はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)
 

 

 

 

少し前の記事で

 

特殊詐欺

 

騙された人だけでなく

 

その家族も含んだ

 

メンタル不調について

 

お話させて頂きました。

 

 

 

 

世間的には

 

まだまだ知られていない

 

内容からだったからか

 

ありがたいことに

 

たくさんの人に

 

読んで頂きました。

 

 

 

 

 

とは言うものの…

 

さすがに

 

『騙されない方がいい』

 

のは全員の願いでしょう。

 

 

 

 

そこで今回は

 

特殊詐欺の対策となる

 

自己防衛の心構えと行動について

 

お話させていただきます。

 

 

 

 

まず

 

この特殊詐欺の

 

被害者の人物像に対して

 

勘違いしている人も多いので

 

そのお話をさせて下さい。

 

 

 

 

特殊詐欺の話題になった時に

 

『うちのばぁーちゃんは

 

頭がしっかりしてるから

 

特殊詐欺にはひっかからないと思う』

 

という話をよく聞きます。

 

 

 

 

”頭がしっかりしてる”

 

というのは

 

医学的でもないし

 

抽象的な表現ですが

 

ざっくりと言えば

 

ここでは

 

”認知症っぽくはない”

 

というニュアンスで

 

進めていきましょう。

 

 

 


たしかに

 

特殊詐欺の被害者には

 

高齢者のイメージもあるので

 

認知症までいかなくても

 

”頭がしっかりしているか?”

 

という視点とは

 

結びつきやすいです。

 

 

 

 

しかし

 

結論から言えば

 

頭がしっかりしているからこそ

 

騙されてしまうのです。

 

 

 

 

電話一本で

 

加害者が作り出す

 

偽の”今起きている状況”を

 

頭でしっかり認知できるから

 

心がかき乱されるのです。

 

 

 

 

その臨場感を感じられるから

 

緊張感や緊急感に

 

しっかり反応してしまって

 

家族や店員の制止を振り切ってまで

 

『早く振り込まないと!』

 

と行動を起こしてしまうのです。

 

 

 

 

ロマンス詐欺もそうですが

 

結局のところ

 

高齢者に限らず

 

被害に合っていますよね。

 

 

 

 

さて

 

その大前提のなかで

 

騙されやすい人の特徴は

 

どのようなものでしょうか。

 

 

 

 

その背景のひとつに

 

『詐欺脆弱性の無知』

 

はよく知られています。

 

 

 

 

これは簡単に言えば

 

『私は詐欺なんか合いませんよ』

 

と思っているということです。

 

 

 

 

反対の側面からみれば

 

『自分は詐欺にあうかも…』

 

とビクビクして過ごしている方が

 

詐欺にあいにくいと言えば

 

納得できるかも知れません。

 

 

 

 

『自分は騙されやすい』

 

という自覚があればあるほど

 

他人が詐欺の被害のニュースも

 

「明日は我が身…」と自分事で捉えて

 

警戒心を持って過ごせます。

 

 

 



 

とは言っても…

 

『自分は詐欺にあうかも…』

 

と毎日ビクビクして過ごすのは

 

とても精神的にしんどいです。

 

 

 

 

人間というのは

 

ストレスや緊張感で

 

過剰な負荷が自分にかからぬよう

 

たとえ根拠はなくても

 

『まぁ、大丈夫だろう』

 

と思ってしまう動物です。

 

 

 

 

これを

 

”正常性バイアス”

 

といいますね。

 

 

 

 

例えば

 

あなたの働くオフィスビルで

 

火災報知器がなっても

 

慌てて外に出ようとせずに

 

『まぁ、大丈夫だろう』

 

と思うのではないでしょうか。

 

 

 

 

だからこそ

 

この特殊詐欺に関しても

 

心のどこかで

 

『自分は騙されないだろう』

 

と思っている人が多いのです。

 

 

 

 

では、ここからは

 

”騙されない”について

 

分解して考えてみましょう。

 

 

 

 

”騙されない”とは

 

”相手を信じない”

 

同じ意味になります。

 

 

 

 

つまり

 

『私は騙されない』

 

と言っている人は

 

『私は相手を信じない』

 

と言っているのです。

 

 

 

 

もちろん

 

相手が詐欺師と分かっていたら

 

『決して信じない!』

 

と決意できるでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

まだ相手が

 

何者か分からない時に

 

『あなたのことを信じない!』

 

と決断できるでしょうか。

 

 

 


もちろん

 

もともとの性格で

 

疑り深い性格だったり

 

人を信じられない経験があれば

 

それができるでしょう。
 

 

 

 

しかし

 

人間というのは

 

”他人を信じないという行動”に

 

大きなコストがかかります。

 

 

 

 

それは私達は、今も昔も

 

集団生活を営んでおり

 

周りを頑なに信用しなければ

 

人間関係にも摩擦が生まれ

 

自分が所属するコミュニティから

 

追放されるリスクもあります。

 

 

 

 

それだけ

 

『相手を信じない』

 

ということには

 

エネルギーが必要なのです。

 

 

 

 

逆にいえば

 

円滑に生きるためには

 

嘘だと分かっていても

 

受け入れた方が楽なことなんて

 

いくらでもあります。

 

 

 

 

たとえば

 

『あなたがいなければ

 

このプロジェクトは失敗してたよ!』

 

などのお世辞や社交辞令も

 

そのひとつでしょう。

 

 

 

 

「いや、そんなハズはないだろう…」

 

と頑なに信じない人よりも…

 

その言葉を信じたほうが楽だし

 

余計なエネルギーを使わないです。

 

 

 

 

つまり

 

『自分には相手を信じない力がある』

 

と高を括っているのは

 

過信である可能があり

 

足元をすくわれるリスク

 

潜在的に存在します。





それだけ自信満々の人が

 

電話口の話に

 

『えっ、まじ…?

 

すぐにお金が必要なの…』

と、少しでも信じた時には…



”これは本当のことだ”

 

と確信に変わっているのです。

 

 

 

 

だって

 

『自分は騙されない!』

 

=『自分は相手を信じない!』

 

という自分の力を

 

信じているのですから…

 

 

その裏返しとしては

 

少しでも

 

自分が本当だと感じた内容は

 

自分の中でどんどん真実味が

 

肥大していくのです。

 

 




 

 

では、

 

どう特殊詐欺から

 

身を守ればいいのでしょうか。

 

 

 

 

それは

 

いかに違和感に気づき

 

立ち止まれるかが重要です。

 

 

 

 

『え、そんなことあるか?』

 

という違和感を持つために

 

アンテナの感度を

 

高めておく必要があります。

 

 

 

 

結局のところ

 

『自分は騙されやすい方だ…』

 

という心構えが必要であり

 

それによって

 

違和感のアンテナの感度が

 

高くなります。

 

 

 

 

それがあるからこそ

 

電話口から

 

急かされたり焦らされても

 

より慎重になれるのです。

 

 

 

 

そのうえで

 

詐欺の手口を

 

たくさん知りましょう。

 

 

 

 

『あ、あのパターンだ』

 

と気がつくことによって

 

違和感アンテナにひっかります。




とは言っても

 

手口はどんどん巧妙化され

 

形を変えて

 

あなたに迫ってきます。

 

 

 

 

だからこそ

 

『自分は騙されやすい方だ…』

 

という心構えを持ちつつ…

 

 

『電話でお金を要求されたら一切無視』

 

『必ず一旦は切って、本人(息子など)に折り返す』


など自分なりの行動指針を

 

きっちり決めておいた方が

 

より詐欺に合いにくなりますよ。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!