昨年末、バタバタしている間に、新薬がけっこう発売されていました。

注射薬が多く、どのくらい処方されるか微妙ですが、サラっとでも頭に入れておきましょう。

 

今回は、新規気管支喘息治療薬テゼスパイアです。

テゼスパイアは、最近続々と発売されているバイオ製剤(注射薬)です。

 

 

難治性の気管支喘息に新たな生物学的製剤:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

テゼスパイアはTSLPを標的とするヒト抗TSLPモノクローナル抗体ですが、TSLPって何でしょう?

 

炎症カスケードの起点となる胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、主として上皮細胞から生産されるサイトカインであり、呼吸器感染症、アレルゲン、たばこ、排気ガス、冷気などの外的因子の刺激によって産生が亢進される。TSLPは、獲得免疫細胞への作用(Th2細胞の分化)および自然免疫細胞への作用(2型自然リンパ球[ILC2]の活性化)を介してアレルギー性炎症など複数の炎症経路を活性化すると共に、気道過敏性を誘導し、重症喘息患者の増悪に関与していることが報告されている」

 

次にインタビューフォーム掲載の図を掲載します。

 

これまでのバイオ製剤は、IgEやIL類など、炎症カスケードの下流で働く分子の働きを抑えるものでした。今回のテゼスパイアは、炎症カスケードの起点となる分子の働きを抑えるところが、大きく異なる点です。

 

ここで、気管支喘息に適応のあるバイオ製剤の一覧表を載せておきます。

 

 

用法・用量は表を参照してください。なお、現時点では、自己注射できるのか不明です。

もう少ししたら情報が入ると思いますので、その時に再度確認をお願いします。

 

注射薬ですが、メーカーのHPを探しても、使い方の詳細に触れたものがありませんでした。

針が付いているシリンジですので、使い方は難しくないと思います。

 

それでは、添付文書から注意点を抜粋します。

 

【効能・効果に関連する注意】

最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。

 

【重要な基本的注意】

 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。

 

【特性の背景を有する患者に関する注意】

・長期ステロイド療法を受けている患者

本剤の投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。

 

・寄生虫に感染している患者

本剤の投与開始前に寄生虫感染を治療すること。また、患者が本剤投与中に感染し、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、本剤の投与を一時中止すること。本剤は胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、TSLP受容体との相互作用を阻害する。TSLPは、一部の寄生虫(蠕虫)感染に対する免疫応答に関与している可能性がある。

 

・小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

 

【重大な副作用】

・心臓障害(頻度不明)

長期の海外臨床試験において、プラセボ群と比較して本剤群で、冠動脈障害、不整脈、心不全の発現頻度が高かったとの報告がある。

 

その他は添付文書・インタビューフォームなどを参照してください。

 

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