ハンマーヘッドシャークに会える!初心者向け与那国島ダイビング情報

与那国島と言えば、一般的にはDr.コトーのロケ地としても有名ですが、ダイバーの中では与那国=ハンマーヘッドシャーク。ブリブリした大きなハンマーヘッドシャークに会えるダイビングポイント、日本の最西端にある与那国島は、日本のみならず海外からのダイバーをも引き付ける島です。

このブログでは、与那国島のハンマーヘッドシャークダイビングに必要な基本情報をまとめました。

与那国島でのハンマーヘッドシャークが出るポイント名やダイビングの方法、ダイビングショップ情報など、与那国島へ行ってハンマーヘッドシャークと泳いでみたい方、与那国でのダイビングに興味を持っている方が知っておいて損のない内容になっています。

与那国島ってどんなところ?

石垣島から飛行機で30分、フェリーで4時間。与那国島は日本の最西端、沖縄県の最も西にある島で、台湾から東におよそ111キロの距離にあります。

晴れた日には与那国島から台湾が見えることも。夕日や星空も美しく、島ステイ自体を楽しめるのも与那国島にダイビングで訪れる魅力です。

島には3つの集落、祖納、久部良、比川があり、島全体の面積は28,95 km²。車で2時間もあれば一周観光できる広さです。ダイビング後に島の絶景ポイントを巡ることも容易にできます。

与那国島へ行く方法!飛行機は那覇か石垣で乗り継ぎ

那覇から与那国

日本の最西端、与那国島には日本琉球エアコミューターRACが運航する那覇および石垣島からの飛行機で行く必要があります。東京の方なら、羽田―那覇―与那国もしくは羽田―石垣―与那国となります。

ダイバーに人気なのは、仕事終わりに羽田-那覇、那覇泊、翌朝に那覇-与那国で着後3ダイブするルートです。RAC721 那覇 07:15 → 与那国 08:35 

石垣島から与那国

石垣から与那国の便は、RAC741 石垣 10:05 → 与那国 10:40の場合、到着後2ダイブできます。

フェリーよなくに「ゲロ船」で与那国に行く手も

飛行機以外には、フェリーもあります。週2回、石垣島の離島ターミナル近くから福山海運が運航する「フェリーよなくに」に乗って、与那国島まで4時間の旅。着後ダイブは難しいですが、前日に与那国入りしてゆったりとしたスケジュールでダイビングしたい方にピッタリ。

島気分を味わうのも、飛行機よりフェリーがおススメですよ。ゲロ船と呼ばれていますが、与那国島行のフェリーは快適です。寝台の二段ベッドで横になって眠れば、4時間は意外とあっという間。心地よく過ごせます。

与那国島での宿泊事情

与那国島での宿泊事情については、別記事で詳しく記載している通り、宿泊施設の数が限られており、ホテルはありません。

ただでさえ、混みあうハンマーヘッドシャークのシーズンである12月から3月。連休や土日を挟んだ旅程の場合、宿泊先の確保は困難を要します。

与那国島でハンマーヘッドシャークに会おうと決めたら、まずやることは宿泊先の決定。宿の確保をまず行ってから、ダイビングの予約をするのがおススメです。

ハンマーヘッドシャークはどんなサメ?人を食べないの?

ハンマーヘッドシャーク 頭

ハンマーヘッドシャークは、日本名をシュモクザメといい、世界中の海域に生息するサメの一種です。日本では主に神子元島と与那国島で見られます。ハンマーのような特徴的な頭部形状から、その名が付けられています。鋭い歯を持つサメで、魚介類を捕食します。

ハンマーヘッドシャークはヒトを食べることはまずありません。臆病な性格なので、人間に対して攻撃的な行動をとることはなく、近づくと猛スピードで逃げてしまうことが多いです。

だからこそ、ハンマーヘッドシャークと遭遇したときは、「寄り方」が重要になってくるんですね。逃げられずハンマーの群れに近づけるよう、ダイビングショップのガイドの話(ブリーフィング)を良く聞いておきましょう。

ハンマーと黒潮

日本で見られるハンマーヘッドシャークは、黒潮の当たる場所に現れます。与那国島も、静岡の神子元島も、東京都の大島や利島も黒潮の通り道です。

しかし、与那国島が黒潮の中に入ってしまうような、黒潮が島にぶち当たっている状況は宜しくないらしいのです。どうやら、島の西側に当たっている程度か当たらないか程度に通っているぐらいが大物に当たる率が高くなるらしく、ハンマーも見える率が高いようです。

与那国島でハンマーヘッドシャークの大群れに会う条件

ハンマーヘッドシャーク与那国島

与那国島といえばサイズの大きいハンマーヘッドシャーク。体長は2m~3mと、神子元のハンマーよりも大きく、横幅も大きくブリブリ。元々体長が大きい上に、妊娠中のハンマーヘッドシャークが群れている中でダイビングするのは迫力満点です。

