有夏チャンのこっちのおクチはウソがつけない3

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 座卓を顎でしゃくる。

 相当苛立っているようだ。

 

 有夏は気まずそうに「いただきます」と手を合わせ、箸をとった。

 

 まずは牛肉の野菜巻きからと箸を伸ばしかけたところで、幾ヶ瀬が嗚咽をあげる。

 

「牛肉がセールだったから、この前の休みに買い込んだんだよ? 冷凍しときゃ1ヶ月はもつと思って。国産だよ! セールといえど、全部でいくらしたと思う!?」

 

「知らねぇよ。故障だったら、しゃあねぇじゃん」

 

「いくらで買ったか言ってよーッ!」

 

 迫力に呑まれて有夏が口ごもる。

 

「さ、さんぜんえん?」

 

「馬鹿っ! そんなわけないでしょ。国産だよ? トータル1万円しましたよ!」

 

 アァーッ、イチマンエンッと叫んで顔を覆う。

 

 よく見れば泣いているわけではない。

 

 涙も出ないくらいショックを受けているようだ。







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