こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
円形脱毛症の話題を中心に書いているブログではありますが、より深く円形脱毛症を知る意味で同じ髪のトラブルである男性型脱毛症を絡めて本日は書いてみたいと思います。
円形脱毛症と男性型脱毛症この2つは全く違うメカニズムで発症し、発症の結果も全く異なるものです。
ですが私はこのブログを通じて円形脱毛症を考察してきて思う事として少しダブル部分もあるのかな?と感じられてきました。
同じ髪の事ですしね。
何がダブルのかと言えばそれは結果としてどちらも髪の成長局面で手かせ足かせが着くという事。
今迄このブログを何度も読んできてくださった方々は賛同するしないに関わらず当ブログにおいて免疫の干渉は円形脱毛症の第一義的な原因としていない事をご存知だと思います。このブログでは円形脱毛症で髪の成長(伸びる事即ち発毛)を妨げている原因は神経や血流を筋肉が障害している為としてきています。
一方で男性型脱毛症ではどのように成っているのか。
これは本当にざっくり言うとテストステロン(男性ホルモン)が5αリダクターゼI型とII型(酵素)と結びつきジヒドロテストステロン(以下DHT)と変化し、毛母細胞を困らせるので毛包のミニチュア化が始まり薄毛が発症するのです。
化学変化に関しては問答無用でそうなのだろうと思います。でも私の興味を引く現象があります。
それは脱毛範囲です。一般的に男性型脱毛症の発症形状はハミルトンノーウッドスケールで表されています。
wikipedia:Hamilton–Norwood scaleより
過去記事(同じ形状と言えば……)でも書きましたが年齢の多い少ないにかかわらずほぼ同じ形状で薄く成ります。この薄く成る部分、以前にも何処かで書きましたがコレに酷似しているとしか思えないのです。
それは……
この図からはどう見ても眼神経領域に沿って問題が生じているとしか思えません。
しかし、現在言われている男性型脱毛症は先ほど書きました5αリダクターゼ存在する部位にやってきたテストステロンがDHTに変化しやすく、尚且つDHTが毛乳頭のアンドロゲンレセプターに働きかけるために髪が育たなくなると云うものです。そして何故前頭部と頭頂部の髪のみが育たなくなるかと云えば5αリダクターゼ(酵素)の分布が関係します。
まず5αリダクターゼはI型とII型に分けられるのですがI型は側頭部と後頭部に多く分布します。II型は前頭部と頭頂部なのです。男性型脱毛症は脱毛範囲からこのII型の分布が大きく関与していることが分かります。そうして作られるDHTなのですが、これも決していらないゴミではありません。役目としては男性的な身体を作る為に大変重要な働きを持ちます。身体にとって必要なモノなのです。
少々脱線しますが前頭部と頭頂部にDHTが多く産生される証拠と云えるかどうかまでは分かりませんが『へぇ~』というお話を一つ。
いきなりですが事件現場などで白骨死体が有ったとします。骨盤を見れば男性なのか女性なのか分かるのですが、それがままならない場合。頭蓋骨を見るだけでガイシャが男なのか女なのか大まかですが分かるのです。
どこを見るかと云えば『オデコ』なのです。
男性のオデコは斜め。女性は立ち上がっています。
横から見て眉毛の辺りを頂点としてそのまま直線的に頭頂部までのびる頭は男性。
眉毛の辺りから直上方面へオデコが立ち上がっているのが女性。
芸能人で分かりやすい感じだと所ジョージさんは男性的です。
一方で石原さとみさんは分かりやすく女性的です。
ヤフーの画像検索のリンクを張っておきます。見るとなんとなくわかるかも知れません。
ひょっとしたらヒトは基本は女性的な骨格なのかも。
DHTが前頭部と頭頂部に多いお蔭で頭蓋骨の形成が男性的に変わって行くのかも知れませんね。
それに伴い男性は前頭部と頭頂部が薄くなりやすい宿命があるのかも。
これは想像でしかありませんが……。
閑話休題
そのDHTを作るためには材料と成る男性ホルモン(テストステロン)が必要なのですが、中年期に差し掛かり男性ホルモンの出が減少するとDHTの安定供給が体内で危ぶまれるようになります。それでは身体が困るのでDHTがより一層多く作られるように5αリダクターゼがより反応しやすくなるので男性型脱毛症が加速します。それゆえ男性型脱毛症は一般的にはテストステロンが減少してくる中年以降に発症するのです。ちなみに男性ホルモン(テストステロン)は身体を引き締める作用があります。男性の中年太りと云うのは食べ過ぎ飲みすぎだけではなくテストステロン減少のサインでもありますのでそれに少しでも抗う為には筋トレが大切だと私は思います(筋肉ムキムキの方でも薄い方は.いますがあくまでも抗う手段の一つとして)。
ではそんな男性型脱毛症、治らないのでしょうか。
答えは『否』(きっと)
世間ではミノキシジルやプロペシア、デュタステリドなどのお薬が処方され成果を出しています。
当院でも実績が数例あります。