与那国島でハンマーヘッドシャークに会える季節

与那国島のハンマーヘッドシャークといえば冬。与那国島でハンマーヘッドシャークの遭遇率が最も高くなる水温は23~24度くらいであると言われています。毎年、水温の下がり方、上がり方に差はあるので正確な時期は予測できませんが、ハンマーシーズンの目安は12月後半から3月になります。

11月と4,5月も可能性は十分ありますが、水温に左右されるようです。

冬の与那国島の水温

ハンマーシーズンは冬ですが、与那国島の水温はどのくらいなのでしょうか。

気象庁データ 与那国島の水温情報

年によってかなり違いますが、12月から4月の各月の水温は凡そ以下のような範囲になります。

  • 12月:24-27
  • 1月:23-24
  • 2月:22-24
  • 3月:23-26
  • 4月:24-29

感覚的には、22-26度くらいであれば群れているイメージです。28度くらいでも単体は高い率で見かけます。せっかくなら、与那国島ならではの大きなハンマーに囲まれる体験ができる26度以下の水温時に行きたいですね。

「ハンマーに会えない」を回避する方法

与那国島まで行ったのに「ハンマーに会えない」という事態も残念ながらあります。ハンマーヘッドシャークのシーズン真最中でも「調子が良い時期」「調子が悪い時期」があり、シーズン真っただ中に行っても、ハンマーの群れに会えない可能性は低くはありません。

「ハンマーに会えない」を回避する一番良い方法は、複数回に分けていくこと。1シーズンの内に何回か行くことで、調子が悪い時だけに当たる確率を下げることができます。

もう一つの方法は、1度の滞在期間を長くする方法です。ですが、これはあまりお勧めしません。例え2週間居ても、ハンマーヘッドシャークの群れに当たらない事も、確率的には低いながら在るからです。経験上、調子の悪い時期はあきらめて、島の他の側面を楽しんで帰るのが一番です。

ハンマーヘッドシャーク群れの出没ダイビングポイント

西崎ハンマー

西崎

与那国島でハンマーヘッドシャークの大きな群れが出没する王道のポイントは、西崎周辺です。西崎(いりざき)は与那国島の南側の西の先あたりに広がるポイント。その周辺がハンマーヘッドシャークだけでなく、大物の群れが出やすいエリアになります。

西崎はエリアとしては広範囲で、その中に「南の根」「ハンマーヘッドロック」「ハンマーウェイ」と言った与那国島の大物狙いでメジャーなダイビングポイントがあります。

ハンマーシーズンは、ハンマー以外のシーズンで西崎エリアに入るときのポイントよりも沖の方で入ってダイビングすることが多いです。底が60~70mくらいのエリアでダイビングすることになり、水底が見えず、黒潮の青い潮に乗って大ダイビングすると、見渡す限り青の世界になることから「ブルーウォーターダイビング」と呼ばれます。

ダンヌドロップ

西崎はハンマー狙いの王道エリアですが、ハンマーヘッドシャークのシーズン中は与那国島の北側でも群れが見られる傾向にあります。ポイント名としては、ダンヌドロップ(ダンノドロップ)や久部良バリがあげられます。

ダンヌドロップは、与那国島の映えポイントとして有名なトイレのあるビーチ、ダンヌ浜の沖の方になります。ダンヌドロップも、ハンマーヘッドシャークの大群れが出やすいポイントとして知られ、タイミングが良ければ100匹、200匹と言った数のハンマーの群れに遭遇できます。

久部良バリ

久部良バリ(クブラバリ)は与那国島の久部良港から少し北側にあり、水深が15~30mくらいのポイントになります。

ダイビングサービスマーリンのマップで見ると、ポイントの位置が分かりやすいです。

ダイビングサービスMarlinのページより

久部良バリは、ハンマーシーズンのチェックダイブのポイントとしても良く使われます。

しかし、チェックダイブとしてだけではなく、近年はこのポイントで大群れに当たる事が増えてきたため、西崎の調子が悪い時の一発逆転的な狙いで入るハンマー探しのポイントとなってきました。

砂地もあり、砂地でハンマーの群れに出会えば、そのレアなシーンに感動すること間違いなしです。

与那国ハンマーの水深は?

「与那国ハンマーは深い」。与那国島のハンマーヘッドシャークは、神子元島で遭遇するハンマーヘッドシャークより水深が深いと言われています。

シーズンの最初、12月ごろは水深が深めの40m~60mくらいで群れが出ることが多く、シーズンの後半に向けて浅くなってくる傾向がみられます。浅く出るようになると、水深15~30mくらいで泳いでいるハンマーの群れも頻繁に出現します。3月や4月に入ると浅めな傾向はあるものの、ハンマーヘッドシャークとの遭遇は運です。浅い群れに当たるか、深いのに当たるか、両方見られるか、行ってみないと分かりません。

与那国でも着底ハンマーは見れる!

