12月20日に新規成人T細胞白血病リンパ腫治療薬エザルミアが発売されました。

 

 

正直、白血病の病態分類について、私は把握していません。

何回かこのブログでも書いたように思いますが、全く頭に入りません。

薬局薬剤師の立場で、どこまで知っておくべきかは微妙です(知っておくに越したことはない)。

 

白血病の分類については、以下のところに記載があります。

3.白血病の病態と分類|白血病|治療・研究|JALSG

 

もう、複雑すぎるでしょ。ここは思い切ってスルーします。

 

以下に「日経メディカル」のリンクを貼ります。

成人T細胞白血病リンパ腫に初のEZH1/2阻害薬:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

エザルミアは初のEZH1/2阻害薬とのことですが、ここもリンク先で確認してください。

がん専門薬剤師でないかぎり、ここまで専門的な知識は不要かと思いますが…(苦笑)。

 

しかし、投薬する可能性はあるので、薬剤の特性はしっかり押さえましょう。

さっそく薬剤情報に行きます。

 

 

○エザルミア錠50mg、100mg(バレメトスタットトシル酸塩)

 

【効能・効果】

再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫

 

【用法・用量】

通常、成人には200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

 

【用法・用量に関連する注意】(抜粋)

・食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。

 

「服薬指導のエッセンス第4版」表2-4に追加をお願いします。

 

・強いCYP3A阻害剤又はP糖蛋白(P-gp)阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること。

 

CYP3A阻害剤又はP-gp阻害剤との併用時の用量調節基準

併用薬剤

本剤の投与量

200mg

150mg又は100mg

50mg

強いCYP3A阻害剤

100mgに減量すること

50mgに減量すること

本剤を併用しないこと

P-gp阻害剤

強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤

50mgに減量すること

本剤を併用しないこと

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)

・重度の肝機能患者患者→本剤は重度の肝機能障害を合併する患者を対象とした臨床試験は実施していない。本剤の主たる消失経路は肝臓である。

 

妊娠可能な女性→本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

パートナーが妊娠する可能性のある男性→本剤投与中及び最終投与後一定期間(本剤投与中及び投与終了後 3 ヵ月間)はバリア法(コンドーム)による避妊を指導すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

※避妊すべき薬剤は「服薬指導のエッセンス第4版」表12-1として掲載していますが、抗がん薬はほぼ該当するので、詳細を記載していません。男性も注意が必要な薬剤は(注釈)に記載していますので、追記をお願いします。

 

注3)抗がん薬には「男性への避妊」を促す薬剤もある(精巣や精子への影響):アイクルシグ、アルケラン、アルンブリグ、イブランス、ヴァンフリタ、エザルミア、エンドキサン、ジェセリ、ゼローダ、ゾスパタ、タグリッソ、タフィンラー、タブレクタ、テプミトコ、ハイドレア、ハイヤスタ、ベネクレクスタ、ベプシド、ペマジール、リムパーザ、レットヴィモ、ローブレナ、ロズリートレクなど。

 

【相互作用】

本剤は主にCYP3Aによって代謝され、P-gpの基質である。また、P-gpの阻害作用を示す。

・併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤

  • イトラコナゾール
  • クラリスロマイシン
  • リトナビル等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

強いCYP3A阻害剤

  • ポサコナゾール
  • ボリコナゾール等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

P-gp阻害剤

  • キニジン
  • ベラパミル
  • カルベジロール等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

中程度のCYP3A阻害剤

  • フルコナゾール
  • エリスロマイシン
  • ジルチアゼム等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

強い又は中程度のCYP3A誘導剤

  • リファンピシン
  • フェニトイン
  • エファビレンツ等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

P-gpの基質となる薬剤

  • ダビガトランエテキシレート
  • ジゴキシン
  • フェキソフェナジン等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。

本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

 

「服薬指導のエッセンス第4版」表1-2にクラリスロマイシンとの併用に注意すべき薬剤を掲載しています。追加してください。

 

【副作用】→添付文書・インタビューフォームを参照

 

【適用上の注意】(抜粋)

本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

 

「服薬指導のエッセンス第4版」表4-3に一包化を避けるべき薬剤を掲載しています。抗がん薬については、(注釈)に記載してますので追記してください。

 

(参考)添付文書上、「湿気を避ける」と記載のある抗がん薬:アフィニトール、ヴァンフリタ、エザルミア、ニンラーロ、ファリーダック、ベレキシブル、リムパーザ、レンビマなど。

 

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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が

2021年8月26日に発売されました。

自費出版のため、広告媒体がありません。

販売開始後1年以上経ちますが、まだ在庫があるようです😊

もし、よろしければ、周りの人にお勧め下さい。

今後もよろしくお願い致します。

 

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