最近は少なくなりましたが、昔は、卵子提供でのコンサルテーション時に基礎体温表を持ってくる方が多くいました。
基礎体温とは、体が安静な状態にある時の体温です。
つまり、眠っている時の体温です。
女性は、排卵にあわせて0.3℃~0.5℃の間で基礎体温が変動します。
生理後は、体温が低くなる低温期になります。
排卵後は、黄体ホルモンが分泌され脳の体温調節中枢に作用し、体温が高くなる高温期になります。
基礎体温を毎日計測してグラフ化すると、自分の排卵日をだいたい特定でき、生理周期を把握できます。
昔、毎朝、婦人用体温計等で基礎体温を測り、基礎体温表をつけている方は多くいらっしゃいました。
ただし、実は、アメリカでの不妊治療クリニックでは、基礎体温を患者さまに薦めていなく、基礎体温表はあまり参考にしません。
私たちは、患者さまのお身体の状況を出来る限り予測するために、基礎体温表があれば拝見させていただき、参考にはさせていただきますが
基礎体温表はあくまでも状況の予測や参考ですので、実際の治療ではそこまで見ません。
まず、基礎体温は、眠っている時の体温ですので、目覚めて、体を動かし始めると、すぐに体温は上がり始めます。
体温が一番高い時間帯は、午後の2時~5時頃です。
基礎体温は起きてすぐに測らないといけないですが、0.3℃~0.5℃の僅かな変動幅を測定するのは難しいです。
また、寝ている間でも、わずかな寝返りで数字に変化が出ます。
睡眠時間が短かったり、睡眠の質が良くない場合も、体温が充分に低下せず、本来の基礎体温よりも高く計測されることもあります。
もし仮に、正確に基礎体温をつけていたとしても、正確な排卵日を特定する事はできません。
基礎体温は、あくまでも参考や目安です。
正確に状況を把握するためには、血液検査などの数値が必要です。
卵子提供プログラムも、しっかりと血液検査で正確に値を確認し、プログラムを進めていきます。
基礎体温は、不妊治療クリニックに相談する前の目安になる可能性はあります。
婦人用体温計さえ購入すれば、お金もかかりません。
低温期が長く続く場合は、甲状腺や生殖器官に何らかの疾病がある可能性があります。
黄体機能不全や無排卵の可能性もあります。
基礎体温が高温期と低温期にしっかりと分かれていない場合は、生活習慣の見直しが必要の可能性もあります。
基礎体温を測っていると、自分の平熱も把握できます。
日本人の平均体温は昔よりも下がっています。
運動不足やストレス、不眠症などの生活習慣が影響している可能性もあります。
現在の日本人の平熱は、36.2℃です。
アメリカ人は、約37℃ですので、だいぶ低いです。
日本での不妊症患者の増加は、平熱が下がっていることとも関連しているとする調査報告もあります。
卵子提供プログラムの開始以降は、血液検査のデータで治療を進め、お薬でホルモン調整をしていきますので、
卵子提供プログラム中は基礎体温をつけることはすすめていません。
受精卵移植後も、私の経験からでは基礎体温をつけるのはおすすめしません。
妊娠しているのに、想定していない体温が計測され、ストレスで悩む方がよくいます。
無駄なストレスはない方が良いので、ストレスになるくらいなら基礎体温はからない方がいいです。
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