鬼滅の刃 第23巻-あらすじ&感想-

鬼滅の刃 第23巻-あらすじ&感想-

急速に老化し始めた鬼舞辻 無惨の肉体。死に物狂いで技を繋げる鬼殺隊士達。そして・・・夜が明ける。


~ 弐拾参 ~

「鬼殺隊は今日で解散する」

【前巻まで】胡蝶 しのぶと珠世の執念の結実である薬によって、急速に老化を始めた鬼舞辻 無惨の肉体。そこに追い討ちを仕掛けるように、仇敵・縁壱によって斬られた古傷が浮かび上がる。

第23巻 ~幾星霜を煌めく命~

【堂々完結の最終巻】

鬼滅の刃 第23巻
掲載週間少年ジャンプ
著者
評価★★★★★

急速に肉体が老化し始めた鬼舞辻 無惨に追い縋るべく、炭治郎のみならず、とうに体力の限界を迎えた善逸や伊之助までもが不完全ながらも技を繋ぎ続ける。

- もう これ以上 俺は技を出せない -

「限界の限界」を悟った炭治郎は、後は陽の光に当てて焼き殺すしかないと判断し、無惨の胴体を刺し貫いて建物の壁に釘付けにする。間を置かずして不死川 実弥も加わり、同様に無惨の腕を壁に刺し止める。

「夜明けだ!!」

不死川の声に振り向いた無惨の眼に、山影から顔を出した朝日が映る。

総力戦

陽の光によって身体の表面が焼け始めた無惨は、焼き尽くされるまでの時間を少しでも伸ばすべく、急激に全身を膨張させて巨大な赤子の姿になって逃げ惑う。地面を這いながら逃げる無惨を追って、もはや失血死寸前で技の威力など望むべくもない柱達が、それでも、ほんの僅かでも、無惨の力を削ごうと必死に技を繰り出す。

そればかりか、それまで戦いの行方を見守っていた”隠”(かくし)達までもが、ある者は車で突っ込み、そして、ある者は路面電車を横転させて行く手を阻み、文字通り一丸となって無惨をその場に押し留めようと試みる。

- もう 全員が限界だ -

悲鳴嶼が無惨の身体に絡めて引き留めていた鎖が千切れた、その瞬間に、断末魔の叫び声を上げた無惨の身体は粉々に砕け散った。

解説と感想

さて、上記の あらすじですが、実を言うと本23巻の前半にも満たない1/3程度の部分しか書いていません。

と、言いますのも、無惨の身体が太陽の光に焼かれて完全に崩れ去ったのは間違いのない事実なのですが、その直後に、ジャンプ本誌読者の誰もが予想し得なかった、まさかの「大どんでん返し」が待っていたからです。

その部分までネタバレしてしまうのは、あまりにも不粋ですので、是非とも本巻を実際に手に取って、ご自分の目で確かめて頂きたいと思います。
ワタクシ個人の感想といたしましては、全鬼殺隊士ばかりか、”隠”までもが総動員して無惨の前に立ちはだかったのが、本当に感動的でした。

誰一人信用せず、配下の鬼すべてに”呪い”を組み込んだばかりか、幹部である”上弦”の鬼に副官を付ける事さえしなかった無惨とは、実に対照的であります。

これまで、一対一の戦いに於いては当然の事ながら人間より鬼の方が強かったワケですが、柱どころか剣士ですらない”隠”の面々が、鬼の首領である鬼舞辻 無惨と直接対峙するなど、まさか夢にも思わなかったことでしょう。

それは無惨自身も同様で、これまで”脅威”として認識してきたのは精々が柱だけであり、まさか鬼の首領である自分が剣士ですらない末端の人間にまで追い立てられる日が来るとは、やはり夢にも思わなかったことでしょう。

そんな両者の勝敗を分けたのは…そう、やはり”覚悟の深さ”ではないでしょうか。

もちろん、人間一人の力など、たかが知れていますが、より大きな共通の目的の為に人々が個人的な利害を超えて団結した時に、歴史さえ動かす程の大きな力となる事は、我々が暮らす現実世界で何度も起こった”事実”です。

個人主義が言われて久しい現代社会に於いて、今一度、共に手を取り合って大いなる脅威を乗り越えてゆこうと訴える団結の象徴として、本作品は今後も引き合いに出される事でしょう。

✅作中最功労者や作中最強技などの総まとめは、下記記事を参照願います。

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【前巻】鬼滅の刃 第22巻 ~廻る縁~