有権者C-衆院解散選挙の投票判断基準の一提案。もっと多くの人にもっとより良い社会のために。本当の希望を見分けよう。

2017年10月22日に投票がある衆議院解散総選挙は日本の将来にかなりの影響を与える大事な選挙、若い人こそ投票を。

10月22日に有権者Cはこう投票する-より多くの人により良い社会のために。

2017-10-15 09:06:37 | 日記
冷静に考えると、我々の多くは中道派・左派に含まれるはず。だから民主主義勢力かつ戦争抑止派へ一票を!

右派である自民党・希望の党・維新の会は非民主主義・好戦派・対米追随・権主義方向へ流れている。支持はできない!

前稿の結論を受け、中道派・左派支持をするために投票をしたい。具体的には―

☆ 比例区 : 立憲民主党

☆ 小選挙区 :

(立候補党派)⇒ (投票すべき党派)

自民-立民 ⇒ 立民

自民-希望-立民 ⇒ 立民

(以下は共産の代わりで、社民であっても当てはまる)
自民-希望-共産  ⇒ 共産

自民-維新-共産 ⇒ 共産


★ 党派ごとに投票すべき優先順位

①立民-②社民-③共産-⓸旧民進党右派-⑤自民左派

日本の政治思想の比較軸-自分の政治的立場を確認し、明確な理解をもって投票するために

2017-10-15 09:06:19 | 日記
3つの主な立場-(括弧)内は、各政治思想の重視する価値観

A-日本における右派(国家主義、民族主義的。国権主義的。集団主義を好む。日本の戦争参加に前向き):
自民党右派、維新の会、希望の党中枢(小池氏および、その側近)

B-日本における左派(立憲主義、国際協調主義的。民権(人権尊重)主義的。個人主義を尊重。日本の戦争参加に否定的):
社民党、旧民進党左派
(共産主義社会建設のために必要と思われる共産党一党独裁のもとでは、上記の価値観すべての実現は難しくなるので、この左派の定義からは若干外れてくる。)

C-中道派(立憲主義、国際協調主義的、民権(人権尊重)主義的。個人主義を尊重。日本の戦争参加に否定的—ここまでは左派と同じ。しかし、具体的外交・経済政策などではB-左派より現実的であることに違いがある) :
立憲民主党と、ほとんどの旧民進党右派。自民左派もこれに近い。ただし、本稿の以下のCの立場はまず有権者Cの意見を優先して記述しているため、すべてが既存の中道派の立場を反映しているわけではない。

具体的な比較軸

① 思想・信条そのものである絶対的比較軸


(1) 改憲⇔護憲
A 改憲-9条のみならず、憲法全体を変え、国権主義政体へ転換(立憲主義ないがしろ)
B 護憲-憲法は未来永劫変えない(立憲主義は固持)
C 今は護憲。国際状況の大変化と、国民に民主主義感覚(自由・平等・博愛など)が根付くことを条件に、未来の改憲は可能とする(立憲主義は固持)

(2) 国防軍⇔非武装中立
A 自衛隊を国防軍にし、個別自衛権のみならず集団自衛権の積極的行使を志向する。(その過程で侵略戦争介入の危険性あり)
B 自衛隊を解消、非武装中立。 そこまでいかなくても軍縮、平和外交に努める。
C 個別自衛権は認める。集団自衛権の行使は極めて抑制的であるべき。

(3) 北朝鮮戦争積極関与⇔北朝鮮戦争阻止志向
A トランプ米政権と同一歩調で、北朝鮮に軍事圧力をかけ続け、結果意図的ないし偶発的な開戦に至ることに躊躇しない(朝鮮半島や日本における多大な損害も厭わない)。
B 北朝鮮の挑発を非難しつつも「対話による平和的な解決」を主張する。
C 軍事圧力と対話を両方使用することには同意するが、開戦を極力避ける面ではBに近い。


② 政策に関する相対的かつ技術的比較軸(恒久的な思想・信条まではいかない)

