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ディズニースタイルで自律性を高めてモチベーションアップ

 モチベーションを生み、高めるためには、自律性、熟達、目的・意義という3つの要素が重要であることを別稿で書いています。その中でも、自律性はバランスが難しい要素であると言えます。しかし、そのバランスを絶妙にとっている企業があります。それはディズニーです。

 そこで、今回はディズニースタイルとも呼べる、ディズニーで実践されている自律性のバランスのとり方について書いてみたいと思います。

  ディズニーのスタッフは、カストロールと呼ばれる清掃員に至るまで、皆高いモチベーションを持って仕事をしていることは、ここで改めて言うまでもないかと思います。そして、同時にアルバイトに至るまで現場スタッフは高い自律性を持って日々の業務にあたっています。

 

 一つの例を挙げると、先の東日本大震災の時に東京ディズニーリゾートでも大きな揺れを感じ、スタッフは客たちを建物の外の安全な場所に誘導しました。しかし、3月とは言えまだ寒い時期であり、避難した人たちは外で震えていました。また、状況が掴めず待機が長時間に及んでいたので、子供を中心に飲み物や食べ物の心配もありました。

 そんな時、スタッフたちはショップの中にある毛布やぬいぐるみを持ち出して非難している人たちに配り始めます。少しでも、寒さをしのぐためです。また、別のスタッフはクッキーなど商品を配っています。実はこれらの行動は、本部等に問い合わせることなく、現場の判断で行われたことです。

 また、その後別の場所に避難を行うときも、通常の経路では安全が確保できない、遠回りになると判断したケースでは、バックヤードを避難経路としました。夢の国であるディズニーにおいてバックヤードは客に最も見せてはならないものです。しかし、ここでも客の安全を最優先にして、現場の判断で実行されました。

 

 この例以外にも多くの同様の事例がディズニーでは日常的に行われています。それも混乱をきたすことはなく、また、当然ながら後日お咎めを受けることもありません。

 

 なぜこんな状況が実現できるのでしょうか。

 それは、スタッフ全員の自律性が極めて高いからです。

 

 その背景には、二つに重要な要素が関係しています。それは、「明確な判断基準」と「優先順位の明示」です。ディズニーにおいて客の安全には文字通り何にも代えがたい、最優先事項として定義されています。したがって、先の例においても、損失や秘密の暴露などは通常状態では優先順位は高いですが、最優先事項である客の安全が脅かされる状況では比較の対象にならないということが徹底されているからです。だからこそ、スタッフたちは安心して自律的に判断して、行動することができ、それが大きなモチベーションを生んでいるのです。

 

 自律性のコントロールは確かに容易ではありません。しかし、これら「明確な判断基準」、「優先順位の明示」という二つの要素を徹底するだけで大きな効果を得ることができます。そして、それによって、やらされ仕事感が消えるのです。

 

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