衆院選で東京8区から出馬宣言していたれいわ新選組の山本太郎代表が10月11日、とつぜん出馬を撤回して波紋を呼んでいる。

これは立憲民主党の枝野代表が山本氏の出馬に苦言を呈した事を受けての出馬取り止めだと言われている。

山本氏が東京8区にこだわっていたのは、2012年の衆院選に山本氏が同選挙区から立候補して自民党の石原伸晃氏と戦い敗北した経緯によるものだとされている。

すなわち、2012年と同じ形で石原氏と選挙を戦って勝利することにより前回の雪辱を果たすという意味合いがあるわけだ。

アエラによると、山本氏の東京8区の出馬は数年前から検討されていたようで、小沢一郎ルートで立憲民主党にも話が来ており、山本氏の人気に利用して野党統一候補として同選挙区に出馬する方向で固まりかけていたという。

ところが、立憲民主党での内部調整に不手際があり、肝心の枝野代表の耳には届いていなかったようだ。

何故かと言えば、立憲民主党内には小沢グループと非小沢グループという具合にきれいに分かれていて、両者が互いに牽制し合っているのだという。

これは旧民主党政権の時から続いている醜い対立であり、党の看板が掛け替えられても、取りも直さず同じ縄張り争いに明け暮れている訳である。


かたや山本氏はすでに立憲民主党のお墨付きを貰っているものと勘違いしてサプライズ戦術でこのタイミングで出馬宣言してみたものの、一番驚いたのは身内であるはずの立憲民主党だったようだ。

立憲民主党を中核とする野党共闘は、前々から理念なき野合と思っていたのだが、ここまでお粗末な実態だとは予期していなかった。

マスコミは山本氏だけに集中砲火を浴びせているが、アエラの記事が本当ならば立憲民主党にも相当な落ち度がある。

立憲民主党からは同選挙区に吉田晴美候補が出馬する予定となっており、こうした中で山本氏がとつぜん出馬宣言したものだから、吉田陣営からも困惑と怒りの声が上がっていたという。

野党側は今回の不手際を煙に巻いて、はやく仕切り直ししたいところであるが、山本氏が今度はどの選挙区から出るのかまだ明らかにされていない。

今後も同様の調整不足が明らかになれば、マイナスイメージが先行して野党側にとっては相当な悪影響を及ぼすに違いない。