(1) 小さな政府 (米国などでは自由至上主義とも訳される「リバタリアニズム」(個人の完全な自治を標榜し、国家や政府の廃止を理想とする)と関連がある⇔大きな政府(社会主義・共産主義はこれに近い) :この比較軸は経済的保守と経済的リベラルに相当する(注1)が、共産党独裁を理想とする共産党が大きな政府を目指す以外は、日本では絶対的な信条としては存在しない。
A 大まかにいうと、自民党右派の一部(民営化論者の小泉元総理など)、維新の会などが小さな政府志向。(この志向では減税は大きな柱だが、日本ではあまり主張されない)
B 社会保障・福祉充実が重要目標で、おおむね大きな政府志向。
C 国防・警察・教育・社会保障などの分野ごとに公共支出の大小は決定すべきで、ほぼ小さな政府と大きな政府の中間(費用対効果が高くない支出は減額すべき-医療費や公務員人件費などはどうだろうか?)。公共支出の減額の見込みがあれば、収入に関してはできるだけ増税は避ける。

(注1) 田原総一朗の政財界「ここだけの話」(日経ビジネス10月13日付け)より-米国や欧州各国では、どこも保守とリベラルという二大政党がある。例えば、米国では共和党が保守で、民主党がリベラルである。英国では保守党が保守で、労働党がリベラルだ。こういった二大政党が、権力を奪取しようと戦っている。
 では、保守とは何かといえば、「新自由主義」だ。経済でいえば、自由競争を促し、地域の伝統を重視し、自国の利益を強く守る立場を取る。政府はあまり介入せず、市場の競争原理に任せる「小さな政府」を目指している。
 その保守が政権を取ると、自由競争が加速するから、貧富の格差がどんどん広がってしまう。その上、勝者よりも敗者の数が増えていく。
 国民の不満が高まったところで選挙をすると、今度はリベラルが勝つ。リベラルとは、格差をなくすために規制を設け、社会的弱者の権利を守り、国際協調を目指す立場である。社会保障、社会福祉にどんどん金を使う。いわば「大きな政府」を掲げるのである。
 すると、今度は財政が悪化してしまう。次の選挙では保守が勝つというわけだ。
 このように、保守とリベラルが交代で政権を担うことで、社会のバランスが保たれている。保守が悪いとか、リベラルがいいとかという話ではない。

(1.5) 機会の平等論(経済的自己責任)・格差容認⇔結果の平等論・格差否定
これは、上記(1)の小さな政府⇔大きな政府と並行して、個人の経済状況として現れる比較軸である。これは世界的現象であるグローバリゼーション、ネオリベラリズム(経済における政府の干渉の最小化—民営化や規制緩和につながる)と、円安と株価上昇をもたらしたアベノミクスのもと、日本では経済・社会格差が拡大したことの背景にある。
A 維新の会や自民党右派は機会の平等論(経済的自己責任)・格差容認方向と思われる。この立場の一つの根拠は、富裕層が豊かになれば、彼らの消費、投資、寄付(これは日本では少ないはず)などの波及で、国民も豊かになるとする、いわゆる「トリクルダウン理論」である。
B 共産党や社民党は、結果の平等論・格差否定の方向である。昭和50年代までの日本経済もその傾向は強く、一億総中流社会と呼ばれていたほどで、当時ずっと与党の自民党も同様の傾向だった。
C 結果の平等は企業内の年功序列制度や、能力主義軽視につながりやすく、経済のダイナミズムを削ぐ面があるが、過度な能力主義重視や結果重視も最終的には非人間的な経済・社会制度にたどり着く。だから、どちらかの立場を絶対的に主張するのではなく、個々の課題や領域ごとにバランスをとっていくべきと思われる。
**この比較軸に関しては、詳細で正確な記述とまではいっていないことをご容赦いただきたい。しかし、今貧困層、あるいはそれに近い方々!非正規労働者(派遣社員、フリーター)、待遇が悪い仕事についている方々!年間約3万人の自殺者やその予備軍の方々!皆さんの境遇の原因の何割かは、今、上記Aの立場がかなり優位なことにあるのです。それでも安倍政権を支持しますか?**

(2) 原発継続⇔原発ゼロ
A 基本的継続、基数減少やゼロ化に触れない(これは、原発の事故による汚染問題だけでなく、関連業界との癒着や既得権益固定化とつながっている可能性も高い)—自民党の姿勢。希望の党は2030年までのゼロ化を唱えている。
B ゼロ化—即・今すぐゼロ化から年限を区切ったものまでいくつかのスタンスがある。
C 基本的にはゼロ化が望ましいが、エネルギーに経済効率はついて回るので、採算が取れる再生エネルギーの開発進度を確認しつつ、基数の段階的減少、最終的にはゼロを目指す。(Bとそれほどかけ離れたものではない)

