じ好き
花奈さんのキャラへの寄せ方が本当にどの舞台も完璧で、アザリーも花奈さんさんに決まった時に絶対にアザリーらしいアザリーだと思ったのですが、今作、本当にアザリー過ぎてもう……
アザリー好きとしては納得のアザリーでした
戦闘服スタイルの姿は本当に挿絵まんまで感動モノでした
戦闘シーンでも魔術を駆使するところはさすがは「天魔の魔女」の二つ名をもつアザリーという感じで優雅かつ力強い
次回作、キムラックでのあるシーンが凄く観たいです
そんなアザリーの従姉妹、レティシャとその弟子、ティフィスとパトリシア兄妹も可愛かった
田中くんのティフィスのちょっと大人びたというか、大人ぶった感じとか何も知らないマジクに色々教えて上げようとする感じがよかった
髪の毛をくるくるいじりながら話すのがまたティフィスの無理に背伸びした感じが出ていて、良いなぁと、それがあるから苦手意識を持っちゃったマジクとのラストが男の子らしい別れ方というか、大人が見て大変微笑ましい子供達の友情、って感じになっていて良かったです
レティシャは原作でも言われているけれども、アザリーやオーフェンが前を向いて歩いていく中で独り過去にいるんだよね
屋敷を購入してアザリーやオーフェンの部屋を用意したり、待つ女色がこの1部では割と濃いのですが、そういう雰囲気がきちんと出ていて、おおっ!ティッシだぁ!ってなった
チャイルドマン教室で学んでいた頃と変わらない気の強さを出しつつ、姉妹や弟が不意にいなくなってしまった時から変わっていない感じが良きでした
スエイン、うん、スエイン、かっこよすぎてスエイン……
門野翔くんなんですが、もう、これはもう、塔支給の戦闘服というコトでアザリーやヴィンビともお揃いなんですが、まぁ、似合う
強そう、何処から見ても暗殺者!!
やっぱり綺麗ですかどしょーくんの身体の動かし方、好き
細身で軽やかなんですが1つ1つの動作に重さがあって、殺陣の色気があって凄く暗殺者
殺陣が上手い人って、やられ方も上手い人だと思うんですよ
今回はナイフでの近接戦でもありますが、魔術戦でもあるので魔術で吹っ飛ばされたり、発動した魔術を避けたり、相手が離れた場所にいるのにやられるシーンとか、綺麗に吹っ飛ぶなって思って観ていました
いや、やられ方って大事だと思うのですよ、やられ方で相手の力の強さとか表現されるというかなんというかなので、アンサンブルさんでもやられ方が綺麗なアンサンブルさんが好きです
ハイドラントは元生徒ですがスエインは現生徒、ウォール教師を尊敬しているというか、絶対服従感があって良い
スエインはウォール教室屈指の暗殺技術者なので、その感じがばりばり出ていて良かったです
悪役の色気というか華があるスエイン、流石に原作通りの展開とはいかずで、未熟だと侮ったマジクの魔術で負ける(原作では死角からのフォルテの魔術)のですが、マジクの魔術の能力の高さというか才能の高さが表現されていて良かったのではないかと思います
本当は『我が森に集え狼』辺りからオーフェンがマジクの能力の高さを認識して、ちょっと嫉妬というかコンプレックスを刺激されるような感じがあったりしているのですが、その辺りがない分をここで補完している感じは流石の脚本でございます
魔術の構成を編んで言葉にするコトで発動させる音声魔術ですが、その構成を編むためには、それなりの期間の修行が必要なのですが、マジクが鋼の後継とまで評されたオーフェンの魔術の構成を作って発動させる事が出来る、それだけ能力値が高い事が良くわかる展開だと思いました
結局は偽物だったのですが、世界書を奪ってウォール・カーレンに届けて絶命するスエイン
最後までかっこよくて、ほんともうかどしょーくんのスエイン、素敵ってなった
そしてハイドラント、本名ミラン・トラムくん
うん、もう、ハイドラントだは〜っていうハイドラント
何処にでもいるからついたあだ名はハイドラント(消火栓)という彼は、ウォール教室最強の元生徒な訳で、そのプライドとか気位が非常によく出ていて素敵でした
ちょっと残念なのはが最高のスタッバーと呼ばれるのに対して、ウォール教師が「真に」最高のスタッバーと、オーフェンを評するシーン、もうちょっとこう、大々的に?大仰に?言って欲しかった〜〜〜!!!
ウォール・カーレンは最強のスタッバーであり、彼が育てたミランは最高のスタッバーと塔でもそう呼ばれているのですが、そこに「真に」とつく二人が居る
それがチャイルドマン・パウダーフィールドであり、キリランシェロというかオーフェンなのですよ〜、めちゃくちゃかっこよく無いですか!?
まごうコトなき厨二病だった私は「かっこえぇ〜〜〜!!!!」って燃えました
ハイドラントがいくら強かろうと「真に」最高のスタッバーであるオーフェンに勝てないのは自明の理
この「真に」っていうのが重要 ( ˘ω˘)゛
からの、言った!言ってくれた!!
マジクをオーフェンと一緒に旅立たせるフォルテの台詞
いつも冷静でともすると冷たい印象のあるフォルテのデレ!!(デレ言わない)
ある日突然アザリーが居なくなり、キリランシェロも出奔、姉妹だったレティシャのショックの大きさは物語中でも語られますが、フォルテも同輩と後輩の予期せぬ消失は寂しかったのが、マジクへの言葉として語られるの
もう、フォルテ演じる諒くんの優しいトーンで言われるの、めっちゃ良いのよ
ウォール教室カチコミ(おい)の時の強さやアザリーが生きていることを知っていてコンタクトを取り、ウォール・カーレンやハイドラントを出し抜く怜悧さを持ちながらの最後のこの!
