福岡城訪問レポートその2です。
それでは、福岡城の中心部へ向かいます。
東御門跡
ここは家老屋敷の並ぶ三の丸から二の丸に入るための主要な門の跡。
周りの石垣には巨石が使われています。
扇坂・扇坂御門跡
東二の丸から二の丸へ続く地点には、扇坂御門と呼ばれる門がありました。
門内側の石段が扇形に広がっていたことからこの名がついたといわれています。
本丸表御門跡
二の丸から本丸へ通じる道はさきほどより広く、右側の石垣の上には表御門櫓がそびえ、睨みを効かせていました。正面にあった本丸表御門は大正7年(1918)に黒田家の菩提寺である崇福寺に移築され、現在も同寺の山門として現存しています。
太鼓櫓とともに元あった場所に復元される計画があるそうです。
本丸跡
本丸には、本丸御殿の他、祈念櫓(石垣工事のため解体中)、月見櫓など多くの建物が建っていました。
本丸東側の石垣
福岡城で最も高い石垣です。
正保3年(1646)に描かれた福岡城の絵図「福博惣絵図」には天守はなく、官兵衛・長政親子は幕府に遠慮して天守を建てなかったと考えられていました。
しかし、近年になり天守の存在をうかがわせる文書が発見され、存在説が浮上、実際には造ったが十数年で取り壊したのではないかともいわれていますが、天守の存在を裏付ける資料は見つかっていません。
天守台
本丸北側には大・中・小の3つからなる連立式の天守台が残されています。
大天守台は東西約25メートル、南北約22メートルの大きさで、東側に小天守台、西側に中天守台が連なる構造です。
大天守台の階段
天守台は中心部が凹んでおり、穴蔵があったような構造になっています。
礎石も残されているうえ、周辺からは瓦も出土しているので、何らかの建物があったことは間違いがないようです。
天守台の上は展望台になっています。
標高36m、博多市街が一望です。
手前の森が大濠公園。左奥には福岡タワー、右のビルの間からヤフオクドームも見えます。
埋門(うずみもん)跡
大天守台と中天守台の間には埋門跡が残ります。ここを通って天守台の裏側へ向かうことができます。
裏側から見た大天守台
本丸の南西に位置する南二の丸
入口には冠木門(復元)が建っています。
多聞櫓
南二の丸の西側にある現存の多聞櫓。福岡城唯一の重要文化財です。
二層の隅櫓とそれに連なる54mの長さをもつ平櫓からなります。
内部が16の小部屋にわかれていることが特徴で、平時は倉庫等に利用されていたとされています。廃城後は学生寮に使われていたこともあるとか。
普段は内部公開していませんが、イベント時など一般公開されることもあるそうです。
昨年の3月の桜まつりの時期に「幻の天守閣」の骨組みを夜間にライトアップするイベントが行われました。
主要な建物はほぼ残らない福岡城跡ですが、壮大な敷地と立派な石垣が見どころ十分です。