(3) 消費税アップ
増加するだろう社会保障費などの財源のために、何らかの増税を絶対的に否定する党派はない。違いはどの種類の税金の増税か、ないし消費税の実施タイミングとその使途である。

A 消費税を早期に10%にし、使途を教育費や子育て支援費用とする(安倍首相発言より)

B 消費税アップは今は避ける

C 貧富格差を拡大しないために、富裕層にかかる税金は増税気味に(相続税、法人税など)、消費税など貧困層に打撃を与える税金は増やさない。(技術的各論は別途議論すればよい)-これは立憲民主党や共産党の主張に近い

その他の重要な政治課題(少子老齢化対策、移民・難民政策、経済格差縮小、等)も上記と同じような分類で分析できるが、私が現存の党派の主張を反映させながら作成した、上記のCの姿勢は中道で、理想的ながらも現実的であるといえる。

およそ政治実践とはかなりの部分理想の現実化過程だから、非現実的ではありえない。非現実なら、教条主義や行動を伴わぬ政治思想のレベルにとどまるのであり、現状を改革できない。かといって理想なき現実主義はただの機会主義や表面的対策にとどまってしまう。

だから、倫理・哲学の範囲にとどまらない実効性のある政治実践は、すべからず中道を目指すはずである。(逆にいうと理念やドグマに傾きすぎている政治姿勢は、実現不可能性とそこから外れた党派への排他的ないし攻撃的態度により、現実的には役に立たず、危険である場合が多い。(例えば、ナチズムや中国の文化大革命など、安倍政権もこの方向に向かいつつあるのではないか?)

本稿での中道の特徴には、現存の党派の保有する価値観に、若干修正と追加を加えている。それは今後のあるべき中道派の方向性を意識しているからである。つまり有権者Cは中道"C"の立場の理念・理想的存在だが、これからも進化を続け、理想を実現させる願いを持ち続ける。

(上記の比較軸の分類は社会科学的にいう理念型であり、現実に100%当てはまる党派や個人の存在はないが、現象理解および論考展開のために必要な概念と捉えられる)

さて、上記の立場の違いにおいて、選挙において完全な対立軸になるのは「①  思想・信条そのものである絶対的比較軸」である。「② 政策に関する相対的かつ技術的比較軸」は完全な対立軸にはならない。これらは政策の技術的側面が大きく、その時に状況によっても変動するからである。また、現状でもこの比較軸で、各党派間で全く妥協できないほどの違いは見られない。(自民の原発継続姿勢がその他の党派の原発ゼロ志向とかなり違うことを除き)

そして、「①  思想・信条そのものである絶対的比較軸」でのBとCの違いは小さく、両者の連立は可能である。現存の党派の組み合わせでは、
「立憲民主、社会民主、共産」となる。この連立に、思想的には旧民進右派で現在無所属の方々や自民党左派の方々も合同できないことはない。

一方「①  思想・信条そのものである絶対的比較軸」において、Aの立場を持つ、自民右派、維新の党と、BおよびCの違いは限りなく大きく、AとBとCの合同は不可能なはずである。だから、Cに近いはずの旧民進党右派が希望の党に入ることにより、Aに組み込まれ、ことによると衆議院の改憲の発議に賛成するようなことは全くの矛盾である。そうなればまさに、「悪魔に魂を売る」に近い。ですから、その矛盾解消のため、希望の党に合流した旧民進党右派の方々は、選挙後であっても、再度中道・左派勢力に戻るべきであろう。

