一般NISAにぶちこむのは高配当株or無配当株のどちらがいい?

 

つみたて次郎です。

投資をする目的は人それぞれですが、究極的には税引後リターンを最大化するという点に集約されます。

税引後というのが非常に重要ですね。個人投資家でできる節税スキームには限界がありますので、多くの人にとっては以下のような税制優遇制度をフル活用するのが近道になると思います。

 

・一般NISA
・つみたてNISA
・ジュニアNISA
・個人型確定拠出年金(iDeCo)

 

この中で今回は、一般NISAに焦点を当てて考察していきたいと思います。

当ブログではつみたてNISAに関する話題が多いですが、一般NISAのほうが投資可能額が120万円と多く、投資先の制限が緩いこともあり自由度が高いです。

個別株や海外ETFをぶちこむことができ、配当金や分配金にかかる税金がタダになるのも大きな魅力の一つです。

しかし一般NISAの制度設計上、配当狙いの銘柄をぶちこむのは税制上不利となっています。

その理由等について、簡単なシミュレーションを交えて解説していきます。

 

 

シミュレーション前提

 

以下のようにリターンが同じで配当利回りが異なる2つの米国株があると仮定します。

 

〇米高配当㈱
・値上がり益は年間4%
・配当利回りは年間3%

 

〇米無配当㈱
・値上がり益は年間7%
・配当利回りは年間0%

※いずれも税引前。

 

どちらも税引前の期待リターンは7%となっています。

そして、以下のような2パターンで両方の銘柄を保有することにします。

 

〇シミュレーションA
・一般NISAで米無配当㈱を120万円投資
・特定口座で米高配当㈱を120万円投資

 

〇シミュレーションB
・一般NISAで米高配当㈱を120万円投資
・特定口座で米無配当㈱を120万円投資

 

ようするに米無配当㈱に120万円・米高配当㈱に120万円…合計240万円分投資するのは共通で、一般NISAと特定口座どちらにぶちこむかが違うという話です。

その他の細かい条件は以下の通りです。

 

・各銘柄120万円(合計240万円)の投資は年初に一括で行う。
・米高配当㈱の配当金は即座に再投資する。
・Aにおける米高配当㈱の配当金は特定口座で再投資する※
・一般NISAにおける国内配当課税は0%とする。
・特定口座における国内配当課税は20%とする。
・どちらの場合でも米国配当課税は10%とする。
・一般NISAにおける売却益課税は0%とする。
・特定口座における売却益課税は20%とする。
・外国税額控除は考慮しない。
・5年後の税引後トータルリターンを比較する。

※一般NISAの投資可能額120万円から溢れてしまうため。

 

いずれも現実に即したシミュレーション前提だと思います。

一般NISAの非課税期間は5年ですので、5年後の優劣を比較するのが単純明快です。

 

シミュレーション結果

 

それぞれ5年間運用した場合の結果は以下のようになりました。

いずれも税引後の元利合計を表しています(単位:万円)

思ったよりも差がつかなくて草

興味深いのは、1~2年目はBが有利→3年目は互角→4~5年目はAが有利と途中で逆転している点です。

計算上のズレによるものかと思いますが、保有期間が長くなるほどAが有利になるのは間違いなさそうです。

 

期待リターンが同じであれば、配当利回りの低い銘柄を一般NISA・配当利回りの高い銘柄を特定口座で保有するのが最適解という事になります。

 

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シミュレーションAのさらに有利な点

 

上記以外にも、シミュレーションA(無配当をNISA・高配当を特定)が有利な点が2つほどあります。

 

外国税額控除が使える

1つ目は、外国税額控除の面です。

特定口座で保有している銘柄の配当金については、二重課税分を確定申告で一部取り戻せる可能性があります。

今回の場合は米高配当㈱の配当にかかる米国課税分10%ですね。

一般NISAの場合、国内課税分が0%…つまり二重課税ではないので関係ありません。

今回の例においては米高配当㈱を特定口座で保有した場合のみ外国税額控除を利用できるということになります。

つまりシミュレーションAは外国税額控除が使える可能性があるという面でシミュレーションBより有利という事になります。

それに対してシミュレーションBは米高配当㈱を一般NISAで保有しているため、外国税額控除を使うことができません。

 

 

より多くの額をロールオーバーできる

2つ目は、ロールオーバーの面です。

それぞれの一般NISA口座5年目を見ると、シミュレーションAが168.3万円・シミュレーションBが165.7万円となっています。

一般NISAにはロールオーバーを利用することで、非課税期間が終了した分を再度一般NISAの枠に120万円を超えた部分も含めてぶちこむことが可能です。

なので一般NISAは非課税期間終了時点の評価額が高いほど、次のNISA枠も有利に活用することができます。

期待リターンが同じであれば、配当利回りが低い銘柄ほど評価額が高くなりますので、低配当株を一般NISAにぶちこんだ方がオトクということになります。

 

 

現実的な口座との兼ね合い

 

今回のシミュレーション結果を考慮すると、GAFAMのような低(無)配当株は一般NISAにぶちこんで優良高配当株は特定口座にぶちこむべし…と言いたいところですが、現実的にはいくつか問題があります。

まず、一般NISAはある程度期待通りに増えないと節税メリットを活かせないという制度設計になっています。

5年後に評価額が120万円より下がってしまった場合、その低い金額で特定口座に移管されてしまうため将来値上がりした際の売却益課税が増えてしまいます(´・ω・`)

さらに120万円以下であればロールオーバーするメリットも消えてしまうので、ようするに一般NISAは5年後の評価額次第で運命が決まる制度といえます。

そのため、単に評価額が爆上げしそうな銘柄をぶちこめばいいわけではないというのが難しい所です。

このあたりの葛藤についてはROKOHOUSEの記事が分かりやすいのでぜひご覧ください(唐突な宣伝)

外部リンク…最もNISA向けの米株銘柄とは?
外部リンク…可変レバレッジド・ポートフォリオが優秀なもう一つの理由

今回のシミュレーションでは米高配当㈱も米無配当㈱も安定して年間7%のリターンを生み出してくれましたが、現実的にはバラツキがあります。

なので分散してリスクを抑えるという観点から考えれば、一般NISAに60万円ずつ・特定口座にも60万円ずつというのが一番無難という事になります(一般NISAも特定口座も同じポートフォリオ)

 

 

NISAと配当まとめ

 

本記事の要点をまとめると以下の通りです。

 

・期待リターンが同じなら一般NISAには低(無)配当株を優先してぶちこんだほうがいい。
・その一方、分散投資の観点から見れば一般NISA口座内でポートフォリオを完結させた方が良い面もある。
・少なくとも「NISAには高配当株をぶちこんだほうがオトク」という通説は税制上はむしろ逆。

 

こんなところでしょうか。

節税メリットの期待値を取るか、節税額の安定を取るかという感じですね。

ちなみにレバレッジETFをぶちこむのはもろに前者といえます(笑)

余談ですが、元々ポートフォリオ全体を高配当株にしようと考えている人であれば一般NISAに高配当株をぶちこんでも全然問題ないと思います(一般NISA>特定口座であることに変わりはないから)

あくまで高配当株も低(株)配当株も両方保有するつもりの人が、どのようなバランスで一般NISAと特定口座にぶちこんでいくかという話ですからね。

自身のポートフォリオとNISA等の各種制度をうまく活用して、理想的な運用方法を探していきたいですね。

2024年からは新しいNISAも始まりますので、また考えることが多くなりそうです(白目)

参考記事…【悲報】NISA×2階建て【20万+102万】

 

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一般NISA爺

 

一般NISAにぶちこむのは高配当株or無配当株のどちらがいい?” に対して1件のコメントがあります。

  1. ヨナ より:

    無配当株を一般NISAに入れるのは私もやっています。
    あと、BTIやNGGのようにADRで配当非課税の株や日本株もメリットありますね。5年後に成長しているかどうかは微妙なところかもしれませんが。
    5年という短さを考えると積立NISAに移ろうかと迷っています。

  2. つみたて次郎 より:

    >>ヨナ様

    外国課税がない銘柄であれば外国税額控除のくだりは関係ないですからね(実質的な利用枠が減るという問題は変わりませんが)

    単純な節税額の期待値であれば積立NISAのほうが有利なので、投資対象が制限されるというデメリットを受け入れられるかどうかがキモですね。

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