キリランシェロという後輩を可愛がっていたコトを滲ませる優しさ、を!諒くんの声が!もう本当に優しくて良いのです
今回は優秀なスタッバーを数多く排出する暗殺者育成に特化したウォール教室との全面対決というコトでアクション多め、魔法多めでそういう意味でも楽しめました
フォルテ諒くんの2刀流での剣さばきもカッコいいし、魔術士同士の戦いではあるのですが、暗殺に特化した教室の生徒が相手というコトで魔術は補助的な位置付けで、実戦は格闘&ナイフみたいな様相なのですが、手加減とか出来ないよってちゃんとお断りしてからの、絶対殺すマンフォルテのやる気がすごい(笑)
派手な煌びやかさではなく、静かであっさりとした剣さばきで、立ち回りも最低限の動きで相手をなぎ倒す、という感じがフォルテの強さをぐんと引き立てている気がして良きでした
フォルテは物静かだと自分で思い込んでるだけだよね?的な熱さです、内面はマグマの活火山だと思います
チャイルドマンの様になりたいのか、なろうとしているのか、冷静でどっしり構えていようとしているのに、いざとなったら多対1で余裕の表情
そして、叫んだりしないけどめちゃくちゃ怒るし、焦るし、内面では忙しく叫んでいそう
原作を読んだ時から好きなキャラの1人なのですよフォルテ、諒くんのフォルテが原作の挿絵よりも線が細い感じなのですが、その分年長者として教室のメンバーを束ね、一目置かれる存在な雰囲気がすごくよく出ていて、こちら舞台版フォルテがまじ好きです
そしてウォール教室の面々の前にフォルテが現れるシーンで教室の生徒を演じるアンサンブルのみなさんが一挙に険しい顔つきになるのがまた良い
暗殺を得意とする技術を叩き込まれた生徒としての構えと、長老たちにも影響力があるほどの実力者であるチャイルドマン教室の元室長であり、現教師補佐
行方不明(というコトになっている)のチャイルドマンの代わりに教室を存続させている人物に対する緊張感みたいなものもあって、そんな中に余裕で現れるからフォルテの強さというか塔でも実力を認められている感が余計に浮き出て良いなぁと
前作はアンサンブルにお名前がなかった梅田くん、梅しょー君と、小倉の江梨花ちゃんが今作では参戦
梅しょーくんは殺陣の時の構えの綺麗さが素敵です、江梨花ちゃんも今回はアンサンブルでは唯一の女性ですが漢前でした
周りの男性陣に負けぬナイフ捌きで本当に彼女の殺陣はカッコいいのです
漢前な殺陣と女性らしい演技のギャップがたまらなく良きなのです
フォルテ諒くんとの殺陣の速さと綺麗さはお流石
前回から引き続き出演の松田の博多くん今回もアンサンブルで色々と細かい演技がありましたが、好きなのはナイフをべろぉっと舐めるところですかね、ウォール教室は生徒をどういう風に育てているのかな?ってなりますが、暗殺教室(ジャンプの漫画に非ず)の生徒らしい表情と仕草でグッと来た
あと前はそんなに気にならなかったというか、目を惹かなかったのですが今回、なんか物凄く動作が綺麗でした
前回はローブ姿が多くて、あんまり身体の線が見えなかったからかなぁ、今回は黒の上下ですが、メインキャストが着用の塔支給の戦闘服に合わせて、黒のシャツにパンツというスマートな出で立ちで、きちんと所作や動作が見えたからなのかな?舞台に立つと目で追ってしまった
他のアンサンブルさんがどっしり構えて立つ中でシュッとスマートな立ち方で、ドSっぽい、サイコパス味を感じさせる雰囲気があってガン見した←褒めてます、間違いなく褒めてます
漫画とかでいません?熱血というか力こそパワー!みたいな中で一人、頭脳系クールみたいな
腕力よりも知能とSさで一目置かれる系キャラ(Sさっておい)それで、ナイフべろぉは反則だと思うんだ……
もともと細身の体型なので重さ系よりも軽やか系のアクションとか殺陣を突き詰めていただけると大変私が嬉しいし、美味しい←自分の欲望に正直に生き過ぎ
物語も色々な設定が一挙に披露され、次回キムラックに向けて動く中、綺麗に原作をまとめた感じが秀逸な脚本
間の巻数を飛ばしてもキムラック編に向けて必要な情報は全部盛り込まれているのではないかと思うのです
そして次作が物凄く楽しみになる舞台でした
2.5次元でファンタジーが原作なモノの中では本当にまとまって判りやすい脚本と演出の舞台
次回も楽しみなのでございます
と、いうところでブログを〆たいと思います
※本文中のタイトル及び巻数は「富士見ファンタジア文庫」を参照しております
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我が過去を消せ暗殺者 (富士見ファンタジア文庫―魔術士オーフェンはぐれ旅)
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↑↑今回の舞台のベースはこの2冊、文庫サイズなので持ち運びに便利↑↑
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↑↑可愛いレキ、マジク曰く「悪魔の犬」との出会い編↑↑
↑↑舞台までの物語を知りたい方はここまで↑↑
↑↑5巻で1部終了、アザリーがオーフェンに告げたキムラックでの物語まで↑↑