3極というより実体は2極-日本政治の重要原則と2017年衆議院解散総選挙で伸長すべき党派

2017-10-10 22:31:28 | 日記
森友問題・加計問題の追及逃れの衆議院解散とその影響
安倍首相は、森友問題・加計問題の追及を逃れることを大きな理由として衆議院解散総選挙を行ったこと(現実に彼は有責の可能性もあり、そうならば首相・議員辞職をすると、言明したことも背景にある-今年2月中旬国会の発言)また、安倍政権は北朝鮮に攻撃的な米国トランプと同一歩調で、対北朝鮮戦争の誘発・日本の参戦リスクを上げている。(これに関連する作家半藤一利氏のコメントより「安倍氏が『国難突破解散」と位置づけたことで、そのパートナーであるトランプ氏と合わせて、平和を維持するために動くか、逆に制裁をさらに強めることを支持するのかの大問題を問い直す選挙」) このような安倍政権の姿勢にストップをかけるのため、2017年の衆議院解散総選挙では彼の支持派の衆議院議員数がぐっと減少するべきと考える。また、当然彼の側近である麻生副総理や菅官房長官の評価も下がるべきである。

北朝鮮戦争に日本が参加する危惧

安倍首相がこの選挙で、希望の党や維新の会との選挙後の合同(希望の党は政策の上で自民党と違いをあえて出そうとしているが、選挙後の修正は可能だし、思想方向の親和性により十分ありうる)も含め、衆議院3分の2以上の議席を確保して、最近提案している憲法9条への自衛隊明記が可能になってくれば、トランプ米大統領の11月初旬予定の訪日において、対北朝鮮戦争への自衛隊の積極的参加の可能性をアッピールできる根拠になる。そしてトランプ大統領が訪日の後の訪中で中国の了解も得て、実際に開戦すると(その可能性が高いとは思えないが)朝鮮半島では100万人とも言われる戦死者が出、日本へも北朝鮮のミサイル攻撃が行われ多大な被害が発生する可能性が高い。

その戦争は最終的には北朝鮮国民の困窮の解消につながりうるが、韓・日といった近隣国に多大な損害を与えてまで行えるものではない。ミサイル攻撃被害の度合いが低い米国大統領の強硬姿勢に、日本が容易に乗っかってよいはずがない。自民党右派などはこの参戦によって日本の改憲および、国権主義体制への移行が急速に進むと期待していると想像するが、そのことが100万以上の人命損害より価値があることだろうか?



日本国憲法改正への基本スタンス-緊急の改憲は不必要

安倍首相らがこだわる日本国憲法改正において、自衛隊に関する条項を変更することは、個別自衛権に関しては普遍的に必要と考えられるので、その意図は理解できる。ただし、侵略戦争に極力関わらないために、集団自衛権の無差別な行使は、憲法上の歯止めが必要である。

しかし、日本国憲法を改正せずとも実質的に個別自衛権は認められているとみなされるし、安保法案にて現憲法下での実質的な集団自衛権の行使も容認されている。一方、現在の多くの改憲論者は集団自衛権の行使に抑制的でないという危険性が感じられる。よって、現憲法下で解決できるだろう多くの経済・国際・社会の問題よりも、主に自衛隊に関する条項の憲法改正が国の真の課題として、優先順位が高いとは思えない。

米国人が主に書いた現憲法を日本人が書き換えていって、日本が対米従属から脱却する姿勢を示せば(実際にそれが政治・経済・安全保障などで実現していくかは別とし)、とりあえず日本人のプライドが高まる面もあるが、それが日本と世界に対して真の価値を寄与するかは大いに疑問である。

なぜなら、それだけでは日本の政治・経済・文化・社会が改善され、急成長するアジアでの日本の国際競争力を強化するなどの国際的課題や、少子高齢化や地方や産業の空洞化などの国内的課題を解決できる保証がないだけでなく、自衛隊条項を変更し、実質的な軍隊であると認め、将来的に日本が日米安保条約を解消し核武装をするようになった場合、日本は侵略戦争にまで関わる可能性が相当あるからである。下記の自民党憲法改正草案およびその背景の国権主義思想を理解すれば、その理由は明確である。

自民党憲法改正草案の危険性

安倍首相が唱えてきた憲法改正案は、9条以外に96条(憲法改正の発議が衆院議員の3分の2で可能なのを、半分で可能に変えたい)があって、96条の改正に2012年にできた自民党の憲法改正草案が結び付くと日本を破滅に導くものとなりかねない。
この自民党憲法改正草案は立憲主義(国民が憲法を作り、それが権力者をけん制する枠組み)、国民主権、基本的人権、平和主義のすべてを骨抜きにするものであり、戦前の国権主義への回帰にほかならない。これは改憲ではなく、破憲ないし壊憲であると評される場合(参照: 水上貴央/弁護士による解説http://sealdspost.com/archives/3844)もある。(ちなみに、この選挙後、安倍首相退陣に至った場合の次期首相有力候補の石破氏は、自身が関わった自民党憲法改正草案の自衛権に関することは詳しいが、草案の構造全体が危険をはらんでいるという認識を持っているのだろうか?)

