「時に、おまえ…仕事はどうなった?」

「あぁ、それ?」

 橋本は、平然とした顔をする。

「まぁ、何とか…チャチャッとやっつけて来たさ」

その割には…少し疲れた顔をしている。

「そんなので、大丈夫なのか?」

憎まれ口をきくけれど…実のところ恭介は、感謝していた。

やはり…不思議な体験をしたので、人恋しかったのだ。

 

「ところで、今日は何日だ?」

 ずいぶん長い間…あそこにいた、という気がする。

1週間か?

2週間か?

それとももっとか?

すると橋本は、ハハッと笑い、

「おまえ、何を言ってるんだ?

 気は確かか?」

恭介の顔をのぞき込んだ。

「いやぁ~何だか、ずいぶん長い間、いた気がしたんだ」

ごまかすように言う。

「ふぅーん」

橋本は、それ以上は何も言わなかった。

おそらくは…恭介の異変に気付いたのかもしれない。

 

「どうやら、会えたようだな」

 ソウさんに礼を言って、外に出ると…

玄関のポーチのところに、犬井さんが立っていた。

「あれっ?どうしてここに?」

目を丸くすると…犬井さんは軽トラをポンポンとたたき、

「ついでに、寄ったんだ」

ニッコリと笑う。

普段は無愛想な犬井さんも…

笑うと、優しい顔になるんだなぁ~

などと思う。

「ソウさんの様子はどうだ?」

じぃっと恭介の目を見て聞くので

「相変わらずです」と答えた。

 

 

 

 

 

 

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