元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

「中国在住」を卒業することにしました

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皆さん、お久しぶりです。

 

「中国在住」を卒業しました


前回のエントリーから約3か月ということで、私がコロナに罹って大変なことになっているのではないかと心配してくださっている方はいらっしゃらないかとは思いますが、元気だけが取り柄の私は今日も元気です。あの後、巨大な空港や主要な鉄道の駅等、いかにもコロナがいそうな、というかいないはずがないであろう場所に出入りしていますから感染はしたかもしれませんが。


とりあえず北京から出るだけでも大変でした。PCR検査を複数回受け、色んな場所で何度も何度も陰性証明を見せろと言われ。そりゃこれだけ厳格に対応していればコロナの封じ込めも可能だろうなと。


最近の私ですが、諸々の手続きを経て退職し、無事に引っ越しも済み、現在は以前とは異なる全く新しい環境で生活をしています。こんな社会情勢ではありましたが、何とか仕事も見つかりました。相変わらず薄給かつ不安定な非正規雇用ですが。


私は相変わらず社会の底辺以外の何者でもありませんが、それでも以前よりはまともな生活ができている気がします。実は私の家には、なんとエアコンがあるんです! すごくないですか? 北京の家にはエアコンがなくて夏は毎晩のたうち回っていましたが、今では暑さで困ることもありません。新しく生じた悩みは、40℃近い環境でもエアコンがないのが当たり前の生活を何年も続けた結果、エアコンを使うとお腹が壊れるようになってしまったことです。最近では徐々に慣れてきましたが、新生活を始めて最初の数週間は下痢が止まらず苦労しました。あとは、安月給のせいで相変わらず貧乏ですが、北京にいた頃の年収150万円に比べれば給料は増えました。現在は年収200万円は多分超えているかと思います。これからコツコツ頑張って働いて、給料アップを狙いたいなと。目標は年収300万円!


ということで、私はこれにて「中国在住」を卒業することにしました。あの、あれです、ステージにマイクを置く感じのやつです。


ブログのタイトルも変更しました。前々から検討していたことではあったのですが、誹謗中傷コメントが多かったので、コメント欄は閉鎖することに決めました。


私は今後、行方を晦ますことにします。探さないでください。あの、あれです、食卓の上のあの小さな置き手紙的なやつです。

 

中国ではコロナは終息?


現在の中国の様子ですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題に関しては、ほぼ終わった話と言っても過言ではないかと思います。国内の市中感染による新規感染者は連日ゼロです。毎日10人程度は感染者が見つかっていますが、それらは基本的に空港検疫で引っかかった人たちであり、中国で感染した人たちではありません。また、感染が発覚すれば厳格な隔離がなされますから、外国から持ち込んだとしてもそれが国内で広がることはまずありません。


したがって、中国におけるコロナ事変は「収束」に向かっているというよりは「終息」したという言い方の方が正しいかと思います。小中高はもちろんのこと、日本とは異なり大学も正常モードに戻り当たり前のように対面授業が行われています。

 

入国制限問題


ということで、中国国内だけ見たらコロナはほぼ終わった話なのですが、国を跨ぐ移動の制限に関しては依然厳格なままです。日本人への就労ビザ及び親族訪問のためのビザの発給は再開していますから、ビザを取得して渡航の少し前に中国大使館指定の機関でPCR検査を受け、陰性証明を所持すれば渡航自体は可能です。しかしながら、中国に着けばホテルでの14日間の隔離生活が待っていますし、現在中国に行ってしまうと一時帰国が長期間に渡ってできなくなる可能性が高いです。日本で14日間、中国に戻ってくればまた14日間の隔離が待っているわけで、合計で少なくとも28日間の休暇が取得可能な社会人など基本的にはいないからです。


そんなわけで、あとはどのタイミングでその14日間の隔離義務を撤廃するかという問題に尽きるのかなという気がします。もう少しで中秋節及び国慶節の連休ですが、まず無理でしょう。となれば、撤廃の機会としては来年の春節の前辺りでしょうか。そこでもダメな場合、PCR検査の陰性証明どころかワクチン接種が隔離免除の条件になったりするのかもしれません。もしそうだとして、治験による安全性の確認が不十分で効果も限定的であることが既に分かっているワクチンの接種を強要するのも、コロナと同等もしくはそれ以上にリスキーな話だなと私には思えるわけですが。

 

遠くなった「海外」


兎にも角にも、「海外」が本当に遠くなってしまいました。


昨年までは、旅行会社のパッケージツアーを利用すれば国内旅行よりも安く海外旅行に行けたりしたのに、、、


アメリカでは現在人種差別問題が話題になっているようですが、いわゆる多様性(ダイバーシティ)に対する日本人の理解は今後どんどん退化していく気がします。欧米諸国の中にはもはや強制隔離のような厳しい制限は課していないところも多いわけですが、日本と中国に関しては実質的に鎖国をしているようなものですから。


諸々の分野で日本が衰退の一途を辿る中、国際社会で活躍できる国際人材の育成が急務であるにも関わらず、日本人の行き過ぎた保守性が日本をさらなる孤立へと導いているのです。中国に関しては、厳格過ぎるコロナ封じ込め政策に没頭した結果、政策決定サイドは身動きが取れなくなってしまっているのだと思います。仮にコロナが新種のインフルエンザのようなものだったとして、「封じ込める」という方針自体がそもそも間違いであるわけですから。


私は、普段特に若い人たちには、どんどん海外に出て「異物」に触れるべきだと言っています。そうすれば次回触れた時に異物だとは思わなくなるので。異物と言っているのはもちろん、人種とか言語とか文化とか、とにかく自分が今まで触れることのなかった全ての「違う物事」という意味です。それが実質的に「不可能」になってしまった現状が残念に思えてなりません。


こういう文章を書いていても、なんだか最近ではもう、私もあまり気持ちが入らなくなってきてしまいました。そのくらい、私自身、疲弊しているのかもしれません。


こんな未来がやって来るとわかっていたら、私だってあえて海外には出なかったかもしれないわけで。