もし、この選挙で安倍首相が勝ったら、可能性が高まる9条の変更を嚆矢として、次には96条も変更し、ひいては日本国憲法の大幅改正の流れになるかもしれず(多くの改正論者の意図はそこにあると感じる)、その自民党の憲法改正草案に従う方向になる可能性も十分ある。そうなったならば、日本国憲法の前文を始めとする、基本的人権条項は変更・削除され、憲法が国家をけん制し、国民を擁護する立憲主義も損なわれ、国家主義およびそれを強権的に実現させようとする国権主義に政体が変わっていくだろう。

安倍首相らは、国家公務員や地方公務員の定年延長を許可し、(国家・地方予算に負担の低い再雇用ではなく)彼らの歓心を買ってさえ政権の長期維持を狙っているのであり、それに伴い右派勢力が伸張すれば、その帰結は日本を危険にさらす復古主義の跋扈にほかならない。それはまさしく、日本国憲法を大幅に改正しながら、明治憲法や教育勅語の思想に戻る方向である。

日本国憲法の前文を始めとする、基本的人権条項と、支配者の横暴から国民を守るべき立憲主義はすべての民主主義国において、実現すべきものと認められた原則であり、恣意的かつ不公正な独裁制と対抗し、脱する過程で近代社会が勝ち得た価値観である。

日本は天皇制のもと、歴史的にそのような不正と圧政に満ちた独裁制では比較的なかったことが多いものの、いわゆる15年戦争時(満州事変~日中戦争~太平洋戦争)の主に軍部の独走~敗戦を、戦前の天皇を神格化した国権主義体制では阻止できなかった。つまり、戦前の日本の政体に戻るならば再度そのような危険が及ぶ可能性が高いということである。

しかし、安倍首相を始めとする自民党右派や、ナショナリスト団体(特に自由・平等・博愛などの近代社会原理と比較すると右翼的民族主義といってよい)と評される日本会議などの人々はそのような旧体制復帰の国権主義思想を持ち、それが体現されているのが、自民党の憲法改正草案である。

彼らは、主に米国によって準備された戦後レジームに限界を感じている。そのレジームのマイナスの特徴は物質主義、公の価値を無視するエゴイズム、米国への従属的な態度などであろう。しかしその克服は、別のマイナス面がまといつく日本独自の天皇中心主義(神格化を伴う)国体への回帰ではなくて、理論的には他の形の倫理、および公共精神、独立心等でありうる。(その内実については、倫理・哲学や社会科学なども援用し、別途追及・議論すればよいことであって、選択範囲を狭くして右翼的思考に走ってはならない。)

我々が支持すべき政治勢力—希望の党ではない
以上展開した論理により、国権主義および民族主義を増進させる方向で改憲をもくろんでいるあらゆる政治勢力に、私は反対する。小池都知事の希望の党、それに共闘する維新の会も大まかには、そのような方向性があるため、反対する。

小池都知事に関しては、当初から東京都知事を自分が総理大臣になるためのステップと捉える志向だったと想像されるが、そうならば東京都民および国際的大イベントである東京オリンピックにに対する責任と誠実性に大幅にかけており、そのような機会主義的性向は一国の総理大臣にふさわしくない。

また、彼女に率いられた希望の党の当初メンバー、それに合流・共闘する民進党メンバー、維新の会のメンバーも同様に、自己の当選や自派の伸張のみを重視し、国民と世界に対する責任と誠実性が不足している可能性が高い。今まで幾多の党を渡り歩きまず権力を求め、実際的な結果はそのスローガンほどは華々しくない彼女の行動には国民に対する真正な責任と大義は感じられない。

さらに、関東大震災の朝鮮人虐殺慰霊式典の追悼文取りやめをした小池都知事が率いる希望の党、民進党左派議員らを暗に示して「ポンコツ」という侮辱の言葉を平気で吐く松井大阪知事や、「慰安婦制度は必要だった」と発言した橋下氏がいる維新の会も、人権主義や民主主義とは相いれない独裁者傾向のある勢力であり、自民党右派との親和性があるのを通り越して、特に弱者や外国人の人権を軽んじる排外差別主義志向が強いのではないか。(現在の民主主義、人権主義を正とする国際政治基準からは極右になる)

小池都知事の率いる希望の党が、様々な批判の中、それほど躍進できない可能性がる。しかし、選挙後別の総理候補を立てるだろう自民党と連立し(現に10月8日の党首討論会でも、彼女は自民との大連立の可能性を問われると「しっかり戦い抜き、その結果としての判断になる」と含みを残した)、与党化する可能性は十分ある。彼女は外交・安保政策に関しては安倍政権と違いはないとも言明しており、自民党との連立は論理的に大いに可能だ。

そして、そのような連立の枠組みを利用して彼女が総理大臣になるために、衆議院に出馬するかは、自民党の票数減および希望の党の票数増の具合により決めるだろう。(しかし現在の票読み予想では、希望の党がそれほど伸びず、そうならないだろう。)

どの党派が伸長すべきか
ここまで述べてきた原則及び現実の評価をまとめるならば、憲法改正はかならずしも緊急課題ではなく、普遍的に大事な原則は、立憲主義・反国権主義・人権主義・民主主義であるという認識を共有することにより、立憲民主党、社民党、および旧民進党の右派(多くは今は希望の党、一部は無所属)、またことによると自民党左派、中道・左派勢力として大同団結をし、国権主義・民族主義に傾く自民党右派、維新の会、希望の党と対抗すべきであろう。
共産党に関しても、今後その綱領などに表わされている、歴史認識や最終的目標(日米安保条約即廃棄などの急進的過ぎる主張を含む)の再検討の約束があるならば、暫定的であってもその勢力に参加は可能である。
こうした原則論的認識に基づくなら、旧民進党右派の多くが希望の党に合流している現状は異常であり、原理原則に基づかず、自分が当選する党派をむやみに探しているだけと思われる。ここで彼らも再考し、たとえ選挙後であっても真の中道・左派勢力に合流すべきではないだろうか。

当面の護憲と将来の改憲の条件

改憲か護憲かに関しては、現在の自民党憲法改正草案の方向への憲法改正は、私は完全に反対であり、その方向にかじを切りかねない部分的改憲にも慎重でありたい。よって短・中期的には護憲で構わない。ただ将来的には、中国やロシアの軍事強権傾向は増大し、一方米軍の東アジアへの関与も減る可能性があることも鑑み、日本が(核武装も含めた)自主防衛に転換していく可能性はあるかもしれないが、その時の憲法改正は、今のような国権主義者ではなく、深く自由・平等・博愛の感覚を身に着けた真の民主主義者によって行われるべきである。

まとめ-日本政治を悪化させないキーを持つ方々へのお願い

立憲民主党の方々
政治と社会をよくするために改憲をするという動機自体は正当だが、国権主義者に引きずられた改憲は破憲・壊憲につながる危険性があるので、現在立憲民主党が反対している9条変更以外の条項の改憲にも同調しないこと。

元民進党で、希望の党で立候補している方々および無所属になった方々
選挙後であってもやむを得ないが、立憲民主党を始めとする中道・左派勢力に合同すること。

社民党、共産党の方々
国際状況の変動(主に安全保障バランスの変化)により未来永劫に護憲を貫けるかわからないことを認識すること。加えて共産党は天皇制廃止、共産主義社会建設、日米安保条約即廃棄などの目標を実現可能な形に修正していくこと。( 現に、10月8日共産党の志位委員長は、共産党が参加する政権ができた場合は「国民の圧倒的多数により『自衛隊は解消しよう』との合意が成熟するまで、政府は一定期間、合憲の措置を引き継ぐ」との発言をし、現実から遊離していた姿勢を変えつつある)

無党派有権者の方々
今回投票できる党派は立憲民主党、社民党、共産党。
希望の党、維新の会、自民党は国権主義に傾き、改憲の流れを増幅させ、立憲主義や基本的人権を骨抜きにする可能性があるため、決して投票してはいけない。

(了)