漢方を用いた体の内側から日焼け後のしみ・くすみ対策
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もうすぐ夏本番ですね!
夏が近づくと日焼けが気になります。
日焼けはしみやくすみの原因となるだけではありません。
放置しているとアレルギー性皮膚炎や湿疹など様々な皮膚疾患の増悪を招くことになります。
また、長期間紫外線を浴び続けると、皮膚がんの発生原因になることもあります。
たかが日焼けとせずに、対応を心掛けたいものです。
数年前より、『飲む日焼け止め』というサプリメントがいくつかあります。
しかし、日焼け対策の基本は紫外線を浴びないことです。
日傘を使い、適切な日焼け止めを肌の露出部に塗って、日焼けの原因となるメラニン色素に紫外線が届く量を減らします。
これが何よりも大切です。
その上で漢方により体の内側から、日焼けによる肌のダメージを早く回復させるのが『飲む日焼け対策』になります。
日焼けを漢方で考える
日焼けをした状態は、身体に余分な熱がこもります。
これを取り除いて日焼けの被害を防ぐという考え方で、身体表面を冷やす役割を持つ生薬を使います。
身体を冷やす生薬
冷ます生薬としては、
- 鉱物である石膏(せっこう)
- ユリ科の知母(ちも)
- 黄連(おうれん)、
- 黄芩(おうごん)
- 黄柏(おうばく)
- 血流の改善を司る地黄(じおう)
などがあります。
これらの生薬が配合された漢方を、日焼けをした当日およびその後の数日に使っていきます。
なるべく早く身体を冷まし、日焼けによる肌のダメージの軽減を計ります。
日焼けに使う漢方薬 日焼け当日~数日以内
1.白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
石膏を中心としたお薬です。
古典によれば、何らかの病気にかかった後に発汗したがまだ治らず、体の芯に熱をもって、しかも口渇がひどいような場合に用いられました。
つまり、急性感染症や熱中症などによるいわゆる脱水状態に用いられていました。
現在は点滴などにより適切な治療ができるので、「口渇」「ほてり」を伴う状態に応用して使われます。
熱中症対策として、水分補給の際のペットボトルの水の中に「白虎加人参湯」を溶かして入
れておくと、「暑気あたり」の軽度の場合には有効です。
熱がこもるような慢性疾患にも応用できるので、アトピー性皮膚炎の増悪時で熱を持っている場合などにも使えます。
「暑がり」にともなう多汗症にも使います。
「涼しいところで一人だけ汗をかいている」というような更年期症状の頑固なほてりを伴う汗には「白虎加人参湯」を用いることが多いです。
夏に「暑くて寝られない」という方には寝る前に服用してうまくいくこともあります。
2.黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
黄芩、黄連、黄柏に同じく冷ます作用のある山梔子(さんしし)=くちなしを加えたお薬です。
この漢方薬は本来は比較的体力のある実証タイプの人で、のぼせ・顔面紅潮・イライラなどの精神症状を呈し、心窩部の膨満感や出血傾向・皮膚の発赤などを伴う慢性疾患に使われます。
日焼けによる余分な熱が皮膚の炎症を引き起こすため、炎症を抑える効果を狙って使用します。
3.三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)
血流改善効果の地黄に冷ます効果の黄芩、皮膚の炎症に効果のある苦参(くじん)を加えた3種類の生薬でできた漢方です。
熱をさます作用があり、手足のほてりをとり除きます。
体力が中くらい以上の人で、不眠や頭痛、口渇を伴うときに、また、皮膚の発赤や熱感、カユミがあるときにも適します。
日焼けに使う漢方薬 日焼け後数日以降
日焼けの数日後からは、シミやくすみの対策が重要です。
シミやくすみは漢方では瘀血(おけつ=不要な血が滞って害悪をなす状態)、血虚(けっきょ=血の巡りが悪い状態)によって起こると考えます。
シミやくすみを軽減する漢方を紹介していきます。
1.桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
最も瘀血に対する効果が高く、薏苡仁(よくいにん=ハト麦)が皮膚の状態を整えてくれます。
2.温清飲(うんせいいん)
先ほど紹介した日焼けの初期に使う黄連解毒湯に地黄などを配合した「四物湯(しもつとう)」を併せたお薬です。
日焼けによるシミに効果的です。
温清飲は本来月経異常などに使われる漢方ですが、日焼けやアトピー性皮膚炎による色素沈着にも有効です。
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