行政手続のオンライン化が進んでいます。

自治体でも行政手続きがオンラインで行えるように、様々なシステムが導入されています。

この自治体のオンライン手続きで問題が起こっています。

自治体はオンライン上で行政サービスを提供するために本人確認を行います。

これを自治体の内部ではなく外部のアプリで行っているところもあります。

このアプリの中で民間のIT企業が開発したものがあるのですが、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取らせて本人確認を行い、その後行政手続きをオンライン上で進める仕組みになっているものがあります。

このアプリを開発した企業はマイナンバーカードを使って本人確認を行うこと自体は国から承認を受けて行っています。

ところがマイナンバーの取り扱いはいわゆるマイナンバー法で定められていて、マイナンバー法ではマイナンバーの収集や保管は法定の目的のためにのみ行えることになっているのです。

法定の目的とは例えば社会保険関連の手続きや税金関連の手続きなどの目的のためです。

この企業のアプリでは本人確認のためにマイナンバーを読み取っているのでマイナンバーを収集していることになるのではないかという指摘を受けてしまったのです。

この企業自体が法定の手続きを行っているわけではないので、マイナンバーを収集しているとなると違法ということになってしまいます。

この指摘を受け、自治体がこのアプリの使用を取りやめるという事態になっているのです。

行政手続き上もオンライン手続き上も何らおかしなことをしているわけではないのですが、法の規定からすると違法になってしまう可能性があるのです。

解決方法としては、アプリをマイナンバーを取得しないで本人確認ができる方法に変更するか、マイナンバーを取得するけれども違法とはならないように法律を改正するかです。

どちらも簡単にはいかないため、慎重な検討が必要になります。