BackEnd

Goのfmt.print系関数のまとめ

投稿日:2022年7月18日 更新日:

はじめに

今回は、Goで最も使われている fmt パッケージの各print関数についてまとめます。

print関数の命名規則

fmt パッケージの各print関数には、大きく3つの種類があります。

  1. PrintPrintPrintfPrintln )系(標準出力へ出力する)
  2. SprintSprintSprintfSprintln )系(文字列を出力する)
  3. FprintFprintFprintfFprintln )系(ファイルへ出力する)

上記を見て分かる通り、各print関数には2つの規則があります。

1つ目の規則は、関数の先頭の文字が出力先を表しているということです。頭が「S」から始まるものは文字列を返し、「F」から始まるのはファイルへ出力し、頭に何もつかないものは標準出力へ出力します。

2つ目の規則は、関数の末尾の文字が出力方法を表しているということです。末尾が「f」で終わるものはフォーマットを指定することができ、末尾が「ln」で終わるものは出力した文字が末尾で改行され、末尾に何もつかないものは改行なしで出力されます。

各print関数の説明

各print関数の違いがわかったところで、次にそれぞれの関数について詳しくみていきます。

Print(標準出力へ出力)系関数

関数の頭に何もつかないPrint系関数は標準出力に出力します。

func Print(a ...any) (n int, err error)

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、改行なしで出力します。

出力結果は以下の通り。

このように、改行されずにすべて1行で出力されます。また、カンマ区切りで複数の値を渡した場合でも、とくにスペースなどで区切られずそのまま出力されます。

func Printf(format string, a ...any) (n int, err error)

第1引数でフォーマットを指定し、第2引数以降で渡したデータをフォーマットに沿って埋め込んで出力します。

出力結果は以下の通りです。

フォーマットの書式指定子(「%s」など)については、後ほど紹介します。

func Println(a ...any) (n int, err error)

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、末尾改行込で出力します。

出力結果は以下の通りです。

出力が改行される以外はPrint関数と同じです。

Sprint(文字列を出力)系関数

関数の頭が「S」から始まるSprint系関数は、文字列として出力します。

func Sprint(a ...any) string

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、文字列型を返します。

出力結果は以下の通り。

func Sprintf(format string, a ...any) string

第1引数でフォーマットを指定し、第2引数以降で渡したデータをフォーマットに沿って埋め込んで文字列型を返します。

出力結果は以下の通りです。

func Sprintln(a ...any) string

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、末尾改行込で文字列型を返します。

出力結果は以下の通りです。

Fprint(ファイルへ出力)系関数

関数の頭が「F」から始まるFprint系関数は、ファイルへ出力します。3つの関数はいずれも第1引数にファイル( io.Writer 型)を受け取ります。

func Fprint(w io.Writer, a ...any) string

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、ファイルへ出力します。

ここでは、ファイルの代わりに標準出力( os.Stdout )に出力しています。出力結果は以下の通り。

func Fprintf(w io.Writer, format string, a ...any) string

第2引数でフォーマットを指定し、第3引数以降で渡したデータをフォーマットに沿って埋め込んで文字列型を返します。

ここでは、ファイルの代わりに標準出力( os.Stdout )に出力しています。出力結果は以下の通りです。

func Fprintln(w io.Writer, a ...any) string

任意の数の any 型( interface{} 型)の引数を受け取り、末尾改行込で文字列型を返します。

ここでは、ファイルの代わりに標準出力( os.Stdout )に出力しています。出力結果は以下の通りです。

書式指定子の一覧

最後に、 Printf のところで触れた書式指定子について紹介します。

書式指定子はフォーマットに埋め込む際の書式を決めるものです。例えば、 %s は文字列の埋め込みに使われ、 %d は数値を埋め込むに使われます。

よく使われそうな書式指定子をいくつか紹介します。

文字列型

書式指定子 書式
%s 文字列
%10s 文字数が指定した文字数になるように半角スペースで右詰め
%-10s 文字数が指定した文字数になるように半角スペースで左詰め
%q ダブルクオートで囲って表示

整数型

書式指定子 書式
%d 整数
%+d 符号付き整数
%10d 指定した桁数で右詰め(半角スペース)
%-10d 指定した桁数で左詰め(半角スペース)
%010d 指定した桁数で右詰め(0で埋める)
%c Unicode文字で表示
%o 8進数で表示
%x 16進数で表示

浮動小数点型

書式指定子 書式
%f 実数
%.3f 小数点以下を指定した桁で丸める

その他

書式指定子 書式
%t bool型
%p ポインタのアドレス
%T 型を表示
%v any型
%+v 構造体を出力する際にフィールド名を加える
%#v Go言語のリテラル表現で情報を埋め込む

さいごに

Goで最もよく使われているfmtパッケージの各Print系関数について紹介しました。

おすすめ書籍

実用 Go言語 ―システム開発の現場で知っておきたいアドバイス エキスパートたちのGo言語 一流のコードから応用力を学ぶ Software Design plus スターティングGo言語

blog-page_footer_336




blog-page_footer_336




-BackEnd
-

執筆者:

免責事項

このブログは、記事上部に記載のある投稿日時点の一般的な情報を提供するものであり、投資等の勧誘・法的・税務上の助言を提供するものではありません。仮想通貨の投資・損益計算は複雑であり、個々の取引状況や法律の変更によって異なる可能性があります。ブログに記載された情報は参考程度のものであり、特定の状況に基づいた行動の決定には専門家の助言を求めることをお勧めします。当ブログの情報に基づいた行動に関連して生じた損失やリスクについて、筆者は責任を負いかねます。最新の法律や税務情報を確認し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

Go言語

Go 1.18のWorkspacesモードでマルチモジュール化

1 はじめに2 マルチモジュール構成2.1 非Workspacesモードの場合2.2 Workspacesモードの場合3 go workコマンド3.1 init3.2 edit3.3 sync3.4 ...

Go言語

GoフレームワークGinでミドルウェアを使ってログインAPIを実装

1 はじめに2 ログインAPIの作成3 ログインのセッション管理4 ミドルウェア4.1 gin.Default()4.2 Logger4.3 Recovery4.4 sessions5 独自ミドルウェ ...

laravel logo

Laravel Authのパスワードリセット機能をカスタマイズする

1 はじめに2 準備2.1 Auth2.2 mailhog3 ユーザー登録とログイン4 パスワードリセットのカスタマイズ4.1 ルーティング確認4.2 view編集4.3 認証処理の編集5 リセット画 ...

rails

はじめてのrails、まずはローカル環境構築してみる

1 はじめに2 必要なライブラリ・ツールのインストール2.1 homebrew, rbenv2.2 rbenv-communal-gems3 最新安定版のrubyをインストール4 bundler, r ...

Go言語

[Go初心者]Interfaceについて学習

1 はじめに2 interfaceとは3 interfaceのメリット3.1 インターフェースを使うとコードの共通化ができる3.2 インターフェースを使うと実装を隠蔽することができる3.3 インターフ ...

フォロー

blog-page_side_responsive

2022年7月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

アプリ情報

私たちは無料アプリもリリースしています、ぜひご覧ください。 下記のアイコンから無料でダウンロードできます。