と言っても私は処方できませんので当然鍼灸のみで立ち向かっての話です。
当院に来られる方の99%以上は円形脱毛症が入り口です。
しかし円形脱毛症が治っても健康管理のために引き続きご来院いただいている場合も有ります。その時はせっかくなので薄毛予防をしたいと男性の多くは思われるようです。
以下にご紹介するのは円形脱毛症治癒後の男性型脱毛症予防の経過です。
画像は同じマイクロスコープで撮影したもので画像横幅は凡そ4ミリです。
男性で年齢は50代から60代に差し掛かっています。
場所は全く同じとは言えませんが頭頂部でだいたい(?)同じ所です。なので誤差としては大体3~4本の差くらいだと思います。
まずは……
平成28年の頭頂部の画像です。AGA対策、当院名物(?)の髪の毛数えです。
1画面の中の髪の毛の根元に数字を振って数えています。数字の赤丸はレギュラーサイズよりも細い髪です(細さについて明確な規定は無く私の感覚です)。
そうすると平成28年には画面中35本の根元があり、その中の6本が細いと言う事に成ります。
施術中に画像を作るのでもしかしたら数え間違いもあるかも知れません(;^_^A
では、お次。
来院される度の画像を載せると超大作に成りすぎてしまうので1年ごとにしました。
平成29年は35本中6本。
次。
平成30年は35本中6本。
お次。
令和元年は37本中11本。
お次。
令和2年は40本中11本。
お次。
令和3年は44本中13本。
そして今年。
43本中12本。
じわりじわりと髪の毛の総数が増えています。増えた髪の数はそのまま細い髪の数といっても良いかも知れません。欲を言えば髪の総数が増えて細い髪の数が減ってくれるのが一番です。それはこの方のこれからの課題です。そして髪の本数は増えましたが肝心の見た目はぱっと見あまり変わらないのです。これは増えた分の髪がまだ細く見た目の毛量には貢献できていない為です。しかし、60代の男性で髪の本数が増えるのは、少なくとも6年前よりも薄くなっていないのは良い状況なのではないかと思います。
ではこの鍼灸施術、どうやったか。
前回の記事(本当に必要なのは1つか2つ)で書いたからではありませんが鍼の本数は少ないです。
身体に体質改善的な鍼灸の他、局所治療としては頭皮に深さ2~3ミリの鍼3本のみです。
元々それ程薄毛でもなくAGAの現状維持を目的としているので来院頻度としては大体月1くらいでゆっくりと予防しています(その前の円形脱毛症だった時はもっと頻繁です)。
もちろん育毛剤他使用されていません。シャンプーもリンスもドラッグストアの一般的な物を使用です。
毛量を維持できて尚且つ細毛であっても本数が増えた事は局所的なアプローチが効を奏したのか、はたまたそれまで継続してきた体調管理の賜物なのかは分かりません。
この様に神経に対して少しのアプローチを加えるだけでもしかすると周辺の毛根のDHT受容性が若干変わる可能性を思います。
男性型脱毛症の発症時期は現在のところ不明瞭です。
逆に考えると脱毛範囲が眼神経支配領域である事、また眼神経近辺に刺激を与えて結果が良かったことを鑑みると、男性型脱毛症の発症は眼神経にまつわる何かしらのトラブル発生が時間的な切っ掛けに成るのではないだろうか……とも思えます。
という所で、どうして今回男性型脱毛症を採り上げたのかと云うと、どこかの記事で男性型脱毛症と円形脱毛症の蛇行型脱毛症は髪のある部分が反転している。男性型脱毛症で髪が少なく成る部位は蛇行型で髪が残る部位。逆に蛇行型で抜けて仕舞う部位は男性型で髪が残る部位と書きました。そして男性型脱毛症も蛇行型脱毛症も良くも悪くも症状が安定しています。反対ではあっても正反対すぎて逆に相関関係にあるように思えるのです。
5αリダクターゼII型が前頭部と頭頂部に多いのでその部分が薄くなるのであれば、側頭部と後頭部には5αリダクターゼI型が多く分布しています。こうなるとひょっとしたら蛇行型は5αリダクターゼI 型の影響も受けて発症継続しているのではないだろうかと疑わしく思えてきたのです。AGAは男性だけの話ではありません。女性にもテストステロンはありますし、近年では女性の男性型脱毛症としてFAGAという言葉も出てきています。
この辺のところを今後に検証していきたいと思っております。
最後に男性型脱毛症は成ってからよりも成る前に抗う事が大切だと思います。
『備えあれば患いなし』
私の好きな言葉です。
ぱちんっ!!
(最近封切られた某映画より)
良ければ参考にしてみてください。
↓日々のケアに
↓古典的伝統的な頭皮施術用具です
↓頭皮が荒れて痒い時にも良いと当院で口コミあり
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此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
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