運が良ければ、底が30mと浅めのハンマーウェイの棚の上でハンマーリバーを見ることが出来ます。与那国でも着底でハンマーヘッドシャークの群れを鑑賞することはできるのですね。

水深は浅い方が体には優しいので、与那国が初めての場合は是非無理をせず、深場でハンマーが出ても水深36m程度で止めるのがおススメです。

初心者がハンマーヘッドシャーク狙いダイビングで注意すべき点

与那国で安全にダイビングするための注意事項

ブルーウォーターでハンマーヘッドシャークに会うダイビングを行うには、最低ダイビング本数が決められている場合もあります。それは、流れがある、底の深い場所でのダイビングを安全に行うためです。

大事なのは、本数ではなく、スキル。以下に必要なスキルをいくつかあげておきます。

与那国島のダイビングで【必要なスキル】

  • フリー潜行
  • 中世浮力―水底が70mくらいのところの中層でダイビングします。沈んで行ってしまう、浮いてしまうことが無いようにしましょう
  • 泳力―群れが遠くにいる時は、かなり泳ぎます
  • エアー持ちー群れが遠くに居たり、深めに出るとエアを消費しやすいので、ゆっくり呼吸してエアー持ちを良くするのが大事です。
  • NDL―ハンマーが深くでた時は特にデコを出さないように

与那国島は全てドリフトダイビング。フリー潜行して、中層10メートル集合が基本になります。ダイビング時間は30分から40分。

水中でのマナーなど

ハンマーシーズンは、1チームの人数は10人を超えるような大人数になることもあるので、大人数が海や船でもスムーズに行動できるような心がけが必要になることもあります。

例えば、水中で誰かの頭を蹴ったりしないよう、船に上がった際にできるだけ奥までつめてから機材を下すように、などダイビングスキル以外でも気を付けたいですね。

また、カメラやGoProをラダーに引っ掛けて、カメラ部分を落としてしまうトラブルもあります。水深のある場所で落とすと取りに行けないので、高価なカメラは注意したいですね。

与那国島でダイビングショップを選ぶポイント!ハンマー狙い用比較表

与那国島のダイビングショップはたった4つだけです。ショップ情報と、各ショップの特徴は以下の通りです。

YDS 与那国ダイビングサービス

経験本数50本以上。

与那国島の老舗ショップ。ⅢとⅦ号の2艘で分かれるため、3,4チーム載せることができる。キャパが与那国で一番大きい。

ダイビングの合間に大浴場の湯船に浸かって温まれるのは大きなメリット。他のショップはシャワーオンリーです。

与那国ハンマーシーズン中は、神子元のショップ「神子元ハンマーズ」で夏に働いているガイドが複数ヘルプとして在籍。

サーウェス与那国

経験本数100本以上。外国人ダイバーが好んで使うショップとしても知られるサーウェス。黄色い派手なボートは一度見たら忘れられない。

http://www.yonaguni.jp/

マーリン

ダイビングサービスマーリンは、メールブルーと経営元オーナーが統合され、名前もダイビングセンターマーリンと改名されました。

最低経験本数の記載なし。ダイビングショップの敷地内には人懐こいヤギ、猫がいる。

他ショップに断られた初心者へ紹介される傾向にあるショップ。

メールブルー

最低経験本数の記載なし。

ガイドの薫さんには固定ファンも多い。ガンガン泳ぐスタイル。

与那国島ダイビングショップの比較表

与那国島ダイビングショップ比較表

まとめ:2023年もハンマーヘッドシャークが沢山見られている

「ハンマー会うと感動するよ」とはダイビング初心者時代に言われましたが、初めてハンマーを見た時も、何回も見た今も、与那国の海で出会うハンマーは格別です。与那国の透明度の高い海で大きなハンマーヘッドシャークの群れに囲まれてダイビングする快感は、一度経験したらハマる中毒性の高いダイビングです。

シーズンは意外と長く12月~5月ごろまでなので、チャンスは沢山あります。ドリフト慣れしている方は、是非冬の与那国へ。そして初心者の方はドリフトダイビングを練習して、一度は与那国でのハンマーダイビングを体験してみてください。

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この記事を書いた人

Macaron

海外進出における営業や展示会出展サポート、英語の通訳・翻訳、イタリア語の通訳、ビジネス英会話講師。分からないことを丸投げしたい個人や小規模事業者におススメ。神奈川と石垣島の2拠点で活動。