「うん…」

 目の奥の熱いものを、ごまかすように、裕太はカップを大きく傾ける。

まだ熱いその液体は、裕太の喉を刺激した。

「あつっ!」

鼻の奥が、ジンとしみる。

「あっ、まだ熱かったか?すまん」

じいちゃんが、ニカッと笑う。

「でね」

裕太はようやく、じいちゃんに話す気になった。

「明日のことなんだけど…

 どうしたらいいと思う?」

「どうしたらって?」

「だから…どうやって探したら、いいんだろう」

 眉をへの字にして、裕太はのどの奥からせりあがってくるものを、

グッとこらえる。

じいちゃんは眉をギュッとしかめて、裕太を見ると

急にははは…と笑い

「なんだ、そのことか?」

もしかして、気にしてたのか、と裕太を見る。

「それ、さっきから言ってるだろ?

 最後にジュンペイと別れたところへ、まずは行くんだよ」

「え~っ」

そんなことで、ホントに見つかるの?

もしかして…じいちゃんには、何か秘策があるのかも、と思っていたのに、

なんだぁ~と、裕太はガッカリする。

「おや?その顔は…信じていないな?」

じいちゃんは、ぷぅっと膨れる裕太の顔を見ると、真面目な顔をする。

「おまえ…知らないか?

 現場100回と言うんだぞ」

いきなりそんなことを言うので…それって、ドラマの話だろ、と思う。

(なんだよ)

裕太はキョトンとする。

「ほら、あれだろ?

 刑事さんが捜査をする時、同じ場所をくまなく調べたりするだろ」

知らないのか、と笑う。

「じいちゃんってば、ミーハー?」

「言ってみたかったんだよ」

ようやく笑う裕太を見て、じいちゃんもにっこりとした。

 

 

 

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