むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『山に生きる人びと』宮本常一(河出文庫)

2021年10月28日 | 読書
丹念な取材をもとにした民俗学の本。
サンカ、マタギ、木地屋、杣人、焼畑をする者、鉱山師、炭焼き、修験者、落人など、 昔の日本には山岳で生きる人々がいた。里の人間と生き方がちがい、定住せずに移動しながら暮らしている人たちだ。
木を材料に様々な道具を作り、砂鉄を掘り刀を作り、確かにもう一つの日本人としての文化をもっていたのだ。
彼らの中には、100歳をすぎないと年寄と言わないくらい長寿の人々もいたというから驚きだ。
彼らは、近代にはいり、徐々に里人に吸収されていき、文字をもたなかったため、記録に乏しく、その全容は想像することが多くなる。
血気盛んな血筋もあったようで、武士が起こったのは山の民からではないかと作者は大胆に予測している。
中高年の登山ブームなども、眠っている祖先のDNAが山に誘うのかもしれない。


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