「それって…魔物?」
それには、ルークは答えない。
ピリピリ…
アキは、何か異変を感じる。
(なに?気のせい?)
きっと、さっきから無意識に、怖い怖いと思っているから、
普段は感じないようなことにも、敏感に反応するのではないか…と、
自分で疑う。
「とにかく…手分けをして、探しましょ」
きっと、何かが見つかるはずだ。
そう確信するものの…それが二人にとって、役に立つものなのか、
それとも魔の者なのかは、わからない。
次第に電流のように、何かが、自分の皮膚を駆け巡っているのを
感じる。
「ねぇ~カガリちゃん、何か感じない?」
うまく説明出来ないけれど、カガリの反応を期待する。
するとカガリも、ハッとした顔をして、
「あっ、アキちゃんも?」
疑うこともなく、素直にカガリが反応する。
(それは、なに?)
しいていうなら…悪意のようなものだ。
少なくとも、自分たちと同じ考えではなさそうなもの…を感じる。
(それって、なに?)
もどかしい思いで、岩の後ろにしゃがみ込んだり、丹念に探していると…
何かがユラリと揺れるのが、二人には見えた。
それはまるで、透き通るような…フワリとしたホコリのように、
軽い存在だ。
(なんで?)
かげろう?
なに?
その正体を、ハッキリと見ることが出来ない。
何しろフワフワとしているので、つかみどころがないのだ。