「ラジコン?」

 それは、なんだ?

リュウはキョトンとした。

知らないの、と裕太は驚く。

「ほら、おもちゃの飛行機だよ!

 リモコンで動くやつ!」

ドローンじゃなくてね、と手でリモコンを操作するマネをしてみせる。

「あぁ~」

なんだ、あれかぁ~

ようやく少年に伝わったので、裕太もホッとする。

「あれって、誰の?」

もしかしたら、さっき飛んでいたラジコンのことを、知っているのかも

しれない…と裕太は期待した。

すると、リュウはじぃっと裕太を見て

「あれは、オジサンのだよ」

そう言うと

「オジサンはねぇ~何でも、出来るんだ」

まるで自分のことのように、自慢気そう言う。

(あれ?)

裕太は、ハッと気づく。

(そのフレーズ、どこかで聞いたことがあるなぁ)

 それって、まさか、と思う。

まさか、同一人物ではない、と思うけれど…

突然、ジュンペイが振り向く。

「自転車屋のオジサンだったりして」

にぃっと笑って、裕太に笑いかける。

「自転車屋?」

リュウは目を真ん丸くする。

(あっ、違う?)

「聞いたこと、ないなぁ~」

リュウがつぶやくけれど、すぐに

「オジサンはねぇ~魔法が使えるんだ」

嬉しそうに言う。

「魔法?」

なんじゃ、それ!

素っ頓狂な声で、ジュンペイが叫ぶと、思いっきりゲラゲラと

笑い飛ばす。

「魔法なんて、そんなの…使えるわけがないだろ」

やっぱり子供なんだなぁ~

自分のことは棚に上げて、ジュンペイはさらに、ニヤニヤと見下ろした。

 

 

 

 

 

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