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嫌われトールの一日 [サンプル生育歴]

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「ホントにアンタはなまっちろくてしょうが無いね、情けない。腕なんか棒みたい。三上君見て
ごらん。あんなに元気いっぱいで。アンタもチョットは見習いなさい



「おかあさん。我が輩養命酒飲むよ
「なんでそんなモン飲む必要があるの。そんなモン必要無いでしょ!」小学1年秋






またオニババが坂の上で腰に手を上て仁王立ちだ。
「トーールーー、今何時だとおもってるのー!ゴハンの前に帰ってきなさいって言ったでしょーーー」



遙か向こうなのに、でかい声で怒鳴ってる。



帰りたくないけど帰らなきゃいけない。ああ、だんだん近づいて来た。
「コラッ!トール!」「・・・」 小学2年の春から小学3年の秋まで何度も何度も






「トール。なんでこういう事をするの」両肩をガッチリつかまれ顔を近づけ何度も言う。
「グニャグニャしてないでキチッと立ちなさいキチッと」顔に息が掛かるのでなんとかよけようとする。
「どうしてキチッとしないの。顔こっちに向けて。お母さんの顔見なさい
息を止めて何とか顔を正面に向けたふりをする。
「もおしない?」「ぅ・」
「キチッと顔上げて、お母さんの目を見て返事をしなさい」「うん」顔に息が掛かるのが嫌で嫌で嫌で嫌で、
キチッとお母さんの目を見て答えろが一番こたえるよな。4才児の頃からずっと。






私小学2年、長女小6でカナリヤを買って貰う。多分性教育の為だね。

「お母さん。じゃあ我が輩は鳩飼っていい?」「いいよ。4年生になったらね」
「お母さん。4年生になったら鳩飼っていいんだよね」「そうだね」小3の春
「お母さん。4年生になったら鳩飼っていいんだよね」「5年になったらね」小3の3学期
「お母さん、5年生になったら鳩飼っていいんだよね」「・・・」小4の夏
「お母さん、5年生になったら鳩飼っていいんだよね」「・・・」小4の終わり
「お母さん、5年生になったから鳩飼っていいんだよね」「もうチョット待ちなさい」小5の5月

「お母さん、5年生だから鳩飼っていいんだよね」
「世話も出来ないくせにドーすんだ!ドコに鳩小屋建てるんだ!」






何もレース鳩に憧れて、レースさせようなんて言うんじゃ無い。小学2年の時は何も飼う事を許され
ないけど、小学4年になったら鳩を飼える程大人になる。飼っても良い権利を認められたかった
だけで、別にどうしても鳩が欲しい訳じゃ無い。






だから、何度も何度も何度も何度も、飼っても良い立場になったのか確認をしているのに、
突然キレられてもこっちが困る。






今、考えてみれば、子供相手の軽口がとんでもない事になって、毎日毎日毎日毎日プレッシャーを
掛けられるんだから、いい気はしないだろう。こっちは本物の自閉症だから忘れないしね。






だからと言うか、私自身全く前後の脈絡を全く思い出せないが、忘れない言われた事と言うのもある。






「ほんと、アンタはキーキー女みたいな甲高い声を出して気持ち悪い。男って言う物はペラペラ
しゃべるモンじゃ無い。男は黙ってサッポロビール。少しは黙ってなさい」小4






「お母さん、少年合唱団っておんなみたいで気持ち悪い声だよね」
どーして。綺麗な声でしょう。だれが気持ち悪いの」小4






「一銭も稼げないくせに何言ってんだ!」
母親の背に向かって何か話していたら突然大声で叫んだ。






小5の参観日にはこんな事があった。大阪とは違い参観する親はたった4人。授業の演目は
「お父さんと遊びたい」教師の問いかけに、予定調和の子供の答えが続く。

「お父さんとキャッチボールがしたいです」
「お父さんとトランプして遊びたいです」






嘘くさくって私が手を上げた。「はい」「やまぎしさん」






「別にお父さんに遊んで欲しくありません」
「ハイッ!ハイ!この子は知らないんです。この子の為にわざわざ東京から遊んでくれる人を呼んで 遊んで貰っている事を知らないんです!」

( おおっスゲースゲー。 山岸のかーちゃんだろー?ヤマギシヤマギシ。だれ?だれっ? )






「・・・・・はっ、・・・おかあさん。ここはチョッと。今は・・」「‥いいです」

私はうつむいて座るしか無かった。






それにしてもスゲー家だな。東京から遊んでくれる人を呼ぶなんてどんな家なんだ?そんな家
あるかよ。嘘なんだよ






その授業参観の日、暗くなっても母は帰って来ない。

「トール君何やったの?おかあさん一番最後に残されてるんだよ。だから遅いんだよ。なんか先生に
言われてるんだよ」カーコが脅す。






母が凄い勢いで歩いて帰ってきて、凄い勢いで玄関の扉を開けた。

「トール!何が言いたいの!言いたい事があったら言いなさい!」

凄い剣幕だ。目が本気でつり上がってる。それで思わず言いたい事を言ってしまった。






「おかあさん!くち臭い!」






あの剣幕が嘘の様に静まりかえり、それで何故か終わった。






実は、終わったようで終わりでは無かった。






毎日、何が楽しいのかと思う程の食い物のイジメに加え、今度は毎日、
「トール。口臭いよ。歯みがいたの、気をつけなさい」が追加された。






これも本当に熱心で、親子の縁を切るまで続いた。妻が良く知っている。もし親子の再会をしたら、
先ず言われる。「トール、口臭いよ」間違い無い。



【自閉症テレビ27】昔神経質今感